羽衣説話

  • 天人女房譚については、前半に羽衣を隠された天女が人界の男と結ばれた後、
   羽衣を取り戻した天女が帰ったのを追って男が天に昇り、そこで舅の出す難題を克服する後半を持つ場合がある。
  (仮に現実の婚姻制をここに当てはめた場合、前半は嫁入婚の形であるのに対し、後半は婿入婚の形になり、
   対照的な婚姻制度が一つの物語の中に混在している事になる)


  • 『丹後国風土記』逸文は、以下のような話を伝える。
   丹後国の比治山の頂上に真名井があり、そこに八人の天女が降臨し水浴びをしていた。
   この時、和奈佐の老夫(わなさのおきな)、和奈佐の老婦(わなさのおみな)という者が
   一人の天女の衣装を隠して地上に留まらせ、養女とする。
   天女は万病に効く酒を醸(か)み造り、これによって老夫の家は富み栄えるが、やがて老夫は天女を追い出す。
   天女は荒塩村、哭木村を転々とし、やがて奈具村に留まる。これが奈具村の豊宇賀能売命であるという。



      参考文献

『日本伝奇伝説大事典』
最終更新:2014年03月18日 21:59