12モンキーズ(映画)

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12モンキーズ(映画) - (2024/02/04 (日) 11:37:32) のソース

&font(#6495ED){登録日}:2014/12/05 (金) 22:55:54
&font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
&font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます

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#center(){
&bold(){&color(#32cd32){“1997年 50億の人間が死のウィルスにより死滅するだろう”}}
&bold(){&color(#32cd32){“生き残った者は地上の暮らしを捨てて地下にもぐる”}}
&bold(){&color(#32cd32){“地球は再び動物の支配する惑星となる”}}
}

#right(){――ある精神分裂病患者の問診記録より
1990年4月12日 ボルティモア郡病院}






『12モンキーズ』(原題:Twelve Monkeys)は1996年に公開された[[米>アメリカ合衆国]]映画。
監督はコメディ集団モンティ・パイソンの元メンバーで、『未来世紀ブラジル』、『Dr.パルナサスの鏡』等、独特の皮肉に満ちたストーリー展開と前衛的なセットで魅せてきた鬼才テリー・ギリアム。

ポスターやタイトルロゴの「おどろおどろしい猿のイラスト」から、サスペンスやホラー展開を連想しがちだが、本作のジャンルは「&bold(){SF}」で、「&bold(){[[タイムトラベル]]}」をテーマとしている。
とはいえ、『[[バック・トゥ・ザ・フューチャー]]』のような活劇ものではなく、人類の大量死滅を賭けたサスペンス要素が強く、またタイムパラドックスを考慮に入れ綿密に入り組まれた時系列により重厚な物語を作り上げている。((登場するタイムマシン、というより時間転移装置も見た目ビニールシートな無骨なものである))
しかし、あまりにも[[伏線]]が多すぎ&綿密すぎるため、一度見ただけでは理解するのは難しい。是非二度の鑑賞をお勧めする。

キャストに関しては、当時のアクション俳優ブルース・ウィリスと若手俳優のブラッド・ピットのダブル主演として売り出された。
特に『[[セブン>セブン(映画)]]』で美形俳優として売り出し始めたブラッド・ピットが、今作ではそのイメージを覆すほどの体当たり演技を見せ、話題となった。

フランスの短編映画『ラ・ジュテ』にインスパイアされており、設定は大幅に変更されているが様々な面を下敷きに製作されている。



【物語】
1997年の始め、突如として出現した未知のウィルスにより人類の9割強が死滅し、人類は薄汚い地下へと追いやられた……。
そして2035年、ひとりの終身刑囚が科学者達に呼び出された。名前はジェームズ・コール。
コールに課せられたのは、ウィルスの拡散する直前である1996年に時間移動し、ワクチン製造のためにウィルスの起源を探り当てること。
その鍵を握るのは、「&ruby(我々がやった){WE DID IT}」というサインを記した「12モンキーズ」なる存在―――。
だが、コールが飛ばされたのは目的年代のさらに過去である1990年。
おまけにコールの訴えはまともに聞き入れてもらえず、精神病棟へと送られてしまう。
2035年に戻った彼は、今度こそ成功させるために、今一度1996年へと飛ぶ。
しかし、彼に待ち受けていたのは信じがたい真相。そして皮肉かつ無常な運命―――。




【登場人物】

◆ジェームズ・コール
演:ブルース・ウィリス
2035年の終身刑囚。
みんな大好き[[世界一運のないハゲ刑事>ダイ・ハード(映画)]]ではない。
強靭な肉体と精神を認められ、減刑を条件にウィルスの源流探しのための[[タイムスリップ]]の任務を与えられる。
しかし辿り着いた1990年ではいかに主張しても精神異常者扱いされる一方で、おまけに世間一般的な犯罪ばかり犯すものだからお尋ね者となり、さらに自らの行いが知らずに世界の命運を左右していたと知り、精神を病んでいく。
そんな中、子供の頃空港で目撃した銃撃事件で現われた女性に似ているキャサリンと行動を共にするうちに、彼女に惹かれていくが……。

◆キャサリン・ライリー
演:マデリーン・ストウ
ボルティモア群病院の精神科医。
1990年、精神異常(とされている)で収監されたコールの主治医となるが、当初の彼女は彼の言い分をまともに聞かなかった。
1996年、再び現れたコールに無理矢理同行させられ、フィラデルフィアへの同行を強要されるうちに、彼のウィルスを探る任務に付き合わされる羽目になる。
やがて、1917年のフランスの大戦時の写真に写ったものから、彼の言うことを信じるようになり……。

◆ジェフリー・ゴインズ
演:ブラッド・ピット
1990年、ボルティモア病院の精神病棟に入院していた患者。
エキセントリックな言動で暴れ回り、他の患者に迷惑をかけ医者からも札付きの問題児として扱われていた生粋の狂人。
細菌化学の権威である科学者を父に持つが、1996年以前に父に反発し動物愛護の過激団体「12モンキーズ」を結成した。
しかし1996年は態度を一変させ、父と共に細菌研究に勤しんでいる。その内心、ある過激な行動に出るべく暗躍を開始する。
その理由は精神病棟で知り合ったある男の言葉にあった……。

◆ゴインズ博士
演:クリストファー・プラマー
ジェフリー・ゴインズの父にして、ノーベル賞も受賞した細菌化学者。
息子の真意に気づかず、彼を誇りに思っている。色んな意味で息子に向き合っていない残念な父親。

◆ピータース博士
演:デイヴィッド・モース
ゴインズ博士の助手。
細菌の管理を担当する。挙動不審なコールやキャサリンの行動に興味を持つが……。

◆ホセ
演:ジョン・セダ
2035年、コールの隣の房に収監されている囚人。
コールに幾度も忠告する。
一度目は任務に呼び出される前、二度目はタイムスリップ先の1917年の戦場、そして三度目は……。

◆科学者集団
ウィルスの源流を突き止めるためにコールを指名し、過去へと送った六人組の科学者たち。
任務遂行のためには彼を酷使することを厭わない。
1996年にコールを送るはずが行きついた先は1990年だったり1917年だったり、よくわからないタイミングで2035年に戻したり、あまつさえ自分たちの非は認めずコールに向かってなじる言葉を浴びせかけたり、かと思えば褒めたたえたり……と好き勝手な連中。
しまいには精神を病み始めたコールから疑惑の目を向けられるが……。

◆謎の声
タイムスリップしたコールだけに聞こえる謎めいた男の声。
コールを「ボブ」と呼び、彼の任務に対する疑惑を植え付け、混乱させる。




【1997年に発生したパンデミックを解き明かすヒント】
○「12モンキーズ」のサイン
路地で発見された「12モンキーズ」の貼紙、そして「我々がやった」の文字。
さらに「ここからウィルスが? 50億人が死ぬ?」という落書きまで残されていた……。
それらが発見されたのはフィラデルフィアにある動物愛護団体「12モンキーズ」のアジト付近。

○録音された電話
かろうじて復元された留守番電話に女の声で「動物愛護協会の事務局が12モンキーズの秘密本部…ことを決行するのは奴らです…私はもう限界…さようなら…メリー・クリスマス!」と録音されていた。
犯行予告? 事前に知らされたもの?

○1990年に精神病棟に送られたジェームズ・コール
コールはそこで唯一会話をした(というより馴れ馴れしく絡まれた)のはジェフリー・ゴインズ。
彼はゴインズにウィルスで世界が滅びる話をした。そして1996年、再会した時……。

○コールの夢
タイムスリップの前後、コールは子供時代の夢を見る。
舞台はフィラデルフィア空港の搭乗口。
トランクを抱える男を追いかける一人の長髪の男。それを警察が銃撃し男は倒れる。倒れた男に駆け寄る女。
その女の顔は、キャサリンに似ていた。

○1917年、フランスの第一次世界大戦
[[戦争]]中、負傷した一人の兵士が、流ちょうな英語でこれから起こる災害を予見するような言葉を口走り、その後忽然と消えた。
キャサリンが研究していた「カサンドラ現象」の一つだが、その写真の中に……。

○歯の中の通信機
コールに語りかける謎の声は、科学者達が彼を監視するために歯に盗聴器を埋め込んだと吹聴。
錯乱しつつあるコールは、二度目の1996年で歯を抜く。
しかしそれを見たホセは……。

○ヒッチコック映画
コールとキャサリンが見ていた「めまい」は、[[自殺]]した恋人に似た女に翻弄される男の物語。







#center(){
&bold(){&color(#ff0000){WE DID TSUIKI SHUSEI}}
}

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- 最後はあの女科学者がウィルスを未来まで持ち帰ってワクチンを作るけどウィルス拡散は止められないってことか?  -- 名無しさん  (2014-12-06 12:16:02)
- ラストまでズンドコベロンチョみたいな話だと思ってた  -- 名無しさん  (2014-12-13 17:52:56)
- 大好き。  -- 名無しさん  (2016-09-02 20:01:55)
- 個人的に変なところでトラウマになってる映画だ。コールが過去に送られるシーンで変なチューブに入れられてタイムトラベルするシーンが俺の閉所恐怖症の起源。  -- 名無しさん  (2017-04-30 02:04:23)
- 虚実入り乱れた展開はギリアム映画の特徴だけど、本作はそれをメインで取り上げた作品だな。 正気と狂気の境目は結局のところ第三者どころか本人にすら判別不可能。 その混沌ぶりを主人公たちのヒステリックな行動を交えてわかりやすく描写してる。  -- 名無しさん  (2017-05-13 02:02:56)
- ↑5 世界自体は救われたんだと思う。だからこそコール(ブルース)の死と女先生との別れが哀しい。  -- 名無しさん  (2020-04-30 13:53:59)
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