- プリニウス『博物誌』第八巻に、アフリカは多くの野生ロバを産する事を述べ、この動物は雄がそれぞれひとつの雌群の支配者であり、
オスロバは愛情における競争者を恐れるため、雌が子を産むときには見張っていて、生まれた子が雄だったら
咬んで去勢してしまうという。雌はこれを警戒して、子を産むときは隠れ場を求め、こっそり分娩しようとすると云々。
- 『万葉集』巻五所収の山上憶良「沈痾自哀文」に、「うさぎうま」の名で驢馬が登場する。
(zsphereコメント:なるほど万葉時代の人にはそう見えていたのか、というのが直截に分かる大変親しみやすい名前である。
どことなく「ウナギイヌ」と語呂が似ているところもポイントが高い(笑))
- プリニウス『博物誌』第十一巻によれば、ロバの乳は婦人の肌を白くするのに役立つと考えられているといい、
ネロ帝の二番目の妻
ポッパエア・サビナはどこへ行くにも孕んでいるロバ500頭を引き連れて歩き、
ロバの乳を入れた浴槽に全身を浸していたとか。
ジョン・クインシー・アダムスに「ジャッカス(ロバ、あるいは間抜け)」と揶揄された
アンドリュー・ジャクソンがこれを逆手にとってロバを自陣営のシンボルに据え、勝利した事に由来する。
なお、後に風刺画でジャクソンを示すロバに追い回される動物たちという絵が現れ、その中にゾウが居たことから
アメリカ共和党のシンボルがゾウになったとか。
参考文献
『プリニウスの博物誌 Ⅱ』
『万葉集(2)』
千夜千冊第1638夜
最終更新:2017年05月11日 21:34