>子の曰わく、惟だ仁者のみ能く人を好み、能く人を悪む。 >(先生がいわれた、「ただ仁の人だけが、人を愛することもでき、人を憎むこともできる」) > 『論語』里人第四 > 待つ >憎むとは 待つことだ >きりきりと音のするまで >待ちつくすことだ >いちにちの霧と >いちにちの雨ののち >おれはわらい出す >たおれる壁のように >億千のなかの >ひとつの車輪をひき据えて >おれはわらい出す >たおれる馬のように >ひとつの生涯のように >ひとりの証人を待ちつくして >憎むとは >ついに怒りに到らぬことだ > 石原吉郎『石原吉郎詩集』