七十人訳聖書

  • ヘブライ語よりもギリシャ語の方が読み書きに容易である、というユダヤ人たちのために、ギリシャ語に訳された聖書。

  • この七十人訳聖書に関して、伝説がある。
 アレキサンドリヤからエルサレムの大祭司へ、ヘブライ語聖書1冊とそれを翻訳する人々を要請する手紙が送られた。そこで、12の各部族から、それぞれ6人の翻訳者たちが、それぞれ金文字で書かれた律法1冊を持ってアレキサンドリヤへ行ったという。総勢で、12×6=72人、ゆえに「七十人訳(Septuagint)」と言う(端数の二人は略して呼んでいるということ)。また、この聖書を表すための記号「LXX」もここに由来する。
 一節によれば、計72人がそれぞれ別室で、独立で仕事をし、72日間で、まったく同一の翻訳を書き上げたという。

  • 実際には、紀元前3世紀に律法部分が出来、あとは違った時代に少しずつ付加されていったものだろうという。

  • 最古の写本には、ヴァティカン写本、シナイ写本、アレクサンドリア写本など4~5世紀のものがほぼ完全な形で残っている。これはヘブライ語の最古の完全な写本(レニングラード写本、1008年)よりはるかに古い。

(『図説 旧約聖書の歴史と文化』M・ジョーンズ編)
最終更新:2016年11月19日 02:12