インゲンマメ

  • プリニウス『博物誌』第十八巻に、インゲンマメが食卓の珍味として食されているが、
   五感を鈍らせる作用があり、また不眠症の原因となると考えられていたことを記している。
   またそのため、ピタゴラス教団においてはインゲンマメは禁物とされていた、とも。


  • またプリニウスによれば、死んだ人々の魂がインゲンマメに宿っているという俗説もあったそうで、
   そのためインゲンマメは死んだ縁者に対する追善供養として用いられているという。


  • 同じくプリニウスはインゲンに関する俗信をいくつか記している。それによれば、
   収穫したうちから占いによってインゲンを一粒家に持ち帰る習慣が存在し、これを「持ち帰り豆」と言う事、
   また競売にかけるマメの中に一粒のインゲンマメを加えておくと幸運な結果を得られる事、など。

  • またこの植物はたいていのところで野生化しており、そのためか、北海の島々はローマでは「インゲン諸島」と呼んでいるという。



      参考文献
『プリニウスの博物誌 3』



最終更新:2016年10月09日 05:33