JX-25シリーズ(フレームアームズ)

登録日:2018/09/14 Fri 21:04:54
更新日:2024/03/07 Thu 13:12:09
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概要

JX-25シリーズ」とは、コトブキヤが展開するプラモデルシリーズ「フレームアームズ」の一部。

SX計画の成果として生み出された地球防衛機構の新型主力量産機。設定上はYSX-24 バーゼラルドの量産仕様となる。悪役量産機っぽいとか言われてるけど味方です

本項目では系列機種も取り扱う。


目次




JX-25F ジィダオ


防衛機構上層部の無茶振りに始まる紆余曲折の末量産化にこぎ着けたSX-25カトラスだったが、OEM先である東アジア防衛機構の開発チームによって更なる改装(外見含む)が加えられ「JX-25F ジィダオ」と名を変えた派生型が存在した。
もはやバーゼラルドの面影もないほど見た目が変わったが生産性・性能共に申し分ない機体として仕上がっている。


改設計の内容は主に各部のモジュール化であったとされ、これによって後述のレイダオのような大胆な組み替えも可能となり、さらに既存機体の補修・強化パーツにもなるという別の意味での汎用性も獲得するに至った。

初期のバーゼラルドと比較して生産性・装甲強度が大きく改善した*1にもかかわらずスペック上の機動性・運動性能はほぼ据え置き、かつ宇宙・地上の双方で運用可能な汎用性を持ち、 VTOS の採用により新兵でもその性能を充分に引き出せる操作性をも獲得。
ロールアウトはCC213年8月だが、僅か4ヶ月後(同年12月)にはまとまった数が月面プラント攻略作戦に投入されたと見られ*2、生産とパイロットの訓練を含めて数ヶ月で済ませており、
戦闘においても月軌道上でNSG-XM*3を相手に優勢を保っていたことからも素性の良さがうかがえ、総じて量産機に必要な要素を兼ね備えた次世代機の名に恥じないFAとなっている。その後戦った相手が悪すぎたのはまた別の話であろう。

設定上は欠点らしい欠点のない優良機体と言えるが、推進機の数を減らし総重量も増加している関係上、実際に動かした場合の機動特性や操縦応答性はバーゼラルドからかなり変化しているものと推測されるほか、
また構造上脚部に動力系・推進系の重要なパーツが集中しているため、足がもげると大幅に弱体化する懸念がある。
しかし正面に限ればスラストアーマーの装甲があり、フレームについても元来強度を求められる部位であるためそう簡単には破壊できないものと思われる。
重量と強度のある足でのブースト蹴りはさぞ強力だろうと妄想するファンもおり、いずれにせよ間違いなくこいつの足は飾りではない。



◇武装
  • IR-M13SG
カトラスのIR-P13を東アジア防衛機構が再設計したレールガン
オリジナルよりも射程を重視した調整が施されている。

  • スラッシュシールド
大きめの手持ち盾。
滑らかな曲面で敵弾を弾く・逸らすことを意識しているとされる。
後述のレイダオの胴体部装甲を転用したもの。
機関砲を内蔵しているが、向きの関係でジィダオではほとんど使われないらしい。

  • スラストアーマーtype-V
ジィダオでは脚部に設置される推進機内蔵の増加装甲。
バーゼラルドのもの同様電気推進式で見た目より軽く、被弾による誘爆の危険も低い。

バーゼラルドでは全身に推進機を配置していたがそれは即ち「装甲に穴が多い」ということであり装甲材の問題を抜きにしても脆弱な部位が多かったということである。
これに対し、JX-25シリーズでは推力の多くをスラストアーマーtype-Vに集約することで装甲の開口部を減らし、防御力と機動性を両立する形を取っており、総重量が増加し推進機は減ったにもかかわらず、機動性は据え置きで維持されている…このような背景からも強力な推進ユニットであることがうかがえる。
ただしその分消費も大きいようで、後述のレイダオではジェネレーター・セルからの動力供給がないため(最大推力での)稼働時間が短いとされる。
元々は脚部に固定されていたが東アジア防衛機構の都合でモジュール化され、移設・増設が容易になった。
装甲強度についてははっきりしていないが、重要なパーツが集中する脚部を守っていることや本来固定式だったことを鑑みてもそれなり以上の防御力を持っているものと推測される。

  • ジェネレーター・セル
ジィダオの脚部に搭載された高性能の電源装置。脹脛の丸いパーツと思われがちだが、側面の楕円形のパーツも含むらしい。
装甲と推進力を強化するにあたり機体の出力を高めるために増設されたもので、スラストアーマーtype-Vの主動力源でもある。これがない場合、ピーク推力・活動時間・航続距離ともに相当に制限されるとのこと。
名前が「ジェネレーター(発電機)」なのに解説では「バッテリーユニット」とされており、どちらなのかはっきりしていない。
それ故かファンの間でも
  • CC年代の電力源ならUEユニットが一般的なはずだが当時の防衛機構はT結晶の供給源を持っていないため、T結晶の消費を抑えるためにバッテリーにした可能性
  • ピーク出力を高めるためのキャパシタのような機能を内包する制御装置であり、航続距離の延長はパワー消費の効率化によってもたらされるのではないか
  • そもそもバッテリーという表現自体が単に「外装式の電源」という意味で、深い意味は無いのでは
等々、色々な解釈がなされている。
またヤクトファルクスのSSでは敵の目前でパージした後にライフルで撃ち抜いて爆発させ目眩ましにするといった描写があり、被弾時には危険が伴う模様。*4


◇キット
2016年10月発売。定価4200円。デザイナーは輝鎚も手掛けた稲葉コウ氏。

レイダオ共々、フレームアーキテクト リニューアルVer.が導入された初のキット。
成形色は量産機らしいモスグリーン&赤。
ほぼ色分けされており、センサーの赤やスラストアーマーの内側、各部の帯状マーキングなどごく細かい部分が足りない程度。
可動性はそこそこで、肩アーマーの形の関係上肘が正面に曲がらなかったり、足が後ろに振れないなど少々癖がある。
レイダオとは付属品が異なり、レイダオの腕部レーザー砲部品が付属しないためレイダオのようには組み立てられない。
コトブキヤ直営ではレイダオと共通の初回特典として、レイダオのフレームカラーのハンドパーツとライフルが付属した。
…あれ?これジィダオ買う必要無いんじゃ…レイダオを二個買いする者もおり血の涙を流したとかなんとか。




JX-25T レイダオ


ジィダオをベースに腕部一体型の大型レーザー砲を搭載した派生機体。用途としては火力支援機となる。
元々東アジア防衛機構は艦載用レーザー砲を生産しており、対TCS兵器としてFAが携行できるサイズを目標に小型化を試みていた。
フレズヴェルク=ルフス鹵獲による技術革新でどうにか試作兵装「ACS-14」が完成したが動力の確保に難儀していたところへ、オリジナル・カトラスの製造依頼が舞い込む。
彼らはオリジナル・カトラスのジェネレーター・セルに目を付け、その動力をレーザー砲に割り振ることで実用化に成功。
航続距離と稼働時間を犠牲にしたものの、殆どのパーツと製造ラインをジィダオと共用できたことからあっさり制式採用に至った。

先述の東アジア防衛機構による改設計要求(パーツの細分化・モジュール化)はそもそもこのレイダオを作るために行われたとされ、OEM生産の依頼は東アジア防衛機構にとってまさに渡りに船だったと言えるかもしれない。
上層部のロマンを振り切った防衛機構技術陣だったが、そこに待っていたのは東アジア防衛機構のロマンだった…


◇武装
  • ACS-14GP
腕部に内蔵された大型レーザー砲。ACS-14の制式版。
同様のレーザー兵器としては過去に試作された「X-YN8イオンレーザーキャノン」などがあるが、ACS-14はそれらとは異なり電源を内蔵していなかった。それにジェネレーター・セルを一体化…というより、ジィダオの足にACS-14のほうを組み込む形で完成を見たと言うべきか。
速射性や射角などの制限は大きいものの、TCSを強引に突破しうる破壊力を誇る。
…はずなのだが、Z0シリーズの戦闘描写を見るに少々怪しいところがある*5
レイダオの開発時点において防衛機構が確認していたTCSバリア搭載機はXシリーズのみであるため、あくまで「XシリーズのTCSを貫く」ことを基準に開発されていて、Z0シリーズのTCSがより強化されていたと考えるのが自然と思われる。

  • バーストショットカノン
胸部に設置された機関砲。接近された際の対処に使用する。
下を向いているのはACS-14GPの死角をカバーするためだとのこと。


◇キット
2016年10月発売。定価4200円。

設定通りと言うべきか、殆どのランナーがジィダオと共通となる。成形色は装甲がグレー&赤、フレームが白。
前腕と脛を入れ換えた異形のプロポーションが特徴的。

結構なハイヒールになっているが、つま先とカカトが離れているため自立性は意外と高い*6
手持ち武器とハンドパーツが付属せず、かわりにレーザー砲のパーツが追加されている。また頭部の角など細かい部分が異なっており、色違いのジィダオを作ることはできない。
ただし先述のコトブキヤ限定初回特典を利用することで殆どジィダオのように組み立てることが出来た。レイダオを2個買いしてすまない…




JX-25F/S ジィダオ特務部隊仕様


ジィダオにおいて「特務部隊仕様」と言うと、戦争後期に地上の残存兵力掃討を任務とする「特務部隊」に運用されていた同機体群の事を指す。
量産されたJX-25群はその大半が月面プラント攻略戦に投入されたが、その間一時的に手薄となる地上の防衛を賄う為にこの特務部隊が結成され、少数が配備された。

部隊内の機体は外観・型番こそF型と変わらないものの、通常の機体と比較して1.5倍の機動力を有しているほか、高機動戦闘を得意とするエースパイロットに向けた「S型*7」も存在する。
このS型はセンサーシステムと演算能力を強化する専用の頭部・胸部モジュールを搭載しており(その代り防御力は通常タイプより劣る)、更に肩に増設されたエクステンドブースターの発展機「EXB-VIC」によって、機動性のみならず運動性の強化もされている。
更に兵装も状況によってはより高火力の物が提供されるなど、兵站面でも優遇されていた。

これらの改修は一機体の戦闘能力を高めることで限られた防衛機構サイドの戦力を補う意図があり、それら少数精鋭による部隊で敵機を排除するという「攻撃は最大の防御」を体現したアグレッシヴなプランが実行される事となった*8
実際このプランは機体運用に宛がわれた熟練の空戦FA乗りたちの活躍もあって、地上での防衛基盤をより強固にすることに成功している。
更に戦争終結後も多くの機体が残存していた為、 技術復興連盟 (G.A.F(ガフ))と R.V.L.T の双方で運用される事にもなった。ガフの運用する本機は、制御を離れたヤクトファルクスの鹵獲、ないしは破壊の任務に就いていた様子である。


◇武装
  • BDP-17LL
輝鎚・乙の「叢雲」を小型化することを目標に開発されたランチャーユニット。
大口径のATCS弾の射出を可能とし威力、射程ともに高水準だが、取り回しの悪さも叢雲譲りで量産化には至らなかった。
特務部隊に回された物は先端部に小型のベリルウェポン「ベリルエッジ」を取り付ける改修が施され、砲身の伸長ギミックを利用して槍のように用いる事が可能になっている。


◇キット
2020年1月発売。定価5400円。
フリーランスのモデラー楠井一氏が製作したジィダオ強化用のガレージキット「シュンダオ」を公式に立体化したもの。

成型色はグレーとホワイト。アーキテクトは未組立。
ジィダオから頭部、胸部デザインが変更され、新規武装と肩ブースターを追加。膝部分にも装甲が追加されアーキテクトの露出が減った。
また肩装甲がデザインそのままにパーツ構造を変更、装甲部分単体でロール回転が出来るように。これによって通常ジィダオ/レイダオから外転範囲が改善されている。
クリアパーツもグリーンと無色透明両方が付属する等、カラーリングと合わせ全体的にモデラー向けのキットとなっている。
ジィダオのパーツも全て入っている為、グレーカラーのジィダオにも出来る。

コトブキヤショップ購入特典はBDP-17LLの基部ユニット。




JX-25E ジェンタオ


T型(レイダオ)を長距離狙撃仕様として改修した機体。
ガフとリベルタの武力衝突が本格化した際、ガフが初期の対リベルタ戦に投入した。

リベルタの襲撃に備えての哨戒任務のために大掛かりな長距離レーダーシステムを搭載して索敵機能を充実させたほかACS-14GPにも調整を加え、早期発見とアウトレンジによる迎撃を可能にした。
しかし元々機動性に難のあるレイダオに追加装備を施しているため、接近戦は不得手。
近接防御用のバーストショットカノンも標準装備から外されており、搭乗者には遠距離で確実に敵を仕留める狙撃戦の腕前が要求される。

これらの仕様は「レイダオの本来の姿」と言うべき、東アジア防衛機構がレイダオを提案した当初の仕様に近いものとなる。
元々レイダオはACS-14GPを用いた敵拠点(≒月面プラント建造物)への直接攻撃をも視野に入れた長距離狙撃機体…いわば全領域用輝鎚・乙として設計されたが、主に防衛機構側の意向で高価な長距離レーダーシステムを取り除き生産性を優先したT型が制式化された、というのが実態だった。

後にガフによって「ジェンタオ」として制式配備された機体は月面プラント攻略戦後に残存していたレイダオを、残された試作パーツで補修・改造したものとされている。

ショートストーリーではレイ・ハンの手によって一体がリベルタに横流しされ、下記のジィダオ EA仕様のサージショックドライバの原形になったと推測される。またその過程で水没による機能不全を起こしており、JXシリーズが宇宙・地上両対応といってもそのままの状態で水中戦にまでは対応していない模様。拠点防衛用と考えれば環境対応能力は必要ないので自然な話ではあるが…


◇武装
  • ACS-14GP
レイダオと共通のものだが、リベルタが配備している機体が主にTCS非搭載機であることを意識してか、一射あたりの威力よりも速射性と射撃回数を重視した調整が施されている。

  • VBL-96LS
両肩のパルス送信機、胸部のパルス受信機+補助CPU、頭部の強化FCSからなる索敵システム(キット取説では肩のユニットがVBL-96LS、胸部と頭部はボディユニットと表記)。
それぞれ単体では機能しないものの、組み合わせることで遠距離から敵機体の探知・識別、精密射撃、広域地形探査まで可能にする性能を持つ。

  • ETS-07PB
上記のVBL-96LSの胸部受信機を流用した手持ち式レーダーユニット。原型と異なり単体で機能する。
他の機種が哨戒任務に就く際に携行するためのもので、ジェンタオが使う必要は無い(というか持てない)。また原型をとどめているのは外装だけらしく、内部はかなり変化しているとのこと。
ポッド部とセンサー部は分離でき、機体に組み込んで手を塞がないようにすることもできる。
サイズの関係上、VBL-96LSに比べて性能は限定されるものと思われる。


◇キット
2018年8月発売。定価5400円。コトブキヤショップ限定品。

レイダオ+追加ランナーで箱のサイズは倍以上になる。
上半身のゴテゴテっぷりが凄まじく、レイダオより一層トップヘビーな姿に。肩や腰にかかる負荷も相応に高いため関節強化が推奨される。
成型色はパープル、ダークイエローにオレンジとホワイトの4色。アーキテクトはダークイエロー成形。
追加パーツや胸部ポッドなどのフィン先端、センサーパーツのレンズ部分は色分けされていないため、気になるなら部分塗装が必要。
レイダオにはついていなかったハンドパーツが付属するのは嬉しい変更点と言える。
公式ブログでもアナウンスされていたとおり、ETS-07PBは分解してセンサー部をアーキテクトの頭部として設置することができる。




JX-25F/RC ジィダオEA仕様


リベルタの手で改造されたジィダオ。名前の「EA」は「Electronic Attack」、型番の「RC」は「R.V.L.T Custom」の略だと推測される。
もとより反体制側のリベルタだったが、本格的に活動を開始するにあたりあらゆる手段で地上のFAパーツをかき集め、戦力強化を図っていた。
特に大戦末期の主力量産FAであるJX-25シリーズは廃棄されたジャンクパーツを含め残存数が多く、それなりの数のジィダオ/レイダオが継ぎ接ぎ状態ながら稼働に至っていたとされる。
そうしたリベルタのFA群の中でも、特に純正の状態に近いのがこの「EA仕様」と呼ばれるバージョンで、ジィダオを電子戦用にカスタマイズした仕様となる。
電子戦用と呼ばれるFAは「漸雷EM仕様」やレヴァナントアイなど従来から存在しているが、主に警戒管制やECM/ECCMの提供を目的としたそれらの機体群とはEMP兵器による電子攻撃を主体としている点で趣を異にする。
こうした仕様になった理由としては、リベルタが戦力を増強するにあたって各地に残存していた「 はぐれFA 」や敵機体を可能な限り無傷で捕獲するという目論見があった模様。

フルスペック状態の本機と通常のジィダオとの相違点としては、指揮官用*9頭部ユニットや肩に増設された「サージショックドライバ」などが挙げられるが、これらの装備はJX-25シリーズのオプションとして戦中に採用されていたものや、開発時に試作で終わった純正装備を流用・改造している。さらに内装系やソフトウェアにも手を加えられており*10、その性能は原型機と同等以上とされる。


◇武装
  • MWC-18PR
手持ち式のコジマライフル指向性エネルギー兵器。強力な電磁パルスを照射し、対象の電子機器をダウンさせる。
効果を発揮させるためには一定時間敵を照準に捉え続ける必要があり、実用性が疑問視されてお蔵入りしていたが、後にリベルタが入手し多少の改造を施して実戦投入した。
球体の砲身部を機体に直付けしても使用可能。

  • サージショックドライバ
両肩に据え付けられた大型のEMP兵器。
試作型レイダオ(後のジェンタオ)のレーダーシステム「VBL-96LS」のパルス送信機を改造したものと思われる。*11
ごく短い時間の照射で有効範囲内の機体を停止させることができ、上記のMWC-18PRに比べ射程・範囲も広い。
かなり重量がかさむほか、範囲内であれば無差別に効果を発揮してしまうため使い勝手は悪いらしい。


◇キット
2018年8月発売。定価5400円。追加部分のデザインは引き続き稲葉コウ氏によるもの。

頭部と肩が変わり武装が追加されたくらいで、基本的にはジィダオと共通。ライフルとシールドもある。
ただし元の頭部パーツがなく、グレーのジィダオにはできないので注意(肩アーマーはあるので頭以外は元の状態に戻せるが)。
ジェンタオと違い肩アーマー変更の恩恵が大きく、干渉がなくなったことで肩と肘の可動域が改善されている。
成型色はライトグレー、ダークグレー、ブラウン、ホワイト、イエローに、頭部センサーのクリアレッド。アーキテクトはダークグレー成形。
サージショックドライバの黄色やMWC-18RPの球体部分など細かいながら色の足りない部分は多め。
MWC-18RPの球体部分は取り外して頭部に据え付けることができ、その見た目はこれとかこれとかを思い出させる。
ただしジィダオの頭部パーツの下半分と合体させる形になるため、球体部分だけではフレームと接続することができない。




XFA-CnB ベルクフリンカー


リベルタ騒乱の後期に確認された所属不明のFA。
オスティナート(頑固者)」なる人物が駆りガフの関連施設を叩いて回るその機体は、リベルタから「ベルクフリンカー(捷い山)」と呼ばれていた。

ベース機体はなんと廃棄処分されたはずのO・カトラスであり、運用するにあたって長距離移動能力と高火力を両立するべく改修が施されている*12
メイン兵装にはジェネレーターセルを流用できる点からACS-14GPを採用、更に肩部には機関砲とウェポンラックを備えるエクステンドブースター「EXB-VSP」を追加し、巡航形態への変形機構が盛り込まれたことで航続距離の大幅な増加にも成功。
その結果、かつてのO・カトラスはレイダオの派生機とでもいうべき機体へと変化した(全体的な仕様からは「ガンダム00V」のガンダムスローネアイントゥルブレンツに近い印象を受ける)。

その正体は、ガフを脱走したオスティナートこと トルース・ロックヘッド が、レイファルクスの奪還を目指し独自に構築した機体である。
特定の組織を後ろ盾に持たないにも拘らず単機で高い戦闘能力を発揮できるに至ったベルクフリンカーであるが、その為のパーツ類は殆どがトルースが個人で所有する資材やコネを用いて集められたもの。
バルチャーと言う 前例 を顧みても、相応の環境、用意があれば個人で機動兵器一つをでっちあげるのはこの世界においてはそれほど困難な事でもないらしい。
またガフ脱走の際に接触したはぐれFAを仲介する バウンティハンターの一人 のバックアップもあったようだ。

リベルタは標的を同じくするという事でオスティナートとの接触を図っており、やがて両者は共闘関係を結ぶこととなる。


◇武装
  • BS-R/L07
配置上巡航形態では使用できないというACS-14GPの運用上の欠点をカバーする為に搭載されている射撃型のベリルウェポンで、EXB-VSP翼下に懸架することで巡航形態での使用が可能となっている。
元々はヤクトファルクスのBS-R/L40、十四式戦術駆逐刀と同様にアーセナルアームズの試作品(厳密には競作関係)の一つで、本来は銃身下部にベリルエッジを搭載した遠近双方に対応可能な手持ち武器として運用される予定だった*13

  • 巡航形態
背面に装備したシールドを展開、手足を折りたたみ主翼の配置を変更し機体を水平に倒した、長距離航行の効率を高めるための形態。
資材が限られていたのもあって単純な変形シークエンスが採用されている……というよりもベルクフリンカーという機体自体が、この形態を基幹として構築されている側面がある。


◇キット
2021年2月発売。定価6000円。
ジィダオ特務部隊仕様同様、こちらも楠井氏のガレージキットが元ネタ(ガレキ時点での名称は「ツェンダオ」)。

成型色は赤、黒、赤灰色、白。
形状を変更した頭部、胴体前面と前後に大きく伸びる肩部のウィングもあって、レイダオ系列の中でも特にスタイリッシュな外見。それに伴いスラストアーマーがスネ側面に移動しており、末端が肥大化した事でどことなく力強さも感じさせる。
デザイン上重心が後ろに寄りがち、それでいて巡航形態時には前方に強烈なモーメントがかかる為、腰部ジョイントは専用設計の物を使用し捻り以外の可動を殺すことで上半身が傾く事を防いでいる。
従来の可動域にできるタイプのジョイントも付属する為お好みで選びたい。
更に膝関節はピンが無くなった物で、足をまっすぐ伸ばす事が可能になった。
変形機構は所謂寝そべり変形だが、機首に見立てたシールドもあって後付けにも拘らず見た目のまとまりはいい。でも下から仰ぎ見るのは勘弁な
ベリルエッジとアイセンサーのクリアパーツはグリーンと無色の物が付属。

ランナー配置の都合上、本体とシールドを繋ぐジョイントアームが余剰扱いでもう一つ作れる。他の余剰パーツも全体的においしいものが多く、パーツ取りとしても優秀。
欠点は肩装甲が特務ジィダオで採用された可動域の拡大したタイプではなく古いバージョンである事か。

特筆すべきは、今まで作例のみの存在であったO・カトラスをベルクフリンカーとの選択式で組める点。
作例時点ではあくまで非公式扱いだったのだが、やはり立体化を望む要望は多かったらしく公式に踏み切ったとの事。
ただし後々から組み替えようとすると結構バラさなくてはいけない点には注意。また作例時点で装備していたピッケルアックスも付属しない。

コトブキヤショップ購入特典は追加のBS-R/L07ランナー二枚。前述の余剰パーツは殆どがこれに集約されている為ますますおいしい。




余談

  • 各機体の命名法則はバーゼラルド系から引き続き刀剣・刃物の名称から。
    ジィダオは「直刀」ないし「戟刀」(某無双ゲーで三国最強が振り回しているアレ)、レイダオは「雷刀」の中国語読みとなるが、こちらは伝承・実在共に確認できず。レーザーの中国語訳である「雷射」に由来しているとの説もある。ジェンタオは恐らく「はさみ」を意味する中国語「剪刀」か。なんか格落ちしてね?

  • ジィダオはヴァイスハイトに、レイダオはコボルドに酷似した構造を持ち、加えて「パーツの配置変更で複数機種を産み出せる」という特性そのものが従来の防衛機構のFAよりもむしろNSGシリーズに類似している…というかレイダオ実現のために実際に参考にして開発されている。


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最終更新:2024年03月07日 13:12

*1 ワイバーンの取説ではジィダオについて「追加生産には最低数週間を要する」という旨の記述があるほか、後述の通り終戦後には大量の廃棄パーツが存在するとのこと

*2 「JX-25F/S ジィダオ特務部隊仕様」の取説における記述

*3 TCS搭載の量産型フレズヴェルク

*4 「通常は安全装置が働くため爆発することはないが、目眩ましにするために安全装置をカットした上で撃ち抜いた」などの仮説もあるが

*5 マガツキ・崩天がワンオフ魔改造武器であるブリューナクランチャーの直撃に耐えて反撃しており、高火力とはいえ量産品のACS-14GPに耐えられないとは考えにくい

*6 接地性の高さは単純な接地面積ではなく、接地点が画く多角形の面積で決まる為

*7 現場の人間は「シュンダオ」と呼んでいた

*8 とりわけNSG-X系列機を相手にする事を強く意識していた

*9 すべての性能に於いて1ランク上の性能を持つとされる

*10 例としてジェネレーターセルとスラストアーマーtype-Vには、サージショックドライバの重量増加に対応すべく出力の強化や姿勢制御用のアビオニクス更新が施されている

*11 現実にもフェーズドアレイレーダーを使って電子機器に障害を与えるEMP兵器は研究されている

*12 発見当時O・カトラスは頭部、胴体のみのダルマ状態であったが、互換性のあるJX-25機は騒乱の最中でも相当数が稼働していた為改修は容易だった様子

*13 搭載にあたり改修が行われており、手持ち式だったものがハードポイントに直付けされ、ベリルエッジも取り外されているので格闘には使用できなくなっている