岩手山

岩手山(いわてさん)は、東北、奥羽山脈北部の山。標高は2,038mで、二つの外輪山からなる複式火山。



  • 別名に巌鷲山(がんじゅさん)があるが、岩手山の音読み「がんしゅさん」と音が似ているため、転訛ではないかとも言われる。


  • 『邦内郷村志』には、この山に伝わる鬼の話を載せる。
 曰く。昔、大猛丸という悪鬼が岩手山に住み人々に害をなした。大同年中、田村将軍利仁がこれを射殺したという。


  • 奥浄瑠璃本『御山本地一代記』でも、丹波と丹後の境である入江山に白田王という鬼神が鬼満国から渡来し、日本を属国にしようと害をなしたため、将軍田村利仁に退治の命がくだった話を載せる。ただしこの話において鬼を退治するのは田村将軍でははく、恐ろしさのため敵前逃亡した従者。

(『國文学 解釈と鑑賞』1982年3月号 特集「寺社縁起の世界」)
最終更新:2010年11月11日 10:44