イレブンソウル(漫画)

登録日:2011/03/31(木) 19:03:11
更新日:2023/06/27 Tue 19:15:56
所要時間:約 6 分で読めます






日 本 軍 再 編。


その年、アメリカ合衆国が世界地図から消えた。
世界は暴力でしか護れない。



イレブンソウルとは、月刊コミックブレイドで連載していた漫画。全十五巻
タイトルの由来は十・一・心の感じを組み合わせると「志」になる事から。
また、一部のファンからは「士魂」とも訳されている。

作者は悪魔狩りを描いた戸土野正内郎(とどの せいうちろう)。

作者の自画像は海馬(とど)だか海象(せいうち)だかよくわからない鰭脚類(ききゃくるい)。



■あらすじ
21世紀中盤…人類の文明世界は大きな試練を迎えた…

発達した遺伝子技術は世界中で巨大な市場と莫大な利益を生み、研究が加速……
やがて自らの欠点を他の遺伝子を取り込むことで補完する発展型遺伝子が発見され、人類はついに「不老不死」の夢に肉迫した…

しかし、研究機関が遺伝子の実験サンプルをバイオハザードしたことで事態は急転…自然界で無制限に遺伝子を取り込み、人類の予想をはるかに超えて進化した「彼等」は人間世界を侵略し始める……

「シャヘル」と名付けられた「彼等」は人間の武力を次々に撃破し、わずか2年で南北アメリカ大陸を制圧……

文明誕生より一万年…人類は初めて……

自らより強力な「種」と対峙していた…



■世界観
「シャヘル」という新たな「種」と人類との戦いを描いている。
アメリカ合衆国が地図から消えた年に日本は日本軍を再編。
海外派兵を前提とした兵力を保有することとなる。
対シャヘル用の兵器開発は日本が最先端を行っており、外骨格兵装とそれに搭乗する兵士達、通称「侍」部隊は目覚ましい戦果を上げている。
しかしこの外骨格兵装はどうやって作り出されたのかが謎であり、まるでオーパーツのようだと言われている。




■侍所(さむらいどころ)
陸、、空全ての兵力を一つの命令系統に統合した対シャヘルのための特殊な軍。
外骨格兵装に搭乗させる兵士の育成、運用を目的とした首相直属の統括局である。
外骨格を使用する為に必要な強化処置に神経・肉体等が未発達な状態である……要するに10台の少年少女でないと適さない為
教官や上層部等を除くと10代から20代の若者がほとんど。
所属する侍の総数は約1700名であり、その役職に対する責任を持たせることから、真剣の帯刀が許されている。
日本軍、ひいては人類にとっての要ではあるものの、閉鎖的な性格から快く思わない者も多い。



■外骨格兵装
侍の代名詞ともいえる兵器。
全長3m程度のパワードスーツであり、侍との神経接続を行う事で驚異的な運動性と360度を見渡せる視野等を獲得できる。
これをなしえる為に侍は強化処置をほどこされており、この処置のレベルが高いほどより高い戦闘能力や情報処理能力が見込めるのだが、高レベルになると負荷も高く
現人類ではレベル7の強化に耐えうるものすら稀。
物語開始当初の主力機はK-45オールドアイアンであり、次世代機としてK-51タイガーピアースの研究開発が行われていた。
反重力推進システム、カーボンファイバー製の人工筋肉といったノーベル賞級の新技術が何百とつぎ込まれている。
特に物質を任意のレベルまで分解してエネルギーを取り出すボイドフィールドは、世界のエネルギー問題を解決し莫大な利益を齎すシステムである他
格闘兵装KVB-51アマクニ等にも応用されている

シャヘル出現からわずか二年で開発されたもので、世界中の諜報機関が調べたが、「これ」を作っていた形跡は一切発見されていない。



■シャヘル
シャヘル生命体群(スウォーム)。
発展性成長遺伝子から生まれた有史初の人類の天敵。
ヒト遺伝子を与えられた事で人間と同等の知能を得た。
全く異なる形態の生命体の集まりだが、恐ろしく組織化された行動をとっており、同一の種であると認定されている。
一般のシャヘルは殆ど知性を感じさせないが、頂点であるマスターマインド・ヤザタと指揮官のセレブレートコマンダーが存在し、彼等が指揮を執ることで戦略的な行動をとっている。
その種類はウィルスから恐竜より巨大な活動生命体と様々で、それらを生み、管理する有機建造物が「巣(ネスト)」。
巣は直径1mの巨大な種子から始まり、発芽からわずか二日で戦車を撃破できる兵隊を生産し始め。
巣の成長段階によって生産できる生命体の種類に制限がある事が確認されており、成長段階は1から7のレベルに分けられている。
核攻撃にすら耐えるレベル6に成長したのを期にアメリカは敗退した。
個体レベルで環境に応じた「進化」が可能で、アメリカ軍が駆除に乗り出した二週間後には銃弾や爆発物が通じない程強力な外殻を手に入れた。
テレパシー能力で互いに交信し、その情報から巧みに戦術を展開する。
一体の経験が全体の経験になり、遺伝子を次々に改良していくのだ。
だが、このテレパシーは電波妨害で無効化できることが判り、大西洋、太平洋を越えたシャヘルの情報をアメリカ大陸へ向けての交信を妨害、これ以上の「進化」を食い止め、アメリカ大陸にシャヘルを封じることに成功した。
とは言え、現時点で彼等が獲得した遺伝子情報でレールガン装備した砲撃戦型や、物理的な破壊力を持った電磁竜巻、反重力機能を備えた超大型種等が存在しており、人類を脅かしている。






■登場人物



◆塚原武道(つかはら たけみち)
主人公。
侍所に入ったばかりの十六歳。
階級は一等侍士。
あだなは『たけちー』。
シャヘルが日本を初めて攻めてきた際に落とされた飛行機に搭乗しており、三年以上軍の病院にいた。
剣道の腕前はかなり高い。
星を見るのが好き。
両親宛ての手紙をよく書いている。
石川将補が引き抜いたらしく、謎が多い。
入隊前の能力評価はE。
はっきり言って足手まといレベルだが、急速な勢いで訓練に適応してゆく。




◆九十九五六八(つくも いろは)
たけちーと同じく新人。
一等侍士。
『ごろはち』とか名前を間違えるとしばかれます。
中東の傭兵キャンプにいたりと高い戦闘訓練を受けており、特Aランクで入隊した。
青森出身なのに関西弁で話す。
最近独眼竜になった。
飛行機が苦手でこの時の彼女はかわいい。
ほんとかわいい。




◆伊藤始(いとうはじめ)
一等侍尉。
たけちー達が居る一番隊の隊長。
普段は優しい人柄だが、戦闘能力は侍所随一の実力者。
K計画に関わる重要人物。
祖父はシャヘル開発に携わった六人の内の一人である伊藤千秋博士。
彼の作る料理は絶品。
なのだが、大の甘党で甘味を作らせるとヤバいものを作り出す。
被害者曰わく「絶対致死量だろ!?」「サボテンの花が……」

◆千葉進太郎(ちばしんたろう)
一等侍曹。
一番隊所属。
軽い人物。
寿司屋の息子なのに魚の漢字が読めない。


◆若山美雪(わかやまみゆき)
三等侍尉。
一番隊所属。
千葉をよく蹴る。
でもそれはきっと愛情の裏返し……のはず。


◆楠木鉄也(くすのき てつや)
二等侍尉。
一番隊副官。
侍最年少の十四歳。
副官だけあってしっかり者。


◆長篠優作(ながしのゆうさく)
三等侍尉。
一番隊後衛狙撃組。
眼鏡。
地味だったけど秘められた力があった。


◆丹波庵(たんばいおり)
二等侍曹。
一番隊通信兵。
かなり飄々としてる女性。
みんなの秘密を何でも知ってるスーパーハカー。




◆円谷円(つぶらや まどか)
一等侍尉。
女性だけで構成されている、後衛中心の三番隊隊長。
伊藤の嫁確定。




◆那須茜(なす あかね)、那須梓(なす あずさ)
三番隊所属。
ゴルゴもビックリな狙撃能力を持つ。

そのため普通の訓練では訓練にならず、三百M先からペイント弾でモグラ叩きとか狙撃ポーカーとか狙撃だるま落としとかで遊んでる。
この勝負では姉の茜がミスして負けて「拙者はとっても不愉快でござる!!」で終わるのがオチ。
「ござる」口調が姉の茜で、「ナリ」口調が妹の梓。


◆乃木玄之丞(のぎ げんのじょう)
死刑囚のみで構成された五番隊隊長。
八人をなぶり殺しにした。
その経歴から危険人物と思われがちだが、倫理や人生観にしっかりとした考え方を持つ人格者。
たけちーのよき兄貴分。


◆神永功(かみなが いさお)
一等侍佐。
元アメリカ人で海兵隊からグリーベレーに移ったり第六次中東戦争で名誉勲章をもらったりと実力者。
侍所設立に大きく関わっている。
いろはの父親。


◆アイリーン=ウォン
イギリス陸軍特殊空挺部隊SASの大尉。
いろはを指導しただけあってかなり強い。
オバさんとか言うと人『型』をやめることになるぜ?




余談
作者は軽度の色盲で、カラーページの塗りは他の人にやってもらっている。
自分で塗ると他人の評価がヤバいことになるらしい。
そしてあの描き込みで背景から何まで全て一人で描き上げるという超人。
すでに最終回までの構成は決まっているらしい。



追記、修正は志を持ってお願いします。

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最終更新:2023年06月27日 19:15