妖精界の人々はハーリングをするのでさえ、どちらかのチームに人間がいなければ試合ができない。(中略)人間の力を借りなければ、妖精は影のような存在にすぎないので、ボールを打つことすらできない。
W・B・イエイツ『ケルトの薄明』
男が言うには、血筋に美しい者がまったくいない家に美しい女の子が生まれると、その美しさは妖精から贈られたものといい、不幸がいっしょに付いて来る、と言うそうである。
W・B・イエイツ『ケルトの薄明』
私は女王にほかの質問をしてみた。妖精の女王の性質とか、この宇宙における目的とかを聞いてみたのだが、女王はただ困ったような様子をするばかりだった。ついに女王は耐えきれなくなったように、私に対して砂の上にこういう言葉を書いた、いわば幻の砂の上に。「注意せよ、我々のことを、多く知ろうとしてはいけない」
W・B・イエイツ『ケルトの薄明』
混じり気のない感情を持つことが出来ない、というのが人生の大きな問題である。つねに敵のなかにも好きなものがあるし、恋人のなかにも、なにか嫌いなものがある。こういう気持ちのもつれで、人間は年老い、額に皺が寄り、目の周りの溝が深くなる。もし妖精のように、心から愛したり憎んだりできるなら、私たちも妖精のように、長生き出来るのかも知れない。
W・B・イエイツ『ケルトの薄明』
最終更新:2016年12月09日 17:23