- 中国名「水馬」、「海馬」、豊後ではリュウグウノコマ、
伊予ではリュウノコマと呼ばれていた。
- オスには育児嚢があり、メスから卵を受け入れて保護、
やがて稚魚を出産同前に「産み落とす」。ゆえに安産の守り神とされる云々。
- 中国の文献『南州異物誌』に、どんな難産の時もタツノオトシゴを妊婦に握らせれば
安産となる、という記事が載る。
『本草綱目』も、難産、陽産、房中術に用いる、としている。
- 日本でも、妊婦が雌雄一対を錦の袋に包みこんで身に帯び安産を祈願したと『本朝食鑑』に載る。
ただし、『重修本草綱目啓蒙』に「雌なるは腹ふくれ、雄なるは腹瘠」とあるなど、
育児嚢のあるオスをメスと誤認していた事が分かる。
- 中世ヨーロッパでは有毒の怪物とされ、焼いた粉末を酒に混ぜて飲ませると、
腹が膨れて死ぬと信ぜられ恐れられていたとか。
(『世界大博物図鑑 魚類』 荒俣宏)
最終更新:2012年01月27日 03:18