- 古代ギリシャの文献などに登場する、山野に住む精霊。
- 馬の耳と尾、脚と蹄をもつ人間の姿とされた。後には山羊のものともされる。
- 同時代のニンフの多くが女性に造形されたのにくらべ、サテュロスは男性として造形されている。
- 『イソップ寓話集』に、サテュロスと人間が友情を結んだが物別れになる話がある。
- パウサニアス『ギリシア案内記』に、パウサニアスがカリアの人エウフェモスに聞いた話として、
エウフェモスの船が風のために航路を逸れ、サテュリデス諸島(サテュロスの島々)にたどり着き、
そこで「ちりちりの赤毛で、尻には馬に見劣りしない尻尾が生えている」現地住民に襲われたという。
彼らは船内の女を狙ったので、とうとう船員たちは異民族の女を一人その島に放り出してしまうと、
サテュロスどもはこの女に群がって乱暴狼藉をはたらいたという。
- プリニウス『博物誌』第七巻に、インドの東部の山中にいる半獣半人の動物をサテュロスの名で紹介しており、
時に四足で歩き、時にまっすぐ突っ立って走る、その走る速度が速いので、老いた者か病気の者しか捕えることができないとしている。
参考文献
『イソップ寓話集』
『ギリシア案内記(上)』パウサニアス
『プリニウスの博物誌 Ⅱ』
最終更新:2016年03月08日 03:01