対蹠地へ行く

  • ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』
   →イングランドにペッチという城があり、その城が立つ山の中には洞窟がある。
    昔ウィリアム・ペヴァレルという貴族のもとで働く豚飼いが、逃げた母豚を追ってこの洞窟を通過し、
    その先でたくさんの子豚を産んだ母豚を見つけ、連れ戻した。
    と、豚がいた洞窟の向こうは収穫の季節だったのに、戻ってくると冬の慣例が持続していて驚いたという。
    ゲルウァシウスはこれを、こちら側の半球における太陽の欠如=対蹠地への移動であったと述べている。
(zsphereコメント:とはいえ話の骨格だけ見れば、どちらかというと洞窟の向こうの仙境や隠れ里にも見えるが)



      参考文献
『西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇』ティルベリのゲルウァシウス


最終更新:2016年11月05日 01:35