- 温度によって、組成は変わらないのに結晶構造が変化する同素変態を起こす性質がある。
常温ではβ-Sn「白色スズ」だが、13℃以下ではα-Sn「灰色スズ」へと変態する。
α-Snは非常に脆く、また膨張する。
ナポレオンのロシア遠征の際、フランス軍の冬服のスズ製のボタンがこの性質により破損し、
大きな被害を出したというエピソードがある。
白色スズが灰色スズに変わっていく様子を伝染病に見立てて、「スズペスト」とも呼ばれたとか。
(『「金属」のキホン』田中和明)
最終更新:2012年05月21日 02:32