逆関節(AC)

登録日:2012/02/22(水) 22:40:46
更新日:2024/04/09 Tue 12:38:30
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ここではARMORED COREシリーズにおける逆関節脚部について説明する。

◆概要

アーマードコアシリーズは頭、腕などのパーツを組み換え(いわゆるアセンブル、アセンブリ)、操作する機体を自由に構築することが出来るのが大きな特徴である。
故にパーツ毎に特徴があり、どのようにアセンブルするかによって発揮される性能が大きく変わる。
更に脚部は形状によって細分化されており、その幾つかある脚部カテゴリの一つがこの逆関節である。

逆関節脚部は読んで字のごとく、人間における膝関節の向きが逆になっている。バッタの脚を想像するとわかりやすい。
そのために全体のシルエットが特異なものになりやすく、人によっては生理的に受け付けないという場合も。

なおAC4及びACfAでは様式が若干変更され、関節が一つ追加された、実在の鳥類や獣類に近い趾行性(カカト歩き)の姿勢になった。横から見ると雷マークのような形になる。

正式名称は「逆関節」だが逆脚や逆足と呼ぶ人も多い。

◆特徴

このカテゴリの特徴として以下のことが挙げられるが、跳躍性能に優れるという点を除き他の脚部以上に作品ごとの差が大きい。


メリット
  • 実弾防御に優れる
  • 跳躍力が高い
  • EN消費が少ない
  • 販売価格・修理費が安い

デメリット
  • EN防御が低い
  • 重量が重い
  • ブレードを振る範囲が狭い
  • 積載量が若干低い

特に重量が重いという点は致命的で、ブースターを高出力のものにしなければならない。

NXまでは旋回性能は良い方だったが、4以降は逆に悪い方になった。

シリーズ通して軽量~中量級が基本でたまに異端の重量級があるといった感じだったが、ACV/VDでは軽量逆関節と重量逆関節にカテゴリが分離。
防御面などの方向性も分けられ明確に異なる脚部として扱われることとなった。
  • 軽逆
これまでの逆関節に近い性能でKE(実弾)に強い。長所短所は概ね上記の特徴を受け継いでいる。
移動面を軽二と比べると縦方向は強いが旋回性能で劣る。
  • 重逆
重量系の高AP&高積載と逆関節の高い跳躍性能を併せ持ち、CE(化学エネルギー)防御重視、高い安定性という特徴を持つ。
その代わり上下以外の移動は(軽逆に比べれば)素早くなく、旋回性能が悪く、TE(エネルギー系)に弱いという弱点がある。
脚部の性質・防御面・立ち回りが二脚系よりも四脚に近く、重逆が強いと四脚の立場を食い、四脚が強いと重逆が食われるという関係だった。

VIでは再び「逆関節」にカテゴリが統合された。
姿勢安定性能が低くスタッガーを取られやすいかわりに、ブーストキックの攻撃力と衝撃力、そして奥行き方向への攻撃範囲が広いという特性を持つ。
また、優れた跳躍性能のおかげで地上QBが文字通り跳ねるような挙動になり、他脚部と比較しても瞬間的な機動力は極めて高い。
ただし、跳ねる関係上若干飛んでしまうので直ぐには地上に降りられず、連発は出来ない。

◆戦術

上記のメリット及びデメリットを考えるとこのような戦術になる。※あくまで参考

ジャンプ力の高い逆関節を上手に生かす戦い方。逆関節使いはこれが多い。
高い跳躍力と低消費のお陰で空中と地上を行き来する立体的な戦闘を行えるため、三次元機動で敵を翻弄し、バズーカやマシンガンなどで削るのが基本。プレイヤー次第では空中からの狙撃戦も可能。EN消費が低いことで、大出力のEN兵器の運用にも適している。
逆関節初心者なら、ふわふわ浮いて後退しながらのミサイルカーニバルも選択肢に入る。
CPU相手であればタンクすら容易く鉄屑に変えるが、対人戦ではミサイルに対処されやすく、場合によっては自分が的になる危険性も内包している。

また頭上をとるという行為は敵に対する一種のアドバンテージであり、やられると非常に鬱陶しい。上手い人ともなれば相手に何もさせない一方的な戦闘になる場合もある。

またACシリーズ(特にPS2以前の作品)において「視点の上下移動」は、初心者と中級者をはっきりと隔てる壁である。

故に初心者キラーであり、CPUは鬼ロックなのでこっちはロックできず、CPUはバシバシ当ててくることが多々ある。
とはいえ、逆関節相手に初心者を抜け出したレイヴンも少なくないであろう。

ACVではむしろ消費ENは多くなった。しかしシステムの変化によって他脚部が高度がとりづらくなったことで、逆関節が持つジャンプ力はより際立ったといえる。
軽逆はこれまで通り縦方向の機動性を活かした近距離トップアタックが多いがスナイパーライフルを積んだ狙撃戦や妨害武器を積んだ攪乱役もこなせる。
重逆は高空から装甲と積載を活かした火力を叩きつける中距離が基本となる。

ACVIではQBの移動距離が長いために重量が重いことのデメリットが小さく、ブーストキックの攻撃力と衝撃力が重さに依存する性質から、近距離戦では重逆でキックを多用する戦術がよく用いられる。
特にレギュレーション調整Ver1.03.1では他脚のキックが弱体調整されつつ逆脚に関しては据え置きとなったため、相対的にキック重視の特長がより強くなった。
むしろキックを有効活用しないならば、消費ENや積載量の割に姿勢安定性が低いデメリットが大きく特に対人戦では二脚の下位互換になりかねない。
度重なるアップデートにより姿勢安定性と重量は改善されているが、それでも良くて軽量二脚並みの水準なため、キックを活用するしか生きる道は残されていないが接近戦はむしろ苦手というジレンマが解消されておらず、全体としてまだまだ厳しい逆風に晒されている状況に変わりはない。
攻略においては、地上でエネルギーが急速回復すると言うシステムの都合上滞空時間の長いQBを連発する運用ではあっという間にEN切れを起こしてしまうが、地面を広範囲に攻撃するボスが多いためジャンプを使った三次元的な戦闘をするなら有利。

◆著名な逆関節使い


  • ダイナマイトブル(初代&MoA)
高威力の武器腕を操り初代ではランク14、MoAでは逆関節アリーナの一位に君臨した。
豪快な性格で、任務遂行の為に作戦領域全体を破壊し尽す事もあるとか。(そして損害賠償で自身の報酬まで破壊する)
小説「アーマード・コア ザ・フェイク・イリュージョンズ」にも登場、持ち前の高火力により戦局を一変させる活躍を見せた。

  • ヴァッハフント(AC2)
初心者キラー。
熱量の高い腕マシと三次元機動で初心者を翻弄した。こいつを倒せば、初心者は抜け出しただろう。
ご丁寧にメールまで送ってくれる。

  • ランバージャック(AC2AA)
「騙して悪いが」のセリフが有名なレイヴン。
同じくAA初出の有名な台詞「この際プライドは抜きだ」を体現したような全身ミサイル装備のミサオン機。不用意に近づくとコンテナミサイルを直当てされAPをゴッソリ削られる。たまに突然デコイをばら撒きだす奇行に及ぶことも。
しかし結局は自分も捨て駒にされる。

  • ゲド(AC3)
今やACを語る上で欠かせない存在になった軽量逆関節使い。
実は結構な初心者キラーであるが、ゲイヴンネタのせいで忘れさられている。こいつもまたメールを送ってくれる。

  • コールハート(AC3)
元MT乗りのレイヴン。MT乗り時代に逆脚型を駆り、レイヴンになったあとも愛機だったMTに似せた機体「ザ・サン(機体名もMT時代と一緒)」に乗るシリーズ随一の逆関節スキー。
ちなみにとあるミッションでは研究施設を壊滅させた所属不明のACの襲撃からMTで生き残っている。

  • ソロイスト(AC3SL)
裏切られて瀕死になって人間不信になった人。
武器破壊システムを味方につけたアセン・戦術が特徴で、スナイパーライフルとレーザーキャノンを用いて次々とこちらの攻撃手段を奪う。
普通に強い、というかランク不相応な強さの初心者キラー。

  • ライウン(ACLR)
重量逆関節を使う初心者キラー。
彼の持つ主砲は多くのプレイヤーの心を折った。
あまりにも強すぎてライウン砲なんて呼ばれたことも。主砲以外にも強力なEN武器を搭載し、火力の高さは同作でも指折り。

  • Ω(ACLR)
あるミッションで戦うことになるレイヴン。バーテックス所属。重火器を高速でバラ撒く戦法を得意としており、火力と機動力を両立している。ステージの狭さと相まってなかなかの強敵。
戦闘狂かつ殺人狂らしいが戦ってる限り全くそんな素振りは見えない。
むしろ言動はクールな仕事人といった感じで、どんな狂人なのか期待していたレイヴン達をちょっとがっかりさせたとか。

序盤のミッションで主人公に騙して悪いがを仕掛けてくるレイヴン。何故か異様に早口で、「じょ、冗談じゃ…」は特に印象的。
機体の火力は悪くないのだが、武器とFCSの相性が最悪でロックオンサイトがびっくりするくらい小さい。

企業の最精鋭たるオリジナルリンクスの一人であり、悪名高い難関ミッション「MARCHE AU SUPPLICE」に登場する。
乗機ラフカットはレイレナード製標準機「04-ALICIA」をベースにしており、逆関節の特性を活かした的確な3次元機動と正確な射撃でプレーヤーと僚機のAPをゴリゴリ削ってくる。

  • オールドキング(ACfA)
濃いメンツが揃うfAでもかなりの存在感がある中量逆関節使い。名実共にかなり強く、逆関節使い=強くてキャラが濃いという法則を押し上げている人物。

  • テルミドール(ACfA)
逆関節の常識を変えたといっても良いほどの美しい軽量逆関節アンサングを操るORCA旅団団長。
重量過多だが、戦うステージは狭く、それを感じさせない。オールドキングにも迫る強さをほこる。

  • ポール・オブライエン(ACV)
スナイパーキャノンによる高精度の狙撃を得意とするシティ警備部隊隊長。
狙撃の腕は確かで現場レベルの指揮能力も優秀だが、己の保身しか頭になく台詞の殆どでキレまくっている事から
小物感が否めない。

  • コルネリス・アーチボルト(ACVD)
如何に少ないリスクで任務をこなせるかに拘るケチな傭兵。
軽量逆関節の立体戦闘力を活かしつつスナイパーライフルで強力な一撃を見舞うヒット&アウェイ戦法を得意とする。
彼を撃破すると手に入る改造版逆関節脚SAWARABI mdl.1は元々の機動特化性能を更に突き詰めた本作屈指の強パーツの1つで、「ネリス脚」の愛称と共に多くの傭兵達に憎まれ愛された。

  • レイ・シャーク(ACVD)
EGFのエースパイロットであったが、昇進に連れ戦場から遠ざかることに嫌気がさし傭兵となった。
戦いの裏で糸を引く財団の存在に勘付きつつも、相棒の「壊し屋 バリー・ブル」と共に主人公と対峙、
戦い続ける歓びを享受した。

  • V.Ⅷ ペイター(ACVI)
アーキバス社直属のエリート部隊「ヴェスパー」の一員。
第8部隊の隊長でありながらも、独立傭兵との窓口として621と依頼のやり取りを行う代理人でもある。
軽量逆関節にパルス武装を積みまくった全身パルスマンとも言えるアセンブリで、瞬間的な火力は凄まじい。
相方共々近接補正の高い腕部にブレードを合わせており、近づけば容赦なく斬りつけてくる点も厄介。
また、機体は前のめりのコアや虫の触覚を思わせる異形の頭部パーツという中々ゲテモノデザイン。
「表向き」は生真面目で物腰も柔らかな好青年……なのだが、何やら気になる一文がプロフィールにある。
その理由はあるミッションにて判明するが、彼の本性を知ったプレイヤー達は戦慄したりドン引きするかもしれない。

  • コールドコール(ACVI)
独立傭兵にして粛清・殺害代行を請け負う「殺し屋」。
各企業が彼に色んな意味でお世話になっているのか、手厚いサポート付きで難なくルビコンに入り込めたとの事。
イグアスを気に入っている(もしくは舐めている)のか彼の事を「坊や」と呼んでおり、私怨じみた依頼も受けてくれている。
言動そのものは穏やかではあるがどことなく陰湿な雰囲気を纏っており、まるで値踏みするかのように相手を分析しつつ痛めつけるスタイル。
重量逆関節に二種類のレーザー武器を装備し、肩には軽量ミサイルと高誘導ミサイルを搭載。
軽ミサに混ぜて放たれる高誘導ミサイルで追いかけまわしつつレザライで着実に削っていき、スタッガーすればレザショのチャージ刺突や蹴りでAPを一気に持っていく。
ジェネレーターのEN射撃武器適性が死んでるのでレーザーの威力にデバフがかかっているはずなのだが、相対した時に威力不足を感じることはあまりないだろう。
重めの機体構成だが重逆は機動力と積載を両立した優秀なパーツ*1で、これをフルに活かして跳ね回る立体的な戦術を用いる。移動制御関連のAIも優秀で、閉所での彼はかなり強い。


◆余談

アーマードコアの世界では逆関節は低コストらしく、販売価格は他の脚部に比べて安め。
ヤラレメ…比較的安価なMT等にもよく採用されている。
もはや伝統とも言えるだろう。

ACVDではただでさえジャンプEN消費の多いのに逆関節限定でジャンプ時にランダムでEN消費が倍になるバグが存在するというあんまりなことになっていた。




追記修正は、膝を逆に曲げられる人にお願いします

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最終更新:2024年04月09日 12:38

*1 なお、これだけ優秀なパーツでありながらも設定上は「輸送作業用に製造された脚部で、戦闘向きではない」とか。