- ヘロドトス『歴史』巻二に、ヘロドトス自身が翼ある蛇について調べるためにアラビアの一地方に出向いたという記載がある。
同書に記録されている言い伝えによれば、この翼ある蛇は春になるとアラビアから
エジプト目指して飛んでいくが、
イビスという鳥がエジプトへ至る入口でこれを迎え撃ち、侵入を許さず殺してしまうのだという。
この故にイビスは
エジプト人から大いに尊重されているのだとか。
- なお、アリストテレスもヘロドトスのこの記述を読んでいたらしく、『動物誌』の中で、
「エチオピアには翼のある蛇がいるらしい」事に言及している。
(zsphereコメント:大体において驚異的な情報の正確性を誇るアリストテレス先生が、翼のある蛇はうっかり
信じてしまったという辺りに、なんとも言えずニヤニヤしてしまう私であったw)
- またヘロドトス『歴史』巻三にも、アラビアで乳香を採集する際にはステュラクス香というものを焚くが、
なぜなら乳香を産する樹には小さいが色とりどりの有翼の蛇が無数に群がって守っているため、
これを追い散らすのに使用するのだ、としている。
- 『千一夜物語』「荷かつぎ人足と乙女たちとの物語」中の「第一の乙女ゾバイダの物語」
→海へ投げ込まれ島に漂着したゾバイダは、そこで
アオダイショウが
マムシに追われているのを見、
哀れに思ってマムシを石で殺す。と、アオダイショウは翼を広げて飛び去ってしまう。
実はこのアオダイショウは女魔神(ジンニーア)で、この恩返しにゾバイダを助けてくれる。
参考文献
『歴史(上)』ヘロドトス
『完訳千一夜物語 1』
最終更新:2017年04月04日 16:30