こんなわけで、初めは石の雨、灰の雨に蔽われ、次いで発掘者に掠奪されたこの都市の荒廃した今の状態は、ある一民族全体の、ただし現在ではどんな熱心な好事家でも理解することも、感得することも、欲求することもできないような美術的絵画的趣味を暗示しているのである。 ゲーテ『イタリア紀行』