スキタイ人

  • ヘロドトス『歴史』巻四に、スキタイ人たちの起源説話が載る。
   それによればスキタイ人の祖はヘラクレスで、ゲリュオネウスの牛を追ってきたヘラクレスが
   この地でヒュライアという上半身が人間、下半身が蛇(マムシ)の女と出会って、
   失った馬を返す事と引き換えに契り、女は三人の男の子を得たという。
   ヘラクレスは弓をこのように引き絞り、帯をこのように絞める者があったらそれを国に住まわせ、
   そうでない子は追放してしまうように言い残しており、その通りにすると
   長男アガテュルソス、次男ゲロノスは失敗したが三男スキュゲスはヘラクレスの言った通りにした、
   そのためこのスキュテスがスキュタイの地に留まり、スキタイ人たちの祖となったという。
(zsphereコメント:三人兄弟のうち末っ子だけが試練をクリアする、って昔話のセオリーも踏んでるっぽい)
   なお岩波文庫版注釈によれば、スキタイ人は弓を胸あたりにではなく肩のあたりに引くという特殊な弓術を行っており、
   ヘラクレスのこの話はそうしたスキタイ人の風習の起源説話にもなっているのであろうとか。
   帯の締め方も同様と思われるが、これについては文献などに記録は無いという。



      参考文献
『歴史(中)』ヘロドトス



最終更新:2015年10月03日 04:48