- 甘味に対する感受性は、一般にサバンナに住む人の方が森林に住む人より敏感であり、
女性の方が男性より敏感であるという。
前者については、一般に森の中の果実の方がサバンナの果実より甘い(森林では種子散布のための動物争奪戦が激しい)ためであると
考えられるという。
- 甘味については、西アフリカ原産のミラクルフルーツというものがあり、これを口に含むと
酸っぱいものが甘酸っぱく感じられるという性質をもつ。この成分は抽出されて「ミラクリン」と名づけられている。
- なお、このミラクリンの効果が認められるのは霊長類の真猿亜科のみで、原猿亜科やラット、イヌ、ウシなどでは見られないという。
- また東南アジアやアフリカなどの熱帯地方に生息するガガイモ科の植物ギムネマ・シルベストルの葉には
甘味をまったく感じなくさせるギムネマ酸と呼ばれる成分が含まれる。
- ギムネマ酸は、最も感受性が限られており、霊長類、狭鼻下目でもオナガザル上科には無効で、
ヒト上科つまり類人猿とヒトだけに甘味抑制効果がみられるという。
参考文献
『新・動物の「食」に学ぶ』西田利貞
最終更新:2017年01月10日 00:15