たしかに鳶について述べるのが私の宿命らしい。なぜならわたしの幼年時代の最初の思い出の中に次のようなことがあった。すなわち、わたしが揺籃の中にいると一羽の鳶が私のところへやってきて、その尾でわたしの口を開かせ、そして何度も何度もその尾で私の唇の奥を撫でてくれたような気がしたのである。 『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』