混じり気のない感情を持つことが出来ない、というのが人生の大きな問題である。つねに敵のなかにも好きなものがあるし、恋人のなかにも、なにか嫌いなものがある。こういう気持ちのもつれで、人間は年老い、額に皺が寄り、目の周りの溝が深くなる。もし妖精のように、心から愛したり憎んだりできるなら、私たちも妖精のように、長生き出来るのかも知れない。 W・B・イエイツ『ケルトの薄明』