女人五つの障りあり、無垢の浄土は疎けれど、蓮華し濁りに開くれば、竜女も仏に成りにけり
(『梁塵秘抄』巻第二)
女性には「五つの障り」(
梵天、
帝釈天、魔王、
転輪聖王および仏身の五種の地位になれない事)があり、
女身は垢で汚れているため仏になる器ではないとする。
これに続いて、竜女(竜王沙竭羅(しゃから)の娘)が男子に姿を変えることによって
成仏できたという場面が描かれる。
ただし、「五つの障り」云々は竜女の理知を妬んだ舎利弗の言葉である点に注意が必要、とのこと。
- 『法華経』勧持品をはじめ、同経には女性の成仏を暗示あるいは示唆する記述もあるが、
結果的に印象の強い場面である竜女の変成男子の説話が広く流布したのではないか、と云々。
(『史料にみる日本女性のあゆみ』総合女性史研究会)
最終更新:2012年07月23日 01:35