刀伎直川人

  • 九世紀に活躍した陰陽博士

  • 『今昔物語集』巻二十四に、その名人ぶりを伝えた話がある。
   大納言安倍安仁を追ってきた地神から守る筋。
   この中で地神が「川人は古の陰陽師に劣らぬ奴」と語り、
   また『今昔物語集』編者も「道に付て古にも耻ぢず、世に並びなき者なり」
   と評している。

  • 著作に『世要動静経』三巻、『指掌宿曜経』一巻、
   『滋川新術遁甲書』二巻、『金匱新注』三巻、『六甲六帖』、
   『宅肝経』一巻など多数。このうち『六甲六帖』は貞観十三年(871年)、
   勅により撰進したものという。
   ただし、これらいずれもほとんど後世に伝わらなかった。

(『日本陰陽道史総説』村山修一)



最終更新:2011年08月08日 10:07