「シーッ、シーッ」とウサギはあわてて小さな声で制して、心配そうにうしろを振り返って見ました。それから、爪だちをしてアリスの耳に口を寄せて、「死刑の宣告を受けたのです」といいました。 「まあ、どうして」 「『まあ、お気の毒に』とおっしゃいましたか」 「いわないわ。気の毒だなんて思いませんもの。『どうして』といったのよ」 ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』