点は部分をもたないと言われる、したがってこのために点は分割不可能であるということになる。そして分割不可能なものは広がりを持たず、ひろがりをもたぬものは無に帰する。したがって点は無であるが、無の上にはどんな化学も成り立ちえない。こういう原理をのがれるためにわれわれは主張してもいい、「点とはありうるかぎりのものよりさらに小さいものであり、線はその点の運動によって作られる。しかしてこの線より狭く薄いものは何一つ存在しえない。線の極限は二個の点である。次に面は線の横ざり運動から生まれ、これより薄いものは何一つ存在しえず、そしてその極限は線である。立体は(面積の)運動によって作られる。(そしてその極限は面である)」
『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』