ヴァンパイア

  • トンプソン『民間説話』に、ヴァンパイアの登場する昔話が東欧に多く存在する事が述べられている。
   「死装束の王女」(MT307)の話はエストニア、リトアニア、ロシアおよびバルカン諸国で多く語られている。
   子の無い夫婦がたとえ悪魔のようなものでもよいから子が欲しいと望むと、本当に鬼娘が生まれる。
   これが死んでヴァンパイアとなりさ迷い歩く。毎晩彼女の墓の番をしている兵士は皆殺しにされる。
   とある若者が老人の忠告を聞いてこの女を生き返らせ、女の妨害を受けながら三晩祈ると、
   女の呪いが解け、死んだ兵士たちも生き返り、若者は娘と幸福に結婚する、という筋だという。
  • またバルト海からノルウェーにかけてのみ語られている話があり、
   とある娘が見知らぬ男と結婚する。夜になって男の家に来るまで向かう途中、男は教会の前で
    車から降りる。娘が様子を見に行くと、男は墓場でランプをつけ死体を食べている。
    結婚したのち、娘の家族が訪れるので、男は娘に秘密を洩らさないように言いつけるが、
    娘は姉に夫の行為を漏らす。実は家族は女を試すために男が化けていたものだったので、女は
    本性を現した男に食べられてしまう。



      参考文献
『民間説話』トンプソン


最終更新:2016年04月18日 20:32