ユーロファイター タイフーン

登録日:2012/04/04(水) 19:26:25
更新日:2024/02/06 Tue 22:59:08
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(画像拾えず)
ヨーロッパでの共同開発による戦闘機。

1970年代に、イギリス、フランス当時の西ドイツ、イタリア、スペインによる次世代戦闘機開発計画「ECA計画」により開発された。(ラファールの項目も参照)

85年にフランスが計画から脱退したものの、翌年に残りの四ヶ国によりユーロファイター社が設立され、冷戦終結による各国の防衛費の削減や東西ドイツの併合など、様々な理由による開発の遅れが出たものの、92年に2000年の就役を目指してEF-2000の名が決まり、94年には試作機が初飛行。
98年には輸出用の愛称が「タイフーン」に決定した。

■主要諸元
  • 全長:15.96b
  • 全幅:10.95b(翼端ポッドを含む)
  • 全高:5.28b
  • 空虚重量:11000s
  • 最大離陸重量:23500s
  • 最高速度:マッハ2.0
  • 実用上昇限度:16765b以上

■武装
  • マウザーBK27 27o口径機関砲(固定武装)
ラファールのものと同じリボルバーカノン方式の機関砲。

  • 短射程空対空ミサイル(AAM)
共同開発機らしく、欧米の多種多様なものが搭載可能。
アメリカ製AIM-9サイドワインダー、英国製ASRAAM、ドイツ製IRIS-T

  • 中射程空対空ミサイル
アメリカ製AIM-120AMRAAM、欧州共同開発のミーティア

  • 空対地ミサイル(AGM)
アメリカ製AGM-65マベリック、プライムストーン

  • 空対艦ミサイル(ASM)
アメリカ製AGM-84ハープーン、ペンギン

  • 対レーダーミサイル
アメリカ製AGM-88 HARM、イギリス製ALARM

  • 誘導爆弾
ペイブウェイ、JDAMなど

■特徴
カナードとデルタ翼を組み合わせたタイプで、小型な割りに搭載量は多い。そのため一回の出撃で複数の任務をこなせる「スウィングロール」機である。
スーパークルーズ(超音速巡航)も可能な、強力な共同開発エンジンを搭載し、機動性も高い。ユーロファイター社では本機を「空中戦ではF-22の次に強い」と宣伝するほど。
ステルス性に関しても、根っからのステルス機ではないにしろレーダー波吸収素材の使用などにより従来の機体よりは高い。
ただ、弱点としてレーダーがやや旧式なのが挙げられる。また機首付近に設置されたカナードにより、レーダー関係の改装がしにくいという。
また、国際共同開発なので具体的にどこの国が中心になって作られたのか分かりづらかったり、部品が国によって違うため実際の性能はそれまでのカナード翼付の機体より見劣りする。事実2014年にドイツ空軍所属機でBAEによる製造ミスによる欠陥が発覚し年間飛行時間が半減され導入が遅延される問題も起こっており、オーストリアに至ってはトランシェ2を導入する計画が発端で政権交代が実現するも、違約金の関係で結局トランシェ1を導入せざるを得なくなった不幸な事例も…

なおAESAレーダーなどの装備を目標としたトランシェ3Bに関しては、開発開始から12年経った2021年現在ですら未だ未完成であり、その間にドイツでは(もともと稼働率が悪く、欠陥問題で老朽化した)トランシェ1を置き換える為のトランシェ4のを2025年度より引き渡す形で同意すると言うなんともな情勢になっている。

■日本
日本ではF-Xの選定候補にF/A-18E/FやF-35A・そしてこのタイフーンといった機体が最終選考まで候補に残っており、副社長などの幹部が幾度も来日、条件も日本独自のアビオニクスや兵装
搭載可能にする改良の承認や他国で認められなかったライセンス生産を認めるなど他機種に対し好条件を提示していたものの、選考時にトランシェ3の開発が遅延しており先行きが不透明
また独自改良はF-1のアドーア同様に情報開示を要求するなどの条件を提示したため最終的に脱落してしまった。

選定機となったF-35Aは老朽化したF-4の後継として40機程度の導入を予定したが、後に改修が施されないF-15J/DJの後継機として選定されたため受注数が大幅に増加、更にはいずも型護衛艦に艦載可能なF-35Bの発注などもありユニットコストが下落、選定後に数少ない国際整備拠点にアメリカ以外に日本に設けることや国内企業生産部品の採用などの好条件が決定したので、
当初タイフーンの強みであった価格差などがどの程度優位に働けたかは非常に怪しい。
勿論日米間で選定された場合にこれらの条件提示があったから選定された可能性はあるが……

なおF-Xでは敗れたもののF-2の後継機候補としてタイフーンをベースにしたものを提示している。まぁまた情報開示を要求して脱落しそうだけど…案の定やっぱり駄目でした()まぁ国産にしたってうまくいくとは限らないけど
……なんて言っていたらF-2とタイフーンの後継を日英共同で開発しましょうという話が出てきた。どうなることやら。

ちなみにこれまで2回ほど実機が来日している。
1回目は2016年10月にイギリス空軍の機体が4機、青森県の三沢基地に派遣され、F-15やF-2と共同で訓練を行った。
2回目は2022年9月にドイツ空軍の機体が3機、茨城県の百里基地を来訪し、F-2と編隊航法訓練を行った。
この時は来訪機のうち1機が特別塗装機だったり、ドイツ空軍総監のインゴ・ゲルハルツ中将が自ら操縦してやってきたり*1と、特別尽くしであった。


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最終更新:2024年02月06日 22:59

*1 これに答えて井筒航空幕僚長がF-2Bに乗り込み、中将を空中で出迎えている