刑部姫

  • 播磨国姫路城がそびえる姫山の地主神。
 慶長五年(1600年)の池田輝政による姫路城大改修に際し、
 天守閣完成直後から怪異が相次いだという。
 家臣たちは刑部姫の怒りに触れたのだと噂した。
 輝政自身も中風(脳溢血)で倒れ、円満寺(兵庫県多可郡多可町)の
 明覚阿闍梨が召され、その手で天守の艮(北東)に八天塔が建立された。
 それで一時怪異も静まったという。

  • その後も時折、刑部姫による怪異が起こり、
 宮本武蔵が退治に乗り出したり、荒木又右衛門に櫛を授けたりしたという。

  • 泉鏡花『天守物語』の元ネタでもある。

(『魔界と妖界の日本史』上島敏昭)


最終更新:2011年08月08日 10:54