金を貸した貸主が、返済のないまま死亡し、その魂が借主の子供として転生する。そのまま、大病による治療費や、もしくは放蕩などによって貸主の財を(貸したのと同じ金額だけ)使わせて、それが終わると死亡するなど。
そうした形で転生した亡者を「討債鬼」と言う。
- 討債鬼の鎮撫のため、中国では紙銭を焼く呪法を行う。
- 日本では類話が『日本霊異記』中巻三十話や『今昔物語集』巻十七の三十七にあるが、以降説話的に発展せず、日本に貨幣経済(と、それに伴う経済倫理や遺産相続の取り決め)が行き渡る近世になるまでほとんど広まらなかった。
(『江戸の怪異譚』)
最終更新:2010年11月09日 23:00