YSX-24 バーゼラルド

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YSX-24 バーゼラルド - (2019/02/01 (金) 21:59:25) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/11/20 Sun 20:12:49
更新日:2021/11/06 Sat 15:25:04
所要時間:約 20 分で読めます




概要

「YSX-24 バーゼラルド」とは、コトブキヤが展開するプラモデルシリーズ「フレームアームズ」のひとつ。
本項目では系列機種も取り扱う。
本機から量産化されたJX-25シリーズについては、項目が独立しているのでそちらを参照のこと。


目次




YSX-24 バーゼラルド


フレズヴェルクに苦戦した地球防衛機構は取り急ぎ「輝鎚」を実戦投入して急場を凌ぎつつ、次期主力FAの開発計画「SX計画」を急ピッチで推進していた。技術陣はいつになったら休めるのだろうか
バーゼラルドはその試作機であり、新型の推進器「フォトンブースター」に加え極めて限定的ながらフレズヴェルクのようなバリア機構も装備した高性能機となっている。

いかにも量産型といった感じの機体が多いFAにおいて主人公機然としたヒロイックな外観を持つある意味変り種。戦意高揚のためにそういう要求のもとで開発された。
…というよりこの外観は上層部にとって要求した機体性能以上に重要視されており、絶対に達成するよう厳命されていたようだ。
本来は宇宙用の機体だったが、地上でも使えるようにしろとのお達しを受け軽量化が必要になった折、開発部は装甲の多くを削る必要があると提言するも、返答は「外観だけは絶対に変えるな」と非情の通知。
何度無理と言えども返答は変わらず、結果、装甲材質を変更され防御性能は大幅に犠牲になってしまった。
加えて外観重視の設計は生産性の悪さと整備の煩雑さも招いており、特に後者の要素が現場からの不評を買う事態となっている。

こんな経緯があったものの仮にも次期主力機の試作型であり運動性は抜群で、殊に一対一の戦闘に限れば防衛機構においては最強クラスとされる。
最終的に多少の改修を行い正式に配備が決定した。大丈夫か…

生産性や防御力の問題を解決するため、量産バージョンの完成までの間に多数の改良案が検討されたと言われている。


◇武装
  • セグメントライフル×2
連装レールガン。回収されたラピエール・ゼファーの武装から得た技術が活かされている。
試作型の対TCS(T結晶シールド)兵器で、片方の砲身に通常弾、もう片方に「TCS干渉弾」を装填して同時に発射することでTCSを貫通できる。
故に弾倉が二つあり、リロード作業が煩雑という欠点がある。
また二挺あるのも交互に充電しながら使うためで、取り回しを良くするためにバッテリーではなく軽量のキャパシタを使っているため一度の充電での射撃回数は少ない。
その特性上下記のスラストアーマーとの併用が必須。

  • スラストアーマー
細長いシールド。厳密には盾ではなく、セグメントライフルの充電器。
先述の通りセグメントライフルの運用には必須のため破壊されないように装甲を被せてあるだけで、シールドとしての機能は限定的。
また見かけよりも重いため、推進機も内蔵させて機動性に影響を与えないよう配慮している。
宇宙に上がってからは(セグメントライフルが使われなくなったのもあって)外付けバッテリー兼推進機としての役割の方がメインになったらしい。

TCSと似たバリア機構。燃費が悪すぎて起動するだけで機体が機能不全を起こすため、実装されたのは一号機のみ。
他の機体にはダミーユニットが搭載されている。
また一号機もEXU-02を装備しての運用が主になった時点でダミーと交換されたらしい。


◇キット
定価3,800円。デザイナーは轟雷シリーズと同じ柳瀬敬之氏。キャッチコピーは「魔鳥を狩る白刃」。
7色成型のキットだけあって色分けは優秀。また初の専用造形ハンドパーツ持ちキットでもある。
細部の黒やグレー部分が足りないため、マーカー等で部分塗装ができれば十分見映えするようになる。
デザインモチーフは龍とのことだが、白い装甲に加えて頭部の2本の突起がウサギを連想するためか、FA:Gではバニーガール風になった。
後にコトブキヤ公式ショップ限定で「クリアアーマーセット02」(定価2,500円)が発売された。こちらにはアーキテクトが入っていないため、自前で用意する必要がある。




YSX-24RD ゼルフィカール


強化パーツ「EXU-02」をバーゼラルドに装備した状態。鋭角的ながらもバーゼラルドと比べて重厚なフォルムの、これまた「主人公機の後継機」感のあるFA。
追加装甲を取り付けバリアも使用可能、防御面の不安を払拭したバーゼラルドの一つの完成形であり滅法強い。が、只でさえ悪かった生産性が更に悪化しているため配備数はごく少数。当然一般兵に回す分などあるわけもなく…


◇武装
  • マス・アームドユニット 「EXU-02」
装甲、推進機、ABSAユニットを一体化させた、宇宙用FA向けの大型シールド…という名目でCC213年1月に制式化された強化パーツ。スラストアーマーtype-G×4、スラストアーマーtype-S×4、フォトンブースターユニット×2、ABSAユニット×2からなる。
大型シールドにした場合、ブラストシールドType1、Type2と呼ばれる。

事実上バーゼラルド用の強化パーツとして設計されているが、SX計画自体が前線部隊から反感を買っている状況であったためバーゼラルドの専用装備として制式化するのが憚られ従来機拡張計画(EX計画)の一貫としてカモフラージュされた*1
そうまでしてEXU-02を制式化した背景には、猛威を振るい続けるNSG-X2に対抗する機体を一刻も早く投入したいという防衛機構上層部の意向があった。
事実、バーゼラルドのうち1機を対X2専用の特務機体(後の「ナイトエッジ」)としてゼルフィカールに改装しEXU-02の制式化と同時に実戦投入している。

特筆すべきはABSAの正式搭載で、出力を落とし展開範囲を機体正面に限定することで消費を抑え、実用化を成し遂げた。

EXU-02自体は複数制作されているらしく、極少数しかないバーゼラルド用よりも他のFAの強化パーツとして使われる例のほうが多かったものと推測される。


◇キット
バーゼラルドに「エクステンドアームズ02」(定価2,000円)を組み込むことで、ゼルフィカールにすることができる。デザイナーは本体に引き続き柳瀬敬之氏。
4色成型により色分けは良好だが、頭部のグリーンが無いのが難点。ボールジョイント部は緩めなので調整が推奨される。
また3ミリピンが長めで、そのままバーゼラルドに取り付けると隙間が出来てしまう。気になるなら短く切り飛ばして密着するようにしてやりたい。

後にフレームアームズとしては初となる短編CGアニメ「A violent struglle」にも登場。
それに伴いフレズヴェルク・アーテルとセットになった「バーサスセット」(定価9,800円)も発売された。
作中の配色に合わせて細部の成型色が改められた「テストカラーver.」となっており、二個セットのうえ特典がついていることもあってかフレームアームズ史上最高額となる。
これに登場するバーゼラルドが唯一ABSAを標準搭載していた一号機であり、やがて改修されて下記のゼルフィカール/NEとなる。




YSX-24RD/NE ゼルフィカール/NE(ナイトエッジ)


実戦投入されたバーゼラルドのひとつで、対フレズヴェルク戦に特化した仕様となる。
「ナイトエッジ」と呼ばれるのは宇宙に上がる際に改修を受けてからで、内装機器やソフトウェアも更新されて基本性能が底上げされている。
取説のショートストーリーでは腕利きの傭兵トルース・ロックヘッドが駆り、フレズヴェルク=アーテル撃破の任を帯び各地を転戦、激闘を繰り広げている。
かなりの活躍を遂げたようで、パッケージ絵では少なくとも四機の簡易量産型のフレズヴェルク系列機(NSG-XM?)をスクラップにしている。積んでるOSはポンコツと罵られたがな

月面決戦においては新開発されたアーセナルアームズを装備して対マガツキ・崩天の切り札として出撃。
だが圧倒的な性能を誇る崩天にはそれでも敵わず、破壊寸前まで追い込まれてしまう。
しかし……?

◇武装
  • 試作型光波射出機
実験装置(ベリルマチェット)を改造・転用した試作兵器。
月側のベリルウェポンに匹敵する威力の射撃が可能なほか、変形させると斬撃武器にもなる。
ベリルウェポンの攻撃をTCSで受け止めると相互干渉を起こすためTCSでの防御が難しい*2という特性があり、フレズヴェルクに対して非常に有効な武器になる。
ナイトエッジが使用していたものは第二次プラント突入作戦後のNSG-Z0/Kとの戦闘でカトラスと共に失われた。

  • 攻性防盾システム
手持ち盾に偽装したワイヤーアンカー。三本爪のクローで敵を捕縛する。
全身のスラストアーマーにより防御面の不安は払拭されているため、名前に反し盾の機能は持たない。
後に戦闘データを元に月面側が開発にフィードバックし、NSG-Z0/Kが類似した武器を装備している。

◇キット
定価5,600円でバーゼラルド本体、エクステンドアームズ02をセットにしたキット。キャッチコピーは「戦場を舞う夜刃」。
双方の成形色をグレー&パープルで合わせてあるほか、専用武器が追加されている。

しかし、宮沢模型流通限定モデルという形で発売されていたため、現在では生産がされておらず、入手が非常に困難である。
というのも、このキットの企画を出したのがコトブキヤではなく宮沢模型側である為。
つまり、大人の事情という奴である。
イベント等でコトブキヤスタッフに『再販予定はあるのか?』という質問をした者がいたが、『難しい(意訳)』という回答が返ってきた為、恐らく再販予定はない……

と、思われていたが2017年10月にアーキテクトをリニューアルに改めた「:RE」として実質的な再販がなされた。流通限定品の再販は滅多に無く、ラストチャンスということも十分に有り得る。
必要であるのなら多少の無理を押してでも確保しておきたい、在庫が尽き始めれば更に高い出費となるのは目に見えている。だから多々買わなくちゃ…

試作型光波射出機の砲身/刀身パーツの金型は後にバルチャー改のべリルマチェットに流用された。
キットではゼルフィカール/NE→バルチャー改の順に登場したが、設定上の開発順は逆になっているのだ。




YSX-24c バーゼラルド砲撃戦仕様


新型機の開発に伴いその機体が用いる武器の研究・開発計画も始動しており*3、その中には過去の試作兵器の再評価プログラムも存在した。
要は「昔ボツになった武器でも新型なら使いこなせるんじゃね?」という発想で、C型はその試験のために設計されたのだが、実際に建造されることはなかったとされる。
というのも、他の対TCS兵器が実用化されたことで再評価プログラム自体がキャンセルされてしまったため。故に設計データのみの存在となっている。

……筈だったのだが、とある部隊の前に出現して大暴れした記録が残されている。
おかげで後世でも実在した/しないの議論の的になっているとか。
後にコイツと遭遇したとあるパイロットが(良い意味で)色々とやらかすのだが、これはまた別のお話。

機体としてはバーゼラルドの火器管制と索敵能力を強化し、肩に大型武器用の懸架装置を追加したもの。
肩の改修に伴いフォトンブースターが一部撤去されているが、シミュレーションではそれでも尚従来機を超える機動性を発揮できる模様。
頭部が角ばっているためパッと見は轟雷系列機にも見えてくるほか大型光学兵器二丁持ちという姿は後のレイダオやジェンタオにも通じるものがあり、特にジェンタオには胸部の索敵システム・頭部の増設FCS・両腕のレーザー砲という構成がよく似ている。
そのさらに後にX-2 白虎の開発時、火器管制システムのソフトウェアを流用されるなど本機の存在は後のFA開発に少なからず影響を与えたようである。


◇武装
  • X-YN8/E イオンレーザーカノン ×2
FAが使う武器としては比較的大型の試作レーザー砲。形状から「光学式バズーカ」とも呼ばれる。
その重量から従来機では使い物にならず開発が凍結されていた試作兵装「X-YN8」の改良版で、少し軽量化されている。
フォトンブースター(と紙装甲)による優れた推力重量比を持つバーゼラルドの完成により再評価が検討されたものの、先述の通り再評価プログラムは実行されなかったため制式採用および採用を見越しての開発再開は叶わなかった。
しかしレーザー砲のFAへの搭載自体は、東アジア防衛機構の執念によりレイダオという形で結実することになる。
また他にもセカンドジャイヴのマルチランチャーや白虎のレーザーライフルなどのベースとなっており、系譜そのものは途絶えていないようである。

  • LADARシステム
胸部のABSAユニットを撤去した空きスペースを有効活用するため、搭載が検討されていた索敵システム。
レーザー式のセンサーを使って周囲の地形探査と索敵を同時に行う。
余談ながら現実でもPanasonicが「3D LiDAR」という技術を開発している*4

  • オプティカルバイザーT9
三八式の「鉢金型五式光学照準器(S-5オプティカルバイザー)」と同系統の照準システム。
センサーユニット自体はバーゼラルドのものを流用しているが、LADARシステムとの連携および頭部補助演算装置の増設により射撃精度を向上させている。


◇キット
定価4,500円、コトブキヤ公式ショップ限定品。キャッチコピーは「砲火の戦刃」。
頭部と肩アーマーの形状が変わっている。
成形色も茶色&黒になったため、頭部の形状と合わせて尚更轟雷っぽく見える。
またM.S.Gウェポンユニットの「MW-18フリースタイル・バズーカ」が二丁付属し、こちらは成形色が茶一色なので少々寂しく感じる。塗るのが面倒なら通常版のバズーカ(灰色)と組み合わせるという手もある。




YSX-24〈3/7〉 バーゼラルド レヴァスレイター


実戦投入されたバーゼラルドのひとつ。
ゼルフィカール/NEと同様、試作された他のバーゼラルドも月面反攻作戦の主戦力の一角として運用を続けることが決定していたが、元よりバーゼラルドは機体特性がピーキーな上に度重なる改修を施した試作機であるため兵站上の互換性もなく、通常の部隊に編入しても持て余してしまう恐れがあった。
故に実戦投入されたものの殆どは特定の目的に特化した改修が施されたとされる。

本機もその一つで、月面プラントへの強襲を目的として機動力をさらに強化した機体となった。

強化された推力は実にバーゼラルドの2倍に迫り、その源となっている背部の大型機動ユニットは推進方向を任意に変更できる構造で運動性も向上。
また月面プラント奪還の障害となりうるTCS搭載機への対策として対TCS兵器を複数搭載している。
これらの複雑化した操縦系統をサポートするため機体制御OSも〈R.E.V.I〉と呼ばれる専用のものを使用する。

極めて高性能な機体となったが、膨大なユニット数や専用OSの搭載などにより整備性・運用効率性は低く、短期決戦用のワンオフ機という面が強いとされている。


◇武装
  • エクステンドブースターEx-SP
背部の大型機動ユニット。使われた資材の多くは流用品で、性能に比して驚異的な短期間・低コストでの戦力化に成功した。

  • ブリューナク・ランチャーシステム
鹵獲したビーム・オーブガンを改造した大型のビーム砲。
出力が強化されており、TCSごと敵機を消し飛ばすほどの威力を発揮する。
反動が大きくエネルギー消費も激しいことから本機以外での運用は難しい。

  • レヴィ・ブレイド ×2
大型の斬撃武器。ベリルユニットを搭載しており、フィールド干渉によってTCSを切り裂いて攻撃できる。
試作型光波射出機のデータを参考にしており、後述のベリルダガーと同様に射撃機能をオミットしたことで安定性を確保している。


◇作品
2013年に開催されたコンテスト「CREATION OF NEW WORLDⅢ」の最優秀賞受賞作品。
コンテスト最優秀賞の副賞として公式設定化された。
詳細はフレームアームズ公式ブログを参照のこと。




SX-25 カトラス


バーゼラルドの量産仕様。生産コストの問題から、外観についてかなり妥協されたらしい。
え?見た目そんな変わってないじゃん?と思われるだろうが、実はキット化されたカトラスは一度解体されたYSX-24にSX-25の部品を組み込んで再就役したニコイチ機体。つまり量産型モドキのワンオフ機である。
妥協した外観を補った上でカトラスの性能を宣伝する為に一計を案じた結果であり、最終的には認知度の向上など少なからず貢献を果たした。

なお、SX-25自体はいわゆる簡易量産型ではなくガチの制式量産型であるとされ、装備はより洗練された最新バージョンが採用され基本スペックはYSX-24を上回る*5
特にバイザー状の頭部(センサー・制御系)については量産仕様の意匠が最も反映されているとしながらも、性能重視の仕様が許可された部分であるともされ、充実したスペックを誇るという。
ガンダムに対するジムのポジションどころかジムコマンドくらいの性能はある、やればできる子なのである。

後のJX-25Fの顛末から、量産仕様のSX-25が存在するのか、または量産型は全てJX-25のみなのかはハッキリしていない。先述の頭部仕様の設定から、量産されているとも取れるのがまた悩ましいところであるのだが…
もし量産されているならば、実際の量産仕様はもっと簡素な外観であろうと思われる。

地上でのプロモーション活動の後は月面反攻作戦にも参加しており、ドゥルガーⅡとの戦闘で一機が失われている。


◇武装
  • IR-P13(Integrate Rifle-Plan13)
セグメントライフルの発展型。攻性干渉弾(単体でTCSを貫通可能な弾丸。通称ATCS弾)の実用化により、運用上の問題をクリア。
単装化されたことでバッテリーを搭載する余裕が生まれ、スラストアーマーが必要なくなった。
予備の弾倉とバッテリーを携行するためのホルダーも用意されている。

  • ベリルダガー
小振りのベリルウェポンで、月面陣営ほどの技術力がなかったため機能を絞って信頼性を上げている。
具体的には射撃機能が無く、刀身にTCSを纏わせることしかできない。
そのためか運用を工夫しており、手持ちだけでなく足にも装着でき、間合いの広い斬撃が可能になっている。

  • ディフェンスローター
ベリルダガーを二本連結して腕にマウントする。
高速回転させることで軽量の盾となり、運動性を損なわずに防御力を高めることができる。
顔とあわせて既視感が拭えない。


◇キット
定価4,200円。
ほぼバーゼラルドの色違いで、主に頭部の形状が異なるほか一部のパーツを使わないなどの違いがある。
特に大きな変更としては股関節と足首の構造がバーゼラルドから変更されており、開脚と接地性が向上している。
股関節部は微妙に形状を改められ、後にリニューアルアーキテクトに取り入れられた。
頭部のセンサーとベリルダガーは無色透明なので塗装推奨。
難点としてはIR-P13が特殊な形状であるため専用ハンドパーツが付いてくるのだが、親指が通常のハンドパーツと共用なので武器を持ち替えるたびにバラして組み替えないといけない点が挙げられる。




O(オリジナル)・カトラス


開発部が上層部の意向を無視し、実用性を重視して開発したバーゼラルドの量産モデルの試作機。
型番は明かされていないのだが、カトラスのSX-25から推測すると「YSX-25」あたりになると思われる。

前述の通り実用性を重視して設計しており、バーゼラルドの開発時に課せられていたデザイン性などは完全に無視されている。
開発部は上層部の意向と現場の不満双方を理解していたが、最終的には後者を尊重する決断を下した結果でもある*6

要請を無視した機体に上層部は騒いだものの、量産機として文句のつけようがないスペックを見せつけられては閉口するしかなく、世間には本機とバーゼラルドのパーツを合わせた機体を次期主力機体のカトラスとして発表し、実際には本機の改良型が次期主力機体のジィダオとして生産されることになる。
つまりO・カトラスはキット化されたカトラスやジィダオの一つ前の機体ということになる。

現在の公式設定では存在と僅かな設定が記述されているだけでデザインについては不明であった。
椎葉氏が設定担当者からカトラスとジィダオのデザインの差異を訊ねたところ「頭部くらいかな?」というかなりぼんやりとした回答があったとのことで、独自解釈によるO・カトラスの作例がコトブキヤのホームページのフレームアームズブログにて、<仮想>のものとして制作されている。
ジィダオのキットをベースに一から作成したオリジナルデザインの頭部と胸部に変更し、カトラスとの関連性を持たせるためにライフルとディフェンスローターを装備し、カラーリングもカトラスと同じものになっている。オリジナル武器として折りたたみ可能なピッケルアックスも制作している。

新造された頭部と胸部はカトラスのデザインにジィダオの曲線的なラインを取り入れた双方の特徴が上手く合わさったもので、設定に違和感なくマッチしている。

公式側の作品ではあるが、あくまで<仮想>とつく作例であり、その姿が公式設定というわけではない。



余談

  • 機体の系譜がややこしいが、簡略化したものを以下に記すとこんな感じになる(派生機は省略)。

上層部「フレズヴェルクとかいう攻撃力がヤバい敵機体が出てきたな。急場を輝鎚で凌ぎつつ次期主力FAの開発計画「SX計画」を急いで進めるぞ!」


上層部「こういう機体(バーゼラルド)作ってね。あと仮にも次期主力機で世間にも発表するためにデザインも頑張ったんだから外観は変えないでね。あ、そうそう地上でも使えるようにしてね」

開発部「なにこのふざけた要求…。こんなの達成しようとしたら紙装甲の機体になるじゃん。おまけに生産性も整備性もダメダメじゃん。現場のことどう考えてんの…。仕方ない、やるだけやってみるか」


バーゼラルド完成

上層部「うんうん仕様通りの機体ができたね。この調子で量産機(カトラス)の方も頼むよ」

開発部「ふざけんな!!こんな仕様のままで量産機にしたら現場が死ぬわ!!バーゼラルドでもう義理は果たしたしノウハウも手に入ったんだ、量産仕様は真っ当な機体に仕上げるぞ!」


O・カトラス完成

上層部「えぇ…、なにこの機体?バーゼラルドの面影がぜんぜんないんだけど…。誰もバーゼラルドの量産型のカトラスだなんて思わないよ。開発部ナメてんの?いやでもこのスペックはボツにするには惜しいし…。そうだ!この機体のパーツとバーゼラルドのパーツを合わせて世間にはそれをカトラスとして発表しよう!」


上層部はバーゼラルドとO・カトラスのパーツを合わせたプロパガンダとしての名目だけの次期主力機体カトラスを発表
O・カトラスを量産に向けて改良したジィダオ(O・カトラス改)が完成

上層部「次期主力機はジィダオにするけど、世間にはカトラスを次期主力機体
にすると発表したから。ジィダオの生産は東アジア防衛機構に委託して対外的にはそこのバリエーションモデルということにするからね」

現場「カトラスじゃなくてまともな機体が来て良かった…」

東アジア防衛機構「これが次期主力機か。良い機体だけどもうちょっと改良させてもらうね」


各部がモジュール化され、ジィダオが完成。次期主力機体として量産されることに



  • 各機体の名称の由来は刀剣・刃物。前主力FAであるスティレットの系列を引き継いだものと思われる。
    バーゼラルドはスイス起源の短剣、ゼルフィカール(ズルフィカール・ゾルファガル)はイスラム圏の伝説の名剣、カトラス(カットラス)は幅広の片刃剣(いわゆる海賊の剣)である。
    また、この命名法則は直系量産機のJX-25シリーズにも採用されている。

  • バーゼラルドやカトラスの生産数がどの程度かがよく議論される。キットの取説や公式で発行された資料だけで言うのなら、バーゼラルドは4機、そのうち1体がナイトエッジに、もう1体がレヴァスレイターに、残りのうち1体以上がカトラスに改装された…という説が有力となっている。ただしユーザーの「オラ設定」でどうとでもなる部分でもあり、模型雑誌の企画による作例などにはバーゼラルドやカトラスも「数体~数十体が追加で製造された」といったフリーダムなものもあるので、気にしすぎない方がいいかもしれない。
    フレームアームズ全体に言えることだが、ユーザーが作りたい機体と設定があればそれを優先すべきというのが公式のスタンスであることだし。

  • 2016年2月に開催されたイベント「フレームアームズ ファンミーティング in AKIHABARA-KAN」における企画「プレゼント抽選会」にて、成型色をレッド、ホワイト、ゴールド、ブラウンに変更した「バーゼラルド<V.L.Tカラー>アーマーパーツ」が配布された。その数僅か4個
    このイベントの為だけに用意されたもので、製品化の予定もない超激レア品である。

  • 明確なデザインが存在しなかったりストーリー中には存在が示唆されるも資料のない機体も多いが、コトブキヤの公式ブログであくまで独自解釈と前置きされてるが、オリジナルカトラスやゼルフィカール装備のカトラス、アーセナルアームズ装備のナイトエッジなどの作例が公開されているため必見である。そして再販前や予約中に作例を公開し多々買いを強いている。


追記修正は、上層部の意向に振り回されながらお願いします。

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