一角獣

  • プリニウス『博物誌』第八巻
   →インドの陸生動物の記述の中で、もっとも獰猛な動物として一角獣が挙げられており、
    体はウマ、頭は雄鹿、足はゾウ、尾はイノシシに似ており、深い声で吠え、
    額の中央から2キュービットある一本の黒い角をもっているという。また、この動物は捕獲する事が不可能だとも。
(1キュービットはおよそ44.4cmなので、およそ90cmか)



  • ウシ目ウシ科のオリックスは頭頂からほぼ真上にまっすぐ延びる二本の角を持っており、
   その角の形状から、真横から見ると単角に見えるらしく、古代エジプトの絵では一本角に描かれている他、
   アリストテレス『動物誌』第二章でも「単角で双蹄のものはオリックスである」と記述されている。


  • インダス文明期の遺跡から、一角獣を刻んだ印章が多数出土している事が知られる。
   同時期のインド・パキスタンにまたがる文明期の遺跡から出土する印章の約60%が一角獣を描いたもの。
   また、インダス文明の印章は特大型(50~70mm)、大型(35~49mm)、中型(20~34mm)、小型(10~19mm)
   といった形におおよそ分けられるが、このうち特大型の印章の図柄はすべて一角獣であるという。



      参考文献

『動物誌(上)』アリストテレス
『プリニウスの博物誌 Ⅱ』
『インダスの考古学』近藤英夫


最終更新:2016年03月31日 21:55