ご主人様は山猫姫

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&font(#6495ED){登録日}:2011/08/16 Tue 09:50:33
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&font(#6495ED){所要時間}:約 4 分で読めます

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電撃文庫から発売されている鷹見一幸の[[ライトノベル]]。
全13巻。

タイトル通り山猫姫と揶揄されるお姫様の教育係になった青年と山猫姫が織り成すラブコメ……でもある。

メインは8~12世紀の中世中国あたり&footnote(後書きによると初期構想は漫画『シュトヘル』等の舞台でもある実在国家「西夏」の物語で、シムールのイメージソースは古代中国と戦っていた騎馬民族「匈奴」だそうな。)(大体作中で黒色火薬の軍事利用が開始される程度の技術レベル)をモチーフにした架空の世界を舞台にした架空戦記物。

フィクションだが仙人だの武侠だの明確なファンタジー要素は一切なく、タイトルと表紙だけで買うと大体裏切られる仕様。

最近のラノベには珍しく勧善懲悪で、敵は複雑な理由は無く悪人である。

ちなみに椎出啓氏・銅大氏が本作のキャラクター・設定協力をしており、この2氏とは『[[艦隊これくしょん -艦これ- とある鎮守府の一日]]』で共著し、銅大氏は本作と前後して鷹見氏がハヤカワ文庫で展開している『宇宙軍士官学校』シリーズでも設定協力を担当している。


◇ストーリー
延喜帝国に暮らすエリート一家のニート「泉野晴凛」はある日、
帝国で人気の宰相「月原弦斉」が侘瑠徒でバイトを募集していることを知る。
見事合格した晴凜は帝国の仇敵な遊牧民族シムールが十二氏族シャン族の姫「ミーネ」の教育係を命じられる。
その後、月原弦斉が帝都に戻ったり、シムールで暮らしたり、シムールと戦ったり、反乱軍にされたり、
尊王討奸を掲げほんとに反乱軍になったりしながら、帝国を正す世直し物語。

◇用語

・延喜帝国
大陸の中原に君臨する国家。
官僚政治・軍隊の規格化に優れているが、作中の現在では機構の硬直化・官僚の腐敗が進んでおり、相次ぐ反乱下ではとりあえず兵で対抗出来てもそれから先の戦略には事なかれ主義や安寧への甘え等で動きが遅い面倒な状況へと陥っている。

・南域
文字通り都市「承安」を中心とした帝国の南部地域を指しており、港による貿易や塩の生産(裏では非合法の闇塩商売も横行)等が名産。訛りは関西風で、利に聡く利のためなら冷酷にもなれる商人根性とノリの良さが気風。
だが「かつて帝国と争い支配された」歴史的経緯や中央からの富の搾取等で静かに苛立ちが積もっており、月原弦斉の流刑と不安定な帝国情勢からある商人豪族がノリで反乱を決意し、「承安軍」とも呼ばれる帝国の新たな敵となる。
だがとにかく進軍進撃が第一で後の事を考えないため、軍の通った後には人員・資源徴収や設備や統治機構をも破壊され容易には回復できぬ荒野が広がり、最終的に「帝国を正す」ため帝国の援軍となった北域国とも対することに。

・シムール
帝国…引いては中原の歴代国家と抗争を重ね、「中原国家の滅亡理由筆頭」にも数えられるようになった草原の遊牧民族。
帝国からは蛮族と見られているが、実際の彼らは馬と弓に親しみ、古来からの戦の決まり等を重んじる立派な民族。
だがひょんな事からシムール支配圏にある「シムールの赤塩」を算出する岩塩鉱脈が帝国の役人に発覚した事が、本作での争いの最初の切っ掛けとなってしまう…。
なお「シムールの赤塩」に関しては、後に偶然やミーネの提案から「シムールの地にある湖で獲れた魚と赤塩で作った魚醤(ガーム)」という新名産物の開発計画へと発展している。

・北域国
作品前半の争いの結果、帝国辺境の領主が反乱軍へと領地を譲った事で生まれた新国家。
成り行きで晴凛が王となっており、帝国時代の機構や人材を生かしつつ、民間からの人材登用等より善政をしきシムールとの友好関係を築く政策をとっている。

・蒼橋商会
昔帝都で商いをしていたが、今は没落し跡継ぎ姉妹玉麗と銀麗の二人がちんまりと行商で維持している商会。
作中ではひょんなことから北域側の協力者となり、情報提供・商売による支援等で活躍していく。



◇登場人物
・泉野晴凛
主人公。本編開始時は十九歳&font(l){なのでミーネが嫁になった後稀にスケベ扱いされることも}。
[[科挙]]を受けるが落ちまくったためニート生活を送っていたが、市場で遊んでいたおかげで色々な言語が話せるところを買われミーネ姫の教育係になる。
実直でよくもわるくもまっすぐな善人。後に弓の才能があることがわかる。
作中さまざまなクラスチェンジを行い、
ニート→教育係→アーチャー→侘瑠徒の王→「北域国」を立ち上げた北域王
とどんどん規模がでかくなっていく。本人としてはあまり実感がないが。

・シャン・クム・ミーネ
シムールの十二支族のひとつシャン族の末姫。十一歳で、タイトルにある「山猫姫」は彼女のこと。
末っ子のためわがままに育ち、がさつでやんちゃ、焼肉と馬での早駆けが大好きと女らしさが殆どない野生児だが根はいい子ののじゃロリ。後に弩弓を扱えるようになる。
&font(l){ちなみに幼いこともあるがぺたんこで、最終巻で描かれた3年後でも人並みくらいにしか育たなかった。}
晴凛の嫁。

・皇伏龍
晴凜が侘瑠徒で出会った飲んだくれ。
帝都でも有名なエリート塾錬涯塾の出身だが、酒で道を誤った。実は[[偽名]]で本名は神流千斗。
知識、計略面から北域維新軍の長になった晴凜をサポートする。ツンデレ1。
軍師としては各種の奇策や嫌がらせで相手を苦しめるが、真正面からの正面対決ではやや弱さを見せている。

・ミリン
ミーネの世話係。帝国語を話せるが片言。
鬼のような強さの体術を誇り、暗殺者さえたたき伏せる。
行き遅れと言うと怒る。ツンデレ2&font(l){ちなみに貧乳}。

・アンギュトヌス・アイリーン
皇伏龍を追ってきた美女。知の教団&footnote(作者の別作品『ガンズ・ハート』に同名の組織が登場しているが、『ガンズ・ハート』世界は遠未来のある惑星なため同一の系譜かは不明。)という結社に所属している。
伏龍が偽名を変えているのはこいつから逃げるためである。が、最終的に彼女も組織から抜けることを選び、伏龍の嫁になった。

・泉野光凛
晴凜の兄。優秀な官僚で晴凜が落ちまくった科挙に合格している。
上司と一緒に、金を横領していた財務局官僚の連中を晒したら、
報復で処刑されそうになり、そこを晴凜たちに助けられ仲間になる。

・孟旗
帝国軍将軍。非常に優秀で有能。
帝国軍人といえばこの人と言われるぐらいの有名人で、帝国最強の緑軍を率いる。
が、どっかのバカが立てたバカな作戦で負ける。
その後捕虜になるが、晴凜たちの行動を見て尊王討奸に嘘が無いことを知り仲間になる。

・泉野聡凛
泉野兄弟の長男であり、凄腕の有能近衛軍人。
南域

・月原弦斉
晴凜の雇い主。官僚だけでなく民からも慕われる人格者。
しかし、そこをねたまれ北域に左遷させられる。
そして、左遷された先で仇敵シムールと友好を結びそれが原因で南域に監禁されるが、そこで反乱を決意した南域の豪族達に担がれ神輿にされてしまい、「帝国復活のための犠牲」になる事を覚悟してやむなく同行してしまう…。
また彼が切っ掛けで北と南双方で乱が起きた事で政敵苑山燕鵬等からは本来の行動以上に恐れられてしまっており、実は本人の積極的行動は序盤くらいなのにその名が広まることになる。

・苑山燕鵬
帝国の実権を握る高級官僚。
曲がりなりにも偉くなる能力はあるのだが、自分を高めるのではなく、他人を貶めてうえに行くタイプの人間。
疑心暗鬼が強く常に他人から罠にはめられないか警戒しているが、ゆえに北域国の存在や南域軍の侵攻には危機感に欠け対応しきれず、紫芹の諫言でやっと事態打開へ積極的になるも時既に遅く…。

・菰野盛元
帝国の摂政。苑山燕鵬の傀儡で、本人自体は小物。
#region(ネタバレ)
だが南域の侵攻が間近に迫っている状況で&bold(){権力奪取のため燕鵬暗殺計画を実行}。
決断力等に欠けても一応中枢であった燕鵬を喪った事で乱への対応はより場当たり的となり、また外敵への対応そっちのけで皇帝始末等を目論み現実逃避の如く自身の儲けのみに拘り、結果的に狙われた皇帝が北域国と友好関係を築く切っ掛けとなってしまった。
#endregion

・長嶺帝
帝国の今代の皇帝。まだ少年ゆえに世間の情報を知らされず傀儡とされているが、純朴で真面目な王としての素質をもっている。

・紫芹
長嶺帝に仕える女官であり、苑山一族の一人でもある女性。
幼い皇帝を慕い、ままならぬ状況ながらも彼や帝国を守るため彼の身近にいる数少ない味方となり、燕鵬にも諫言をする等孤軍奮闘していく。

・沢樹延銘
伏龍の錬涯塾の後輩。伏龍にライバル心を抱いている。
科挙の最年少合格記録保持者。メタボ体形だがその名に恥じず優秀な人物で、&bold(){人を平然と使いつぶす冷酷な戦術}を振るい侘留徒攻略軍の司令官になる。
だが&bold(){人の心が分からず}、実戦経験の無さもありマニュアルどおりに人間が動くと思っているため、
伏龍のイイ性格をしている策略にはまり敗北。歴史に類まれなる無能者として名を残してしまった。
だが名誉回復と汚名記録消去のため、反乱を起こすもノリ重視だった南域軍の元に仮面を被り軍師「崇鳳」として参加。嫌な奴なので人望はないもののその能力で軍の作戦を一手に担う様になった。
#region(彼の行く末)
だが最後の帝国軍との大決戦にて援軍に来た北域国軍と伏龍に復讐心を燃やすも、なんとシムールも援軍(実際には様子見)に来た事で南域側の士気が崩壊しあえなく敗北。
その後南域側から帝国サイドの温情をより確定させるためのスケープゴートとして始末されそうになるも、アレだと思いつつも見殺しには出来なかったムルトによって強引に崖から落とされる形で逃がされ消息不明になり、謎の軍師は謎のままに終わった。
さらにそれから5年後、故郷の民と再会し島奪還へと向かう「野良猫姫」ムルトの傍に、怪我の後遺症で記憶を喪いやつれた姿で登場。「サーギ」としてムルトに仕え彼女の王道を(冷酷な手法は変わらないが)支えていく姿を映し本作は幕を閉じている。
#endregion

・エオル
シムールの王。よくふらふらしているが、
抜け目の無い性格でシムールのことを常に考えており、近年の草原の荒廃や月原等が推進した中原との交易が今やシムールの財源の一つとなっている事等で民族の先を考えることに。

・タッケイ・ユム・シャール
シムール十二支族タッケイ族の族長の妹。巨乳。
弓の名手でシムールでも最強と言われるが晴凜に完敗。晴凜の妻。

・スンタタ
タッケイ族族長。武闘派で武勇に優れているが、少しシスコン。
晴凜たちの軍に精霊軍として加わる。

・鳳鶴征仁
闇塩業界で顔を売っている承安の豪族。口調は定型的関西人なものの考え方は冷酷な面も持っている。
作中では月原弦斉が流刑になった際、彼の(一応)監視として左遷された官僚面涼を気に入り、そこから下剋上の意に燃え月原を奪取し承安軍の実質的トップとなる。
#region(ネタバレ)
帝国との決戦では崇鳳の煽りで戦意を振るい立たせるも、シムールの存在で軍が崩壊した際は諦めが悪い崇鳳と違ってあっさり敗北を認める。
その後ひっそり離脱した月原の自首により承安軍へ温情が掛った際、「これは中央の塩商売掌握への一手なのでは」との邪推も合わさり帝国へいい顔をするため崇鳳の始末を決め、面涼共々以降の消息は不明である。
#endregion

・ムルト
崇鳳(沢樹)の世話役として宛がわれた奴婢の褐色肌元気少女。
元は南海の島の王族であり、国を海賊に滅ぼされ売られた過去を持つ。
人の心が分からず傍若無人にふるまう崇鳳のアレさに内心あきれながらも彼に色々とお世話をしており、少しづつではあるが彼の心にも影響を及ぼしていく。




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