惰者(おこたるもの)よ蟻にゆき其為すところを観て智慧をえよ 蟻は首領(かしら)なく有司(つかさ)なく君王(きみ)なけれども
夏のうちに食を備へ、収穫(かりいれ)のときに糧を斂(おさ)む 惰者よ汝いづれの時まで臥し息(やす)むや
何れの時まで睡りて起きざるや
(『
旧約聖書』箴言)
最初に匍い出したのは、用心深く将来のことを考える、なりこそ小さいが大きな知恵を内にひめた、節約ずきの蟻であった。蟻は、恐らく今後、やがては公正な平等の手本となるであろうが、この時も種族全員をあげての共同体を営んでいた。
ミルトン『失楽園』
最終更新:2017年04月18日 03:45