→イングランドの漁師の間では、
イルカは騎士が豚の外観をまとった姿であると言われており、
そこで語られる逸話に、昔地中海を航海していた船を多くの
イルカが取り囲んだ際、
とある若い船乗りが弓矢でそのイルカを傷つけてしまうと、にわかに大嵐となり、やがて
騎士が馬に乗って水上を走って来てイルカを傷つけた者を引き渡すように勧告する。
煩悶の末船乗りが名乗り出ると騎士は男を連れ去り、今はやはり騎士姿となった傷ついたイルカから
矢を抜くように命じ、抜くことで傷を癒す。と船乗りは船に送り返される。
こうした逸話と、そしてイルカが嵐を事前に教えてくれることから、船乗りたちはイルカ漁を放棄したという。
参考文献
『西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇』ティルベリのゲルウァシウス
最終更新:2016年11月09日 04:28