八百比丘尼

  • 人魚の肉を口にしてしまったために不老不死になってしまった女についての一連の伝説。

  • 林羅山『本朝神社考』などにすでに記述が見られる。

  • 宝永三年(1706年)の奥書がある郷土地誌『若耶群談』に、比丘尼が源平盛衰や義経の奥州落ちの目撃談を語り聞かせたという記述が見られる。以降、同様の話形が文献などに現れるようになる。

(ぺりかん社『江戸の怪異譚』堤邦彦)



  • 福井県小浜市の空印寺境内に、八百比丘尼入定の洞窟がある。

  • 『若狭守護代年数並旧記』の明徳元年(1390年)の項に、
 「若狭白比丘尼、小浜西青井白玉椿辺に死」の記事をのせる。
 同書に、別名を白比丘尼ということ、父は若狭道満という者であった旨が記されている。

  • 宝徳元年(1449年)五月から七月にかけて、京都に、若狭(福井)から来たという
 二百余歳あるいは八百歳を称する老尼が現れ、拝観料をとって見世物になっていたと
 当時の貴族の日記にある。

  • 人魚の肉を持ち帰った、比丘尼の父の名を「秦道満(はたのどうまん)」とする説もある。

(『魔界と妖界の日本史』上島敏昭)


最終更新:2011年08月08日 10:54