川上御前

  • 応仁天皇の五世の孫、男大迹王(おおとのおおきみ)が越前の真味野に
  宮を設けていた頃、大徳山から流れ出す岡本川の上流に美しい姫があらわれ、
  谷川の水が美しいので、紙を漉いて暮らすようにと、上衣を脱いで竿頭にかけ、
  紙の漉き方を教えたという。
  里人が名前を聞くと、姫は岡本川の上流に住むと答えて消えたので、女神だったという事になり、
  紙祖「川上御前」を祀る岡太神社(おかもとじんじゃ)を築き、この製紙の里を神郷としたという。

  • この姫はまた、男大迹王の第二妃、近江の三尾(滋賀県高島市)の豪族、三尾角折君(みおのつのおりのきみ)の妹、
  稚子媛(わかこひめ)であるとも言われる。

  • その後、越前製紙は明治の太政官札などにも用いられ、
  大正12年には大蔵省印刷局抄紙部に岡太神社の分霊が奉祀され、
  全国紙業界の総鎮守的な位置に立つ事になる。

(ISIS本座 バジラな神々)
最終更新:2010年12月14日 17:51