「星は誰のものだ?」とビジネスマンは少し腹を立てて聞き返した。 「知らない。誰のものでもない」 「ならば私のものだ。最初に考えついたのは私だから」 「それだけで?」 「そうさ。誰のものでもないダイアモンドを見つけたら、それはきみのものだ。持ち主のない島を見つけたら、それはきみのものだ。新しいアイディアを見つけたら特許を取る。そのアイディアはきみのものになる。星が私のものなのは、これまで誰もそれを所有するという考えに至らなかったからさ」 サン・テグジュペリ『星の王子さま』