→ある家に寄宿していた友人の客が、毎日正午に隣の部屋へ入っていく、雪のように白い着物を来た小さな子を
連日目にする。家人に聞いても見ていないという。
子供の様子を見ると、隣の部屋の床板の隙間を指でほじくろうとしているらしく、客の目に気づくとふっと消えてしまう。
子供の見た目の特徴を言うと母親が、一か月ほど前に亡くなった自分の子だという。
床板の隙間を掘り返してみると、ヘレル銅貨が2枚出てくる。これは、亡くなった子供が
貧しい人にあげると言って母親からもらった銅貨を自分のために使おうとくすねたもので、
お墓の中に入ってもこの銅貨のせいで心がおちつかずに銅貨を探しに来ていたのだと。
参考文献
『完訳グリム童話集(4)』
最終更新:2015年12月18日 16:03