- 古代ギリシャでは、イチジクの葉を火にくべるとパチパチと大きな音をたてることから、「イチジクの葉」は騒々しいことを表す慣用句だったと言われる。
- また、干しイチジクの実が高価だった事から、「干しイチジクを欲しがる」は贅沢を欲する事を表したとも。
いずれも、アリストパネス『蜂』に用例が見られる。
- プリニウス『博物誌』第十五巻に、ローマにおいて大カトーが新鮮なイチジクを示し、これがカルタゴで採れたものであると明かして
敵がそれほど近くにいるのだと訴え、これが元になって
第三次ポエニ戦争が起こりカルタゴが滅亡した、というエピソードを紹介している。
- また、ローマの広場の集会所となっている場所にイチジクの木が生えており、この木はロムルスとレムスの乳母が
この二人を初めて隠した場所であり、それにちなんでルミナリス(ルミスは乳房という意味の古語だとか)と呼ばれ、
この二人に乳を与えた狼がこの木の下から見つかったのだという。
そのため、この木の近くには記念のブロンズ像も立っていたとか。
- 『新約聖書』「マタイによる福音書」に、空腹を覚えたイエスがいちじくの木を見つけて近寄ったが、実が無かったので
「今後いつまでも実がならないように」と言い、たちまちその木が枯れてしまった、という逸話がある。
新約聖書中、唯一の否定的な奇跡として著名だとか。
参考文献
『蜂』アリストパネス
『プリニウスの博物誌 Ⅲ』
『聖書 スタディ版』
最終更新:2016年12月19日 04:33