ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』に、「月の満ち欠けに応じて狼に姿を変える」男たちの逸話が載る。
フランス、オーヴェルニュ地方のクレルモン司教区で、貴族のポンス・ド・カピトルが
無双の騎士ランボー・ド・プジェからその遺産を取り上げた。ランボー・ド・プジェは失意のうちに放浪者となり、
野獣のような孤独者となって、ある夜過度の恐怖の一撃で精神に異常をきたし狼に変身したという。
そしてその里にとって大きな災厄となり、ついに樵によって片足を切断されようやく元の姿を取り戻したという。
ゲルウァシウスは、このように行動する人間たちは四肢の切断によってこの種の不幸から解放されると
言われていることを付記している。
- また同書によれば、ヴィヴィエ、マンド両司教区の境界にあるリュック城近くに
カルスファリアという名の民族がおり、新月のたびごとに同じく狼の姿に変身するのだという。
参考文献
『西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇』ティルベリのゲルウァシウス
最終更新:2016年11月20日 02:48