機動戦士ガンダムSEED DESTINY

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機動戦士ガンダムSEED DESTINY - (2023/11/19 (日) 12:10:59) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2010/05/18(火) 21:19:42
更新日:2024/04/28 Sun 21:17:50
所要時間:約 11 分で読めます





戦う意思が、未来を変える。

機動戦士ガンダムS(シード)DESTINY(デスティニー)




『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』とはサンライズ製作のアニメ作品であり、『機動戦士ガンダムシリーズ』のテレビアニメシリーズの一つ。
本放送は2004から翌2005年。全50話。


【概要】

ガンダムシリーズの中でも「アナザーガンダム」と呼ばれる作品群に属する一作。
本放送は所謂夕方土6枠での放映で、同枠で『鋼の錬金術師(2003)』を挟んで2002年から2003年にかけて放送され人気を博した機動戦士ガンダムSEED』の直接の続編
2020年代に至るまで後続タイトルを含め多くのアナザーガンダム作品が製作されているが、分割2クールなどではなく正式に別タイトルの続編として製作されたアナザーガンダムは今のところ本作だけである。

視聴者の間では、DESTINYを『運命』と単純に和訳するか、『種運命(読みはたねです)』と表記される。
デスを死に変換した『種死』も用いられるが、わざわざ印象の悪い変換をしていることやアンチが多用したことから良く思っていないファンが多い。
SEED(種)の次だがSPROUT(芽)ではない。発芽せずに割れるからであろうか。


本編は全50話であるが本放送時にはPHASE-15と16の間で総集編が挿入された。
また、放送終了後には終盤の総集編と後日談の新規映像を合わせた「FINAL PLUS〜選ばれた未来〜」を製作・放送した。
そして2010年代になり『SEED』に続いて全編のHDリマスター化が行われ、各種円盤の販売とBS11などでのテレビ放映が行われている。
HDリマスター版の最終回は「最後の力」と「選ばれた未来」の前後編となり、FINAL PLUS、スペシャルエディションの追加シーンを全て収録した「完全版最終回」となった。

2016年6月号の企画でアニメージュから最優秀賞を授与された。

前作が『21世紀のファーストガンダム』標榜していたことから、本作では『機動戦士Ζガンダム』をオマージュしており、ちょうど本作の放送中には劇場版『Z』の制作が発表された事もあってか比較されたりする事も多かった。

続編である劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』が製作されるまで、福田己津央監督はアニメ監督業から手を引いていた*1



【あらすじ】

C(コズミック).()E(イラ).73――前作の戦争から2年。
世界は地球連合とプラントの間で結ばれた停戦条約を経て、一時の平和を取り戻し復興と繁栄のために歩み出そうとしていた。

そんな中、プラントのコロニー〈アーモリー・ワン〉は新造戦艦の進水式を間近に控えていた。
しかし、その新造戦艦に搭載される予定だった新型MSが所属不明の部隊に強奪されてしまう。
新型MSの中でも極秘だった〈インパルス〉は奪取された機体の奪還に出撃する。



【登場人物】

プラント/ザフト

シン・アスカ
CV.鈴村健一
主人公。
つるの剛士ではない
赤服を纏うエースパイロット。
オーブ出身の移民であり、二年前の攻防戦の際に両親と妹を失っている為、オーブに対して複雑な感情を持つ。
死んだ妹の携帯電話を形見として持ち歩いている。

非常に直情的な性格であり、誰彼構わず自分の思ったことをストレートに表現して顰蹙を買うことも多い。
MSの操縦技術は高く、インパルスのパイロットには遺伝子研究の専門家でもあるデュランダル自ら指名されている。

発表時は「前作へのアンチテーゼ」としてデザインされたキャラクターである旨を説明された。


レイ・ザ・バレル
CV.関俊彦
シンと同期の赤服。常に冷静であり、感情の起伏が乏しい。
パイロットとしての能力はシン以上と言われる。
デュランダルに心酔しており、自分の目指す世界を創るために彼のために尽くす。
……のだが、彼と会う時の表情を見る限りただならぬ関係に見えてしまう。

当初は声優の名前が伏せられており、発表された時はもしや?思った人も多いだろう。

乗機は白いカラーリングのザクファントム。


ルナマリア・ホーク
CV.坂本真綾
アホ毛巨乳、改造制服のいわゆる現代っ子。
シンやレイと同じく赤服だが、劇中では目立った活躍はあまり無く、よくネタにされた。
アスランに興味を持ち、度々アプローチを図るものの特に進展は無かった。
乗機のザクウォーリアには赤のカラーリングが施されているが、別に3倍で動く事はない。
それどころか、初期は射撃の腕が悪いのにガナーウィザードが配備されている。

最後までシンを裏切らなかった唯一の良心。
中の人がリアルでも夫婦になったりと、ある種の運命を感じずにはいられない。


◆メイリン・ホーク
CV.折笠富美子
ルナマリアの妹。ミネルバのオペレーターを担当。
インパルスのパーツを射出する際はシンによく名前を呼ばれる。
普段は大人しいが、時には強気の行動に出る事もあるなど、後半で見せ所を作った。


タリア・グラディス
CV.小山茉美
新造戦艦〈ミネルバ〉の女性艦長。エビを巻き付けたような特徴的な髪型をしている。
シンをはじめとしたアクの強いクルーに振り回される苦労人。
デュランダルとは元々恋人同士であった。しかし……。


ギルバート・デュランダル
CV.池田秀一
現プラント最高評議会議長。中道派の穏和な人物。
洞察力、先見性に優れ、高いカリスマ性も持つ。
自らの手で戦争のない世界を目指す1人だが、その裏では……。
ちなみに本作にシャアが出たから00にアムロが……ん、あれはファンg(ry


ミーア・キャンベル
CV:田中理恵
デュランダルがラクス不在を隠蔽する為に用意した偽のラクス。
ただし、彼女の平和への想いは間違いなく本物だった…。


オーブ連合首長国

カガリ・ユラ・アスハ
CV.進藤尚美
オーブ代表。アーモリー・ワンを訪れ、また強奪事件に巻き込まれる。
前作では泥沼の人間関係を繰り広げるアークエンジェル内で彼女の存在はある種の清涼剤となっていたが、今作では逆にその性格が仇となり空回りしてしまう。
指導者としての未熟な点が目立つ上に、彼氏との関係が最終的に有耶無耶にされる羽目になる。


◆アレックス・ディノ
CV.石田彰
カガリのSP。正体は皆ご存知のあいつ
やはり今回も悩んだり、迷ったりする。


キラ・ヤマト
CV.保志総一朗
前作(と後半)の主人公。
前作で豹変していると指摘された性格は本作でさらに輪をかけたものとなっている。
戦いから離れて暮らしていたが、ラクスが暗殺部隊に狙われたため再びフリーダムに搭乗。
元々前作から人気のあるキャラであったが、本作でさらに多くのファンを獲得するに至る。


ラクス・クライン
CV.田中理恵
前作(と後半の)ヒロイン。
キラと共に暮らしていたが、再び始まった戦争により行動を開始する。
前作のようなポワポワした雰囲気は、今作ではあんまり感じない。


ミリアリア・ハウ
CV.豊口めぐみ
どっかの色黒の元カノ(豊口氏としては「別居中なだけ」との見解を示している)。
前作でアークエンジェルのオペレーターを務めた後はジャーナリストとして活躍していた模様。


地球連合軍

ネオ・ロアノーク
CV.子安武人
特務部隊〈ファントムペイン〉の指揮官。
シリーズ恒例の仮面キャラ。見た目は怪しいけど割と部下思いで気さくな性格。
前作で死んだあの人と同じ声優で顔を仮面で隠している。まさかあの人の訳がないと思ったらあの人だった。


ステラ・ルーシェ
CV.桑島法子
ファントムペインのパイロットで紅一点。金髪巨乳。
普段はぼんやりとしている不思議ちゃんだが、戦闘時は目付きが険しくなり攻撃的に変貌する。
種死版フォウ・ムラサメ的な立ち位置でガイアに乗る。
フォウで桑島ボイス※という二重の死亡フラグを持っていたため当初から心配されていたが……*2


スティング・オークレー
CV.諏訪部順一
ファントムペインのパイロット。奪取したカオスに搭乗。
生体CPUの中では精神が安定しており、アウルやステラを纏めるリーダー格な立場。
戦闘では同じく高機動系の機体に乗るアスランと張り合うことが多かった。

通称はオクレ兄やん。ウホッ良いオクレ


アウル・ニーダ
CV.森田成一
ファントムペインのパイロット。アビスを乗機とする。
地球に降りてからは、潜水可能な特性を活かしてミネルバの一行を苦しめた。
童顔かつ無邪気で子供っぽさが残る。

お前は死ねよ!とか言ってたら真っ先に……


ロード・ジブリール
CV.堀秀行
ブルーコスモスの盟主兼軍産複合体ロゴスの代表。
色々と外道な暗躍を繰り返すが、前任の盟主王のインパクトの影に隠れがち。



【用語】

前作『SEED』から存在する用語、特に変化がないものは省略する。

基礎用語

  • 先の大戦
前作『機動戦士ガンダムSEED』にてC.E.70年から71年にかけて行われた、地球連合・プラント間の戦争。
あわや絶滅戦争という所まで行きかけたが、2度のジェネシス発射による地球軍艦隊の壊滅、ヤキン・ドゥーエ要塞の自爆、
三隻同盟の奮闘とアイリーン・カナーバら穏健派によるプラント政権奪取により、C.E.71年9月27日、「両軍の痛み分け」という形で停戦となった。

「一年戦争」「グリプス戦役」といった事件名は長らく設定されず、劇中でも専ら「先の大戦」としか呼称されなかったが、
HD版発表という時期になってようやく第1次連合・プラント大戦と命名された。
一部では「ヤキン・ドゥーエ戦役」との表記もあるがソース不明。『SEED』の最終決戦である「ヤキン・ドゥーエ攻防戦」との混同か?
両陣営共に、軍人・市民の別なく凄まじい数の犠牲者を出し、2年経った後も、未だその傷は完全には癒えていない。

  • 第2次連合・プラント大戦
本作にて描かれる地球連合・プラントの2度目の戦争。
……こちらも公式の文書で戦争の名前が付けられず、長らく名無しの戦争だったが、
デアゴスティーニのムックでようやく「第2次連合・プラント大戦」と解説される。
本編よりもスパロボで先に命名された可能性があるというのはこれくらいではないだろうか。
「ユニウス戦役」と呼ばれる事もあるが、やはりファン間の通称と思われる。

C.E.72年3月10日(前大戦終結の約半年後)に締結。
第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦後にユニウスセブンにて地球連合・プラント間で締結された停戦条約。
主にニュートロンジャマーキャンセラーやミラージュコロイドの軍事利用の禁止、国力に応じた兵器の保有制限が盛り込まれている。
特に兵器保有制限については、戦局に応じてMSの種類を増やすのではなく一機のMSの汎用性を高めたいわゆる「使い回し」がきく機体が条約締結後に量産されるようになるほか、
(ファンの考察が広まったもので、そういう目的も込みで開発されたと公式が明言したことはないが)「法的にMSとみなされないMS」の実証試験もなされている。
ファーストガンダムの南極条約が「宇宙世紀版ジュネーヴ条約」なら、本条約はさしずめ「コズミック・イラ版ヴェルサイユ条約」といったところか。
プラントにとっては不利な条約なため不満も上り、その影響でカナーバら臨時評議会メンバーが辞職する事態も発生したが、
ユニウス条約はプラントの当初の悲願だった「プラントを正式に国家として認める」事を含んでおり、
前大戦の最大の目標*3は果たされている事と、プラントにとって悲劇の地であるユニウスセブンで条約締結された事で一定の納得を受けている。

両軍とも当初はNジャマーを前提に核エンジン装備機の開発に動いていたが、これにより方針転換を余儀なくされる事となる。
一方、ビームサーベルのようなミラージュコロイドの応用技術まで禁止するのはどちらにとっても有益でないとして有耶無耶にしてしまった所があったり、
両軍共に締結された直後に条約を無視した兵器やそのカウンターとなる装置を開発したり、
「連合とプラント間の条約なので個人が保有する分には問題ない」という理屈で条約無視兵器を装備した私兵部隊を軍に送り込むなど、あまり機能しているとは言い難い。
最終的に両軍とも条約を無視した兵器開発を行い堂々と投入するなど、元々劇中中盤には形骸化していた。

なお先述の通りあくまで地球軍とプラントの間の条約であるため、その何れでもない中立勢力や個々人には効果は及ばない。
そのため個人であるキラ・ヤマトがNジャマーキャンセラー装備機であるフリーダムを保有している事はユニウス条約違反ではない。
個人が軍用MSを武装解除もせずに稼働状態で所有している事の是非はともかく、それはユニウス条約とは別問題である。


勢力関連

  • プラント
L5宙域に建設された天秤型スペースコロニー群およびそれを運営する自治組織。
前大戦を経て最高評議会は穏健派が主流になり、地球との融和路線を打ち出している。
また、プラントそのものも拡大がすすめられ、L4宙域には新たなコロニーとしてアーモリーワンが建設されるなどしている。

  • Z.A.F.T(ザフト)
プラントに存在する政治結社とそれが保有する義勇軍。
基本的な組織体制は維持されているが、ユニウス条約による課題をクリアするための新型MS開発、喪失したヤキン・ドゥーエやボアズなどの代わりとなる軍事拠点や大型宇宙母艦の建造などにより、その戦力を回復させている。

  • 地球連合
地球の反コーディネイター国家を中心とした国際秩序組織。
前大戦後、強制併合された国家はユニウス条約によって解放されているが、依然大きな軍事力を保有。
ブルーコスモスとの関係も一部ではより強い物となり、彼らの私兵である「ファントムペイン」が幅を利かせている。(正確にはファントムペインは前大戦時から用意・存在していたと思われる)
一方でブルーコスモス自体の影響力は前作の戦乱の影響でこの年代ではかなり低下しており、一番影響力が強いと思われる大西洋連邦でもあまり動かせなくなっていて、他の国への影響力はなおさら(恫喝まがいで動かす必要がある)。ブレイクザワールドを利用して勢力拡大を図ってもすぐに下火になったりと、世界大戦を引き起こすほど暴れまわった前作と比べて動きに大幅な制限がかかっている状態。
C.E.世界に於けるガンダムタイプの本家本元だが、本作では完全新規のガンダムタイプをほとんど製造していない。
代わりに、メビウスなどとは異なる複数人乗りの大型MAを複数新規開発し投入している。
「コーディネイターの真似をして作ったカトンボの様なMSより、これからは大型MAが主役になると思っている(要約)」とは連合高官の談。

前作と比較すると主人公格のキャラクターがいないこともあり、悪の組織的な面が強調されている。

  • ファントムペイン
正式名称は第81独立機動群
書類上は地球連合軍の非正規特殊部隊という事になっているが、その実態はブルーコスモス及びロゴスの私兵である。
このため、「地球連合軍ではない」という建前により、ユニウス条約に違反した兵器を保有し活動している。
「ファントムペイン」とは失われたはずの四肢の痛みを感じる「幻肢痛」という現象を意味する医学用語。

  • ロゴス
反コーディネーター組織ブルーコスモスの母体となった組織で、世界にまたがる経済共同体の集いみたいなもの。
といっても2代にわたってブルーコスモスの盟主が代表をしていたせいで影響が強かっただけで、その思想がロゴスの総意やら主目的というわけではない。
特に本作の年代では(描写されている限りにおいて)ロゴス幹部且つブルーコスモス過激派はロード・ジブリールのみであり、その思想に基づく過激な提案も当時の民意やロゴスの利益とあまりにもかけ離れていたことから幹部達に一蹴されていらだつ場面が描写されている。
ここらからも伺えるように、デュランダルの情報(プロパガンダ)や、兵器を扱ったり時に戦争を操ったとされたという情報から良い印象を受けづらいが、あくまでも特定思想よりも経済による繋がりが主であり、取り扱っているものも広範とされる。
そのためプラントでの影響力は限りなく小さいが、地球では良くも悪くも関わっていない国家は存在していない。

  • オーブ連合首長国
「他国を侵略せず、他国の侵略を許さず、他国の争いに介入しない」という理念を持つ中立国。
生まれがナチュラルであろうとコーディネイターであろうと、分け隔てなく国民として受け入れる数少ない国。
前作終盤で自爆したモルゲンレーテ本社は、僅か2年の内に再建され改めて主要な企業として稼働している。
またウズミら首脳陣が全滅した後、カガリが後を継ぎ新たな政治体制を敷くものの、地球国家としての立場に再び翻弄されることとなる。
なお、前作から今作までの間に軍服がリニューアルされている。



【登場兵器】

≪戦艦≫

ミネルバ
シンらが属するグラディス隊の母艦。即ちホワイトベースから連綿と受け継がれる主人公母艦の系譜にして、それにしては珍しいグレーのカラーリングが施されている。
インパルスを始めとしたセカンドシリーズの運用母艦として建造された新造艦であり、元々は宇宙用として開発されながら長期にわたって地上で運用される事となる。
従来のザフト艦艇とは全く趣が異なり、むしろアークエンジェル級に近いデザインとなっているが白を基調とした内装はローラシア級譲り。
上述の通りインパルスの運用の為の専用設備を持つことや、戦闘時にはブリッジが船体内に格納されCICと一体化する構造が特徴的。


ガーティ・ルー級特殊戦闘艦
ファントムペインの宇宙に於ける母艦。カラーリングはスチールブルー。
アークエンジェル級の影響が見て取れる、しかしあたらよりも無骨なボディを持つ。宇宙用であるため主翼は無い。
また実験的装備だったローエングリンが撤廃された代わりに取り回しの良い主砲ゴットフリートが6基に増えているなど、より実戦的になっている。
ユニウス条約締結早々ミラージュコロイドの運用を前提としており、ミラージュコロイドによる高いステルス性や、
その弱点である熱探査を潜り抜ける為の低温ガスを噴射する追加スラスターを装備する機能などが装備されているという存在する事自体が危険な艦
地球軍は「あくまでロゴスの私兵の持ち物であって地球軍の正式装備ではない」という苦しい言い訳で体裁を取り繕っている。


アークエンジェル
前作主人公母艦。
オーブの秘密ドックに隠されていたが、ある事件を切っ掛けに再び戦場に赴く事となる。
本作までの間に様々な改造が施されており、少人数での運用や海中潜航が可能になった他、艦内に温泉が設置された。
前大戦での活躍により、その存在はヤキンを知る兵士の間では一種の伝説となっている。


≪モビルスーツ(MS)≫

ザフトが実用化し活躍した人型機動兵器。
前大戦中地球連合も配備に着手しており、本作時点では戦場における主力兵器として各陣営で運用されている。

本作に登場する、所謂ガンダムタイプは一部を除いてザフト軍が開発したMSばかりであり、
軍内部では「セカンドステージシリーズ」とカテゴライズされている最新鋭機という扱いになっている。

また、ザフト軍がヤキン・ドゥーエ戦役で主力としていた「ジン」や「ゲイツ」といったMSは本作では基本的に登場せず、
代わりに「ザク」や「グフ」といった「ニューミレニアムシリーズ」と呼称される新型機に代替わりしている。しかし地球連合軍の「ダガー」は「ジム」に代替わりしなかった

ちなみに、本作でも正式名称に『ガンダム』が付くMSは存在しないが、ガンダムタイプに搭載されたOSの頭文字はやはり「G.U.N.D.A.M.」となっている。


〈セカンドステージシリーズ〉

インパルス
前半主役機。
三機の戦闘機が合体する事でMSとなる。
これは、機能付加等の積極的理由ではなく、ユニウス条約回避という大人の事情でやむなく搭載した合体機構である…とされることが多いが、
上述したようにこれに関しては非公式に「そういう設定ではないか」と考察されたもので、公式でそうだと明言されたことは一度もない*4
上半身と下半身は戦闘機にほとんど見えない。

前作のストライクと同様に、バックパックを換装することであらゆる戦況に対応できる「シルエットシステム」が採用されており、
劇中では高機動戦用のフォースシルエット、近接戦用のソードシルエット、砲撃戦用のブラストシルエットの三つが登場している。


セイバー
戦闘機形態に変形する赤いガンダム。公開当初はパイロット不明だったが、色でバレバレだった。
開発が遅れていたためアーモリーワンに無く、ファントムペインによる強奪に巻き込まれなかった。
たいして活躍する機会に恵まれなかった上にキラに達磨にされた可哀想な子。


カオス
特殊能力なしで使える遠隔操作端末を持つ緑のガンダム。変形するのだが、バル○リーのガウォ○ク形態にしか見えない。
目玉はもちろん遠隔操作端末の機動兵装ポッドなのだが「重力下でオールレンジ攻撃を使おうとしたら、推進剤が大量に必要になって端末がデブになった」「使用中はアホみたいにエネルギーを食う」「ポッドが本体のブースターを兼ねているので破壊されると機動力がクッソ低下する」と結構問題だらけ*5

しかし無理してでも作っただけのことはあり、単独飛行可能な上C.E.で特殊能力なしかつMSサイズで地上でも使用可能*6な遠隔端末持ちはカオスぐらいである。


ガイア
バクゥのような四つ足の獣型に変形する黒いガンダム。
地上での戦闘での高い機動力が持ち味だが、C.E.73当時のMS、ましてやハイエンドモデルとしては珍しく単独で空を飛べず、
海中では本来の力を出し切れないため、海での戦いが主だった地上編前半では大抵母艦で留守番しているなど少々不遇だったが……?


アビス
水中での使用を念頭に置いた機体。
ビーム兵器を中心に、セカンドシリーズとしてはセイバーと並ぶかなりの重武装が施されている。
潜水モードに変形可能で、左右肩部のバインダーで身体を覆い隠すだけのお手軽さ。
水中戦用MSを先に投入した側が、相手側が後追いで開発した水中戦機に押されてきたため、更にそれらに対抗する」べく開発されたという珍しい経歴のMS。


デスティニー
後半におけるシンの乗機。一応主役機として扱われる。
大型実体剣、長身砲、幻惑能力を有した背部ウィングと、インパルスの三つのシルエットを一つに集約したような武装を持つ他、
掌にはシャイニングフィン…もとい、小型ビーム砲塔も持つ、てんこ盛り機体。関智一「他人の機体とは思えない」
こうなったのは、デザイナーである大河原氏に監督が「これまでのガンダムシリーズの主役機の特徴を全て乗せたガンダム」を要求したため。「全部乗せラーメン」とも揶揄される。
なお、ガンダムフェイスも悪人面な上に目下にピエロ風の赤化粧と特徴的で、ヒロイックではあるが王道でもない、外連味溢れるデザインになっている。


レジェンド
後半におけるレイの乗機。
背部に大型プラットフォームがあるドラグーン装備MS、全体的に昏めなカラーリングなど、
前作のラスボスであるプロヴィデンスの意匠を武装・デザイン共に引き継いだ後継機である。


〈ニューミレニアムシリーズ〉

ザクウォーリア/ザクファントム
ジンゲイツに代わるザフトの新たな主力量産機。
ウォーリアが一般仕様、ファントムが指揮官仕様に当たり、ファントムは通信機能が強化されている他高品質なパーツが用いられている。
専用機仕様もあり、ルナマリアやレイの乗機でもある。
どちらもインパルスのシルエットシステムと同系統のウィザードシステムという換装システムを採用しており、あらゆる状況に対応できるように設計されている。
こちらは条約でMS保有数に制限がかけられたので1機当たりの戦力を上げるためにウィザードシステムを採用した、という設定が存在する。
また設定上は前作前期主役機であるストライクを始めとしたGAT-Xシリーズと同等以上の性能を持つとされるが量産機の宿命上やられ役である。
また、前作のザフト量産機に共通する特徴だった「トサカ」が無くなってしまったことを惜しむ声も。
大気圏単独飛行はできないため、地球上での空中戦や長距離移動にはグゥルが必須。



〈GATシリーズ〉

ウィンダム
連合の主力量産機。スラっとした体形に大型の肩部、そしてV字アンテナ持ちと量産機にしてはえらくイケメンなデザイン。専用機仕様も存在し、ネオの乗機。
こちらもストライカーパックシステムによる換装システムを採用している。
開発的にはダガー系列から発展してきたので地味にストライクの直系の子孫だったりする。
こちらもGAT-Xと同等の性能を持つさとれるがやっぱり量産機なのでやられ役である。敵軍に当たるので余計にやられっぷりが際立っている。



〈その他〉

ムラサメ
オーブの主力量産機。M1アストレイの後継機でガンダム顔や白赤黒のカラーリングが共通している。
3国の主力機の中では特に空戦に長けた性能を持ち、大気圏単独飛行能力や変形による長距離航行・高速機動が可能。
量産機としては異例とも言える空戦重視の可変機だが、これは前作でオーブが「上陸した敵を迎撃する」というドクトリンでM1を運用した結果、
被上陸時に(撃退こそ成功したものの)本土に多大な被害を出してしまったので、「積極的に洋上に打って出て迎撃する」というドクトリンに切り替えを図ったため。
例によって量産機なのでやられ役……と見せかけて作中では結構活躍する描写もあり、とある場面では大金星を挙げた。


ストライクフリーダム
キラの新機体。事実上の後半主役機。
というか、一部媒体では本作の主役機系図が「インパルス→ストライクフリーダム」となっていたりもするので、さもインパルスの後継機と勘違いしそうになる。
名前の通り、前作の後半主役機・フリーダムの意匠が強くみられる後継機(設定上は兄弟機)。
フリーダムよろしく大量の武装を積む一方で、特徴的な連結機能持ちのビームライフル二丁を腰にマウントすると腰部レールガンが使えなくなったり、
主砲クラスの武器が腹に固定されていて射角が取れなかったり、
非戦闘時は背部ウィングに搭載されている「スーパードラグーン」を全て射出しないと最高速度が出せない仕様だったり、
装甲がペラッペラだったりと所々に設計に難があるが、「キラ専用だしキラなら何とかするでしょ」とあまりにも割り切った仕様で作られている。
企画段階では「スーパーフリーダム」という名前だったが、諸事情あって変更された。


∞ジャスティス
アスランの新機体。こちらも前作後半でアスランの愛機であったジャスティスガンダムの後継機(設定上は(ry )。
全身にビームサーベル系の武器を多数備えたサーベルの塊のような機体。一部からはファトゥム最強説が唱えられる。
企画段階では「ナイトジャスティス」という名前だったが、諸事情あって変更された。



【スペシャルエディション】

前作と同じく一部新規映像を追加した全4部の総集編。作画監督はキャラデザの平井久司が担当し、アフレコは全編新規収録。
三ヶ月間隔でテレビ放送とDVD発売が行われた。

◆スペシャルエディション 砕かれた世界
〈PHASE-1~13〉

◆スペシャルエディションⅡ それぞれの剣
〈PHASE-14~28〉

◆スペシャルエディションⅢ 運命の業火
〈PHASE-24~42〉

◆スペシャルエディションⅣ 自由の代償
〈PHASE-43~50〉



【主題歌】

  • OP

  • 挿入歌
vestige-ヴェスティージ-』(FINAL PLUSではOPに昇格)
『焔の扉』
『Fields of hope』
『Quiet Night C.E.73』
『深海の孤独』
『Zips(UNDER:COVER Ver.)』(スペシャルエディションのみ)

  • ED
『Reason』
『Life Goes On』
『I Wanna Go To A Place...』
君は僕に似ている





「ミネルバ、メイリン、デュートリオンビームを!それから追記・修正を射出準備!早く!やれるな?」




























決められた運命か、

あらがう自由か―――







機動戦士ガンダムS(シード)FREEDOM(フリーダム)




2024.1.26


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