ロン・ベルク(ダイの大冒険)

登録日:2011/05/05(木) 06:16:17
更新日:2023/10/12 Thu 02:32:49
所要時間:約 7 分で読めます






ダイたちに出会ってからのこの数週間・・短いが本当に充実した日々だった
オレは多少なりとも気に入ったこいつらと命を共にするさ・・!!



漫画「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の登場人物。275歳。
CV:東地宏樹(2020年版)
●目次

【概要】

魔界生まれの魔族。見ための年齢は人間にして30代くらい?
ヒュンケル「鎧の魔剣」ラーハルト「鎧の魔槍」、そして大魔王バーン「光魔の杖」を作り上げた、魔界では最高の名工として知られる男。
原作者によれば名前は「ロン」で、「ベルク」は魔界の鍛冶の流派などを示す称号らしい。
魔族には姓に当たる呼び名を持つ文化は少ないそうだ。

【人物】

生命かけるだけで勝てると思うなよ ムダ死にするぞ…

無愛想で気難しく、強い武器を作ることにのみ関心と情熱を持つ気質。
しかし肝心の担い手が無能ばかりの近況に失望、アホらしくなって武器作りを止めてしまう。
そして現在までポップの故郷であるランカークス村、その付近の森に隠れ住んでいた。
人付き合いの相手は、最近知り合い意気投合したポップの父・ジャンクくらいのもの。
ときたま「居眠りしながら作ったような」手抜きの武器をジャンクの武器屋に卸していた(それでもかなり強力な部類に入る)。
「王宮一の腕利き鍛冶屋だったのに気に入らない大臣を殴って引退した」という過去を持つジャンクは、ロンからすれば「他人に思えない」とのこと。
酒飲みであり、ジャンクと知り合ってからは彼によく差し入れてもらっているらしい。

どういうツテがあるかは不明だが、オリハルコンの次に硬い金属ならば平然と保有しており、彼の制作した武具は基本的に強力。
ダイの力に耐えられる武器を用意出来なかったとは言え、ジャンクの腕前も悪くはないはずだが、魔族ならではの年季の違いに加えてその違いも大きいだろう。


お断りだ
たとえ魔界最強の実力者・大魔王バーンの言葉といえども
オレの自由は束縛させない

過去、魔界に居た時期には大魔王バーン配下の鍛冶職人として、光魔の杖や鎧の魔剣など多くの武具を献上している。*1
バーンもハドラーにもなかなか見せなかったその素顔を最初から見せ、直接宮廷での宴でもてなすほどに歓待していた。
だが、温い生活に自分が腐っていくことに耐えかねたロンはバーンの元を去ることを決意。「俺は腐りたくない」と離脱を宣言する。
一流の鍛冶であり優れた戦士でもあるロンはバーンにとっても惜しい人材であり直々に最高の軍団の指揮を任せてもよい」と引き留めにかかるが、この提案を給仕の女魔族やミストバーンの前で「腐る」呼ばわりしたのだから、バーンとしてはある意味面目丸つぶれである。
バーンも尊大ながらもロンに対して無礼な態度は取っていなかったのであるから、ロンも断るにしても仮病なり謙遜なりで婉曲に断るべきものであった。
流石にこの態度があまりにも大人げなく、バーンの顔に泥を塗ってしまったことはロンも自覚があった。
それでもバーンは「あいつは余に刃向かえば敵わないことを知りながら己の命をかけてここを去ろうとしている」「死なすのももったいないし魔族の寿命は長いから気が変わるかもしれない」と気長に構え出奔を許したものの、バーンに対して絶対の忠誠を誓うミストバーンは激怒。
一人でいる所を襲われるが、バーンに対する詫びを込めて刃を避けず、顔に現在も大きく残る斜め十字傷を宿す。

…オレはバーンの顔に泥を塗った
だからこの最初の攻撃だけはあえて受けた
この傷はいわばオレの落としまえだ…!!
…だが!!もしこれ以上を望むなら…
オレも黙ってはいないっ…!!!

以降、ミストバーンとは互いに因縁の相手となっている。

人嫌いではあるが、魔族についても寿命が長いせいか人生の密度が薄くなりがちといった旨を述べており、自身も魔族でしかも元々は魔界に居て名声もあったのに、今は人間の近くで無名の鍛冶師として活動していることについてはこの持論が関係していると思われる。

職人として

武具を本気で作る際は、使い手となる者の手を本気で眺める・一方で武具の性能に慢心し頼ってその力を引き出せない者には怒るなど、「武具と使い手がひとつとなりその性能を最大限引き出す」ことを重視している。
剣の達人であるヒュンケルが「友の形見」という理由で慣れない槍に己の命を預け使っていた際にはその覚悟を褒めて大層気に入っていた。
バーンに対しては、バーンが真の姿では武具を必要としておらず*2自分の命を守ってくれた武具を無碍に扱うなど、人の性根を武具を介して見るのが得意なロンにとって武具を大切に思っていないバーンはロンと相性最悪。ロンがバーンの元を去るのも必然だったと言える。


【作中での活躍】

初登場はダイがバランとの戦いを終え、竜の騎士の力を自力で扱えるようになった物語中盤ごろ。ダイの武器作りを依頼されるも、前述の理由でだるそうに即却下。

しかしその直後、ダイがバランの「真魔剛竜剣」を折ったと知ったことで大興奮。自身が求める最高の剣に格下の「鎧の魔剣」で対抗し、尚且つ折って見せたと聞いたのだから当然ではある。

ダイの潜在能力に魅せられて依頼を快諾、全精力を注いで「ダイの剣」を作り上げた。
剣の材料に必要な金属オリハルコンには、かつてダイがロモス王から贈呈された「覇者の冠」を鋳潰したものを使っている(ニセ勇者のパーティー(ダイの大冒険)参照)。

これ以降は度々損傷する武具の修繕の他に、自ら剣を取ってダイとヒュンケルを鍛える場面も見られる。実の所、剣士としての実力も折り紙付きで、1人でミストバーンと互角に渡り合えるほど。
ちなみにヒュンケルも、剣を使うのであれば同レベルの達人。そうでありながらラーハルトの形見「鎧の魔槍」の使用にこだわる姿に、実に満足そうな笑みを浮かべている。

しかし、ダイが覇者の剣を手にしたハドラーに敗れてダイの剣の修理に来た時は「同じ材質だからといってどこぞのナマクラに負けて帰ってきた」と露骨に不機嫌な表情も見せて指南役を買っている。
ちなみにジャンクには「自分が剣を使える」ことを明かしていなかったらしく、ダイとヒュンケルの二人を相手に稽古をつける姿を陰から覗いていたジャンクは、「す、すげぇ…!ロンの奴…どうやら俺は、とんでもない男と友人になっちまったようだ…!」と驚愕し呟いている。

ダイ達に武器を届けに来てそのまま最終決戦にも参加。理由は「こちらの方が面白そうだから」「(光魔の杖に対して)武器が凄いのではなくバーンが桁違いに強い」「極端な話、バーンはナイフ一本持っても強い。武器屋にとってこんな白けた客はいるか」といったもの。地上でミナカトール(破邪呪文参照)の魔法陣を守るべくミストバーン相手に奮戦した。
この時に後述の星皇剣を使用する羽目になっている。その結果……。

なお最後まで人間側に付くスタンスを崩さず、地上が消滅するという間際にバーンから「助けてやろう」と誘いを受けるも、やはりこれを断っている。

なお本作がエンディングを迎えた場面では両腕の傷を癒しながら、戦いを通して弟子となった青年・ノヴァの面倒を見ている彼の様子が描かれている。


【戦闘能力】

武器職人としても超一流の名工であるが、実は剣技の腕も卓越した超一流の剣士でもある。
その技巧は専用武器がないとはいえダイとヒュンケル2人を一度に相手取り稽古を付けてしまえるほど優秀。

そもそも彼が武器作りにこだわったのは、自身の剣技に耐える武器が欲しかったから。
この話の際に自身が魔界最強の剣士だったということを明かしており、実際バーンからも魔軍司令の座を与えようと考えていたほどの実力を持っていた。
魔界に生まれて10年も経たないうちに最強の剣技を極めたはいいものの、その最強剣技星皇十字剣の反動には武器も耐えられず、武器ごと両腕が崩壊。
70年ほど経ってようやく両腕が完治した後、武器の未熟さゆえに腕を壊した経験から己の最強剣技にも耐えられる武具を作ろうと鍛治師の道を選んだ。
ダイに協力したのは、武器が実力に着いてこない歯がゆさに共感したからでもあったとのこと。

  • 星皇十字剣(せいおうじゅうじけん)
…あの世でせいぜい自慢しろ
オレがくれてやった…その十字の餞別をな…!

ロン・ベルク流剣術最強奥義。
ロンが放つ最大の技で、最大まで力を溜めた剣によって敵を十文字に斬り捨てる豪快な一撃。作中では後述の「星皇剣」を持って放った。
その威力はザボエラの操る超魔ゾンビを文字通り十字に分断するほど。
技の特性として大きな反動が使用者を襲うらしく、星皇剣はおろかロン・ベルクの両腕の機能までもことごとく破壊した。

製作武具については、専用項目があるのでそちらを参照。
いずれの武器も高品質である上、多くはダイのパーティーにとって不可欠な役割を果たした。




やれやれ おまえにはまず項目の追記・修正のしかたを教えなきゃならんようだな…!




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最終更新:2023年10月12日 02:32

*1 バダックじいさん(58歳)が産まれるより前の頃らしい。

*2 彼の本気に耐えられる武器や彼の肉体以上の武器がないことも一因。