- 古代エジプトでは、遺体のミイラ作りにもアニスやクミンなどと共に用いられていた事が知られている。
- ヘロドトス『歴史』巻三に、アラビア人がシナモンを採取する方法についての記述がある。
それによるとアラビア人たちはシナモンがどこで生育するかを知らず、ただ巨大な鳥が巣をつくるために
シナモンを持ってくるので、彼らはなるべく大きな獣の四肢の肉を巣の近くに置いておく。
すると鳥はこの肉を巣に運び込むが、巣は肉の重みに耐えかねて地上へ崩れ落ちるので、
そこからシナモンを採取するのだ、とか。
- 一方プリニウス『博物誌』第十二巻ではヘロドトスのシナモン採取の話を紹介しつつも、
シナモンの値を吊り上げるための作り話として否定している。
そして実際のシナモンについて、平地に這い得ているが藪やイバラの中で繁茂するため採取に難儀すること、
またこれは神の許しによってのみ切る事ができること、その神については
ユピテル神であるとする人もあるが、
実際は
エチオピアでユピテル神にあたる
アッサビヌスという神であることを記している。
神に収穫の許しを得る際には、44頭の牡牛、山羊、牡羊を生贄として捧げる必要があるとも。
- またプリニウス同書に、続いて別な説として、シナモンの収穫の際には一定の分け前が抽選などで割り当てられ、
太陽の分は収穫されずに残されるのだといい、その残された分は自然に燃えだすのだ、ともある。
参考文献
『歴史(上)』ヘロドトス
『プリニウスの博物誌 Ⅲ』
『スパイスなんでも小事典』日本香辛料研究会
最終更新:2016年07月17日 01:34