私が1786年9月28日の夕刻、ドイツ時間の5時に、ブレンタ河から潟へのり入れつつ初めてヴェネチアの町を遠望し、それから間もなくこの不思議な島の町、この海狸共和国に歩を印し、見物をするということは、運命の書物の私のページにすでに書きしるされてあったのだ。 ゲーテ『イタリア紀行』