魂が死すべきものであるか、死なないものであるかということが、道徳に完全な差異を与えるはずであるのは疑う余地がない。それなのに哲学者たちは、彼らの道徳をそれとは独立して導いた。
パスカル『パンセ』
〈あなたはあなたの欲望を治める〉このように支配された情念は、そのまま徳である。むさぼり、ねたみ、怒りは神でさえ自分の属性としておられる。そして、これらは同じく情念である寛容、情け、誠実とともに、りっぱな徳である。われわれはそれらを奴隷として使役し、それらに食物をあてがい、その食物を魂に横取りされないようにしなければならない。なぜなら、情念が主人になると、それらは悪徳になり、そのときには情念が魂に自分の食物を与え、魂がそれを食べて中毒をおこすからである。
パスカル『パンセ』