ある知性が、与えられた時点において、自然を動かしているすべての力と自然を構成しているすべての存在物の各々の状況を知っているとし、さらにこれらの与えられた情報を分析する能力をもっているとしたならば、この知性は、同一の方程式のもとに宇宙の中の最も大きな物体の運動も、また最も軽い原子の運動をも包摂せしめるであろう。この知性にとって不確かなものは何一つないであろうし、その目には未来も過去と同様に現存することであろう。
ラプラス『確率の哲学的試論』
真理の探究における人間精神のすべての努力は、われわれがいま述べたばかりのこの知性に人間精神を絶えず近づけようとする傾向をもつが、人間精神はこの知性からはいつも無限に遠く隔たっている。
ラプラス『確率の哲学的試論』