君は三つのものから成っている。すなわち肉体、息、叡智である。このうち最初の二つは、君がその面倒を見てやらなくてはならないというかぎりにおいて君のものである。しかし真の意味ではただ第三のもののみが君の所有物である。
マルクス・アウレリウス『自省録』
(zsphereコメント:ストア哲学における「息」は魂のこと。上記もそういう意味らしい)
だが、知識は食物のようなもので、それには欲望を抑える、つまり心が充分に吸収しうるものをほどほどに知るという節制が必要なのだ。そうでなければ、飽食によって心を圧迫し、せっかくの滋養物を泄気(ガス)に変えるのと同じように、知恵をも忽ち愚かさに変えることになってしまうであろう。
ミルトン『失楽園』
これがわれわれの真の状態である。そのために、われわれは確実に知ることも、全然無知であることもできないのである。われわれは、広漠たる中間に漕ぎいでているのであって、常に定めなく漂い、一方の端から他方の端へと押しやられている。われわれが、どの極限に自分をつないで安定させようとしても、それは揺らめいて、われわれを離してしまう。そしてもし、われわれがそれを追って行けば、われわれの把握からのがれ、われわれから滑りだし、永遠の遁走でもって逃げ去ってしまう。
パスカル『パンセ』
最終更新:2017年04月26日 01:35