ハービンジャー(聖闘士星矢Ω)

登録日:2014/02/09 (日) 15:22:47
更新日:2023/10/27 Fri 21:41:53
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がっはははははっ…!!!
よく来たな青銅、この十二宮を登ろうって根性…嬉しいぜ!!!
俺の名はハービンジャー。
力と破壊を司る、牡牛座(タウラス)の黄金聖闘士(ゴールドセイント)!!!



イオニア、ミケーネに次ぐ三人目のΩオリジナル黄金聖闘士。
初登場は29話。
マルスに組する黄金聖闘士として十二宮の突破を試みる光牙達の最初の敵として登場。
いきなり青銅聖闘士達の骨を折りまくり、光牙を一時戦闘不能にするなど初っ端から絶望的な力の差を見せ付ける。


【人物】

薄い青系の短髪で隻眼の逞しい体躯の青年でイオニアよりも身長が高く、ガッチリしているが今までの牡牛座担当の傾向とは違うイケメン系。
根っからの戦闘狂で「いい音だ…骨の折れる音は!」「だが、それ以上に好きな音がある……それは、心の骨が折れる音だ!!!」とサディストな面を持つなど、これまでの牡牛座の面子と比べてみると
いろいろと正反対の異質なキャラクターである。
マルスが再建した十二宮は本人の心象を映し出す機能があり、至る処に骨が散らかっていたところから旧作のイメージ的には蟹座っぽいとまで言わたりしたが
己が力でちゃんと黄金聖衣に認められた牡牛座の聖闘士である。

骨の強さは心の強さ」という彼独自の美学を持っており、マルスの作る世界や与える地位にさして興味はなく
骨のある奴がいる世界なら、古かろうが新しかろうがどちらでも構わねぇ」と「骨のある者(=心の強い者)が選ばれる世界」を欲している。
所謂「力こそが全て」の考えの持ち主。
しかし力さえあれば誰に何をやってもよいという考えではなく
後述の経歴から「強い者なら弱い者をいくらでも虐げて奪っても構わない」考えを持つ者に対しては強い怒りを露にする。


【略歴】

お前ら…なぜ俺がこんだけ強いか、わかるか?
俺は、お前らと違って常に力を追及してきたからだ。

ガキの頃…俺は最低な場所で生まれ、育った。
生きる為に奪い、奪われる…そんな毎日だった。
ある日、不良に因縁をつけられた俺は、死の淵にいた……


大都会の治安の悪い地区で生まれ育ち、家族も無く親の顔も知らない孤独で荒れた幼少期を送っていた。
本人が語ったところによると幼少期に不良からリンチを受け重傷を負い左目を失い、死にかけた際に
「自分の中の何かがはじける(小宇宙に目覚める)」感覚とともに相手の骨を折って撃退する。

その後も何とか命からがら生き残るうちに骨の砕ける音を聞く快感に目覚め、いつしかストリートファイトから闇レスリングへ、より強いものと戦うことを目的とした日々を送っていく。
その日の飯にありつけるだけのファイトマネーよりも、勝利のゴングにも似た美しい音色を求めて。
やがて、ファイトを繰り返す日々の中で、骨が折れる音だけでなく心の折れる音までも聞こえるようになった。
そして地上で最強の存在である聖闘士の存在を知り、聖闘士に戦いを挑んでいくようになった。

常人ならば聖闘士とまともに戦えば、例え青銅聖闘士相手でも(ましてや訓練生相手だろうと)まず勝てないものなのだが
彼の場合は全く小宇宙の訓練や修行を行っていないにもかかわらず、生身で白銀聖闘士すら倒すという前代未聞の快挙を成し遂げている。
つまり彼の場合、この時点で白銀聖闘士の最低速度であるマッハ2以上の速度の相手にも生身で立ち向かったことになる。

そんな中で山羊座の黄金聖闘士イオニアのスカウトを受け、マルスに引き合わされる。


驚いたぜ……
世界中の全ての人の心を折れると本気で信じていた俺の心が
戦う前から告げていたんだ……
この男の、骨も心も…折ることはできないと!
力こそ全て!!!


マルスと対面してすぐ圧倒的な実力を感じ取り、骨と心を折れぬと戦わずして悟ったハービンジャーは、その力に畏怖し、恭順することを決意。
今度はちゃんと聖闘士としての修行を重ね第七感覚・セブンセンシズに目覚めて見事に黄金聖闘士となったのだった。*1

以後マルス指揮の下、「好きなだけ人の心を折り続ける(=誰にも自分の戦いを制約されない)」権利を得て新天地の創造を待つこととなる。


お前達はどうなんだ……?
俺を平れ伏させるだけの力は持っていないのか!?
俺の骨を折るだけの力を…お前達は持っていないのか!?
どうなんだ!!? オラァァァ―――ッ!!!


このように善悪の区別すら学べない荒んだ環境で育ち、ただ己の力を求めて聖闘士に関する基礎知識や基本的な倫理観も殆ど持たないまま
マルス側として組み込まれた為に、世界を守る使命感もアテナへの忠誠心も、逆にマルスに対する忠誠心すらも希薄。
そのためか、全身と心の骨が折りつくされたはずの光牙が何度も立ち上がる姿、そしてペガサス流星拳とグレーテストホーンの衝突の際に膝をつかせたのを見て、


面白え!!!面白えぞ、天馬座(ペガサス)!!!
行け、もっと強くなれ!!!
一番強くなったお前の心を、打ち砕いてやるぜえっ!!!
がーっはっはっはっはっはっ!!!


と、その仲間を思う心の強さを認め金牛宮を通過させた後、
白羊宮に降りて貴鬼と火星士(マーシアン)の軍勢を蹴散らしたり他の黄金聖闘士と地球の崩壊を食い止めるなど
早い段階でマルスに反旗を翻している。
このような出自からか、己のことは聖闘士の風上にも置けないという自覚を持っている。

地球崩壊を食い止めた後はフドウと共にアテナ陣営についており、黄金聖闘士としての位もそのまま残った。

ちなみにスラムにいた時期はハービンジャーの中に暗い影を落としており、自身を碌な生き方をしていないゴロツキでと称しているように
スラムという場所やそこに生きる者達には希望も救いも神の存在も関係ないと嘆いている。
「頼りになるのは自分の拳のみ」「骨の強さは心の強さ」という考えをはじめ、スラムの中で多くの人間の無念や汚さを見続けてきたからか
「生きるために足掻く者」を侮辱したり、いたずらに奪い虐げるような戦いを行う相手に対しては容赦がない。

マルスに従っていたのも力だけではなく、行動や手段はどうあれ平和な世界を新天地で実現する志を持っていたことと
スラムのならず者でしかなかった自分を聖闘士として拾い上げた事に何か思うところがあったのかもしれない。


【第二期】


時間を止める…?
面白えことやってんじゃねえか…刻闘士とやら!!!


前述のとおりマルス陣営から離れアテナの聖闘士として活動を行っている。
が、「骨の折れる音を聞いて楽しむ」願望は健在で、聖域を抜け出しては刻闘士(パラサイト)に襲われた軍事基地に現れ
グレートホーンで兵を蹴散らすなど横暴さは相変わらずの様子。
特にアテナに対しては、パラスとの戦いに煮え切らない態度や元々マルス陣営だったからか元々の性格故か
「お前」呼ばわりやタメ口で話すなど、露骨に無礼な態度を取って玄武に咎められたりしていた。

アテナがパラスとの全面衝突を宣言した後、しばらくの間は聖域に留まり貴鬼、フドウと共にアテナと聖域の守護を行っていたが
沙織が戦う覚悟を決めたことで本人も本格参戦を決める。
73話にて聖衣を発動させる現場に立ち会いその聖衣を沙織から預かる役目を任される。
一度は「そんな大事なものを俺に預けるなんてどうかしてるぜ!」と慌てて断ろうとするハービンジャーだが、彼を信じる沙織のまなざしに負け、フドウと共に沙織を守護しつつパラスベルダを行軍する。

第二期に入ってからの彼はサディスティックな面よりも人間的な思いやりを持つ言動が増えている。
パラスの城に入り、星矢や貴鬼から心強い仲間として認められていることに怒るなど天邪鬼な態度を取っていたが
だんだんと本来持っていたであろう人の良さが隠せなくなってきており

  • 俺は親も兄弟も知らねぇ。だが、実の姉妹が殺しあうのをただ眺めてるだなんて、できるわけがねぇだろ!!!」とグレーテストホーンで双子座姉妹の戦いに割って入る
  • エウロパがアテナの采配を馬鹿にして煽ったときに「おい、道化野郎!!!青銅どもじゃ物足りねぇなら、俺が相手になってやろうか!!?」とエウロパを挑発する
  • 相手が雑魚ばかりじゃ張り合いがねぇんだよ!!!」ととってつけたような理由で無限回廊で出てくる雑兵を率先して蹴散らす

と、骨マニアのサディストだと思っていたらちょっとツンデレの入った気のいい兄ちゃんに変化しつつある模様。


【パラスの間】

ついに到達したパラスの間ではアテナとパラスの再会に目もくれず、パラスを討ち取ろうと飛び掛ったところをタイタンに阻止され
そのまま一騎打ちに突入。


やってやるぜ!!!
荒くれ牛の力、見せてやるぜ!!!


しかし天神創世剣の圧倒的な力とタイタンの前にグレートホーンを破られ、黄金聖衣を斬られ、骨をも折られ地に伏してしまう。
だが、
まだ勝負は付いていない。お前は黄金聖衣を斬り、骨を折ったが、ハービンジャーの心を折ってはいない!
という星矢の言葉と共に再起し渾身のグレイテストホーンを放つ。
それまでは戦う相手として星矢しか眼中になかったタイタンだったが、天神創世剣を受けてもなお立ち上がり小宇宙を燃やす姿に聖闘士として戦う意義を問う。

これに対しハービンジャーは自分でも分からないと答えた上で
強い力で罪のない人間の生きる権利が奪われていくことや、誇りある聖闘士達の死、それでも神に抗い地上で生まれ生きるために足掻くことが罪なのかと吼え怒りの小宇宙を燃やす。


てめえらから言わせれば
取るに足らない虫ケラかもしれねえ……!!!
だがな!!!
虫ケラだって!!!生きてんだよォォォ――――ッッッ!!!

燃えたぎれェ!!!俺の小宇宙ォォォ――――ッッッ!!!


溢れ出す小宇宙は黄金の闘牛の形となり、これまで一度も装着しなかった牡牛座のメットを被り全ての小宇宙を込めたグレートホーンを放った。
そして―――


「勇猛な牡牛座よ。私は、お前と言う男を見誤っていたようだ。お前を侮辱した言葉、全て撤回しよう」

「そのマグマのような怒りが黄金の意思となり、この天神創世剣を……。



―――見事だ」



グレートホーンと天神創世剣の壮絶な衝突で聖剣が軋みをあげる中、衝撃の余波がパラスに襲い掛かるのを察知したタイタンは
パラスを守護すべく聖剣を地面に突き刺し離脱。
聖剣が無防備の状態に晒されたことも影響したとはいえ、これまで複数人でへし折ってきた聖剣を単独で折るという大快挙を成し遂げた。

上記の台詞は天神創世剣を破壊されたタイタンがハービンジャーの実力と戦士としての姿を認めた際に発した言葉である。

全ての小宇宙を放出しても尚、散っていった者達の無念のため戦おうとするハービンジャーだったが沙織と星矢に静止され、アテナの聖衣を託す。
星矢もまた「俺達とは考え方が違っていても、力なき人々の思いを胸に戦ってきたお前は真の聖闘士だ。牡牛座の名に相応しい、黄金聖闘士だ!」と心から認めている。

ハービンジャーが一人の聖闘士として歴代の牡牛座と並んだ、あるいは超えた瞬間であった。

アテナに忠誠を誓っているわけではなくとも彼もまた、星矢達とは考え方は違えど確かに地上の愛と平和のために戦う真の聖闘士と言えよう。
その辺がアルデバラン等の仁智勇を備えた聖闘士と戦ってきた牡牛座の黄金聖衣に認められた理由だろう。


【余談】

初登場時の脚本を書いたのが競走馬ネタを作中にぶち込むことで有名な大和屋暁であり、同名の競走馬が名前の元ネタ。
ちなみにハービンジャーという名前は「先駆者」という意味がある。

また、これまで散々視聴者からかませ牛と好評(?)の牡牛座であったことに加え
アテナの聖衣を託されてしまったことから「死亡確定」「アテナの聖衣を守って死ぬ」「完全に死亡フラグ」などと言われ
タイタンと戦うことが明らかになったことで「聖剣を折るかダメージ与えて死亡」という非常に不名誉な期待をかけられていた。
が、このように見せ場を作ったどころか聖剣を破壊し、同時にアテナの聖衣を守り抜くといった死亡フラグをへし折って
パラサイトの戦いが終わった後も無事生き残ったため、二重の意味での快挙を成し遂げている。

とにかく90話は必見なので牡牛座の方は是非とも見て欲しい。

そして最終的にはアテナと黄金聖闘士達の推薦を受けまさかの教皇に抜擢された。
余りにも意外すぎる人選に本人だけでなく視聴者も驚きの声を上げたのだった。
貴鬼曰く、「権力欲から教皇の座を欲する者よりまっすぐなお前の方がふさわしい」とのことで、これは過去に教皇の地位に固執するあまり内乱を引き起こした双子座のサガや教皇の座を餌にされて寝返った山羊座のイオニアを念頭においたものであろう。
なお、羅鬼からも「教皇はとっても骨の折れる仕事なのだ。人の骨ばっかり折ってないで、これからはお仕事で自分の骨を折るのだーっ!」とからかわれた。

もちろん本人は当初嫌がったが、他の黄金聖闘士からも強く推されて


わーったよ!
あーもう、教皇でもなんでもやってやらァ!!
そのかわり!!
てめェら全員こき使ってやるから、覚悟しやがれ―――――ッ!!!


…と、結局悪態をつきながらも受諾したのだった。がんばれ荒くれ牛。


【技】

  • グレートホーン
牡牛座を象徴する伝統の必殺技。
腕組みをした構えから抜き拳で放つ衝撃波。なのだがハービンジャーの場合は腕組せず片手で放つ。
しかし90話でメットを被った際には従来の型通り、腕組をした構えから両手で放った。

  • グレイテストホーン
ハービンジャー独自の技。
名前からグレートホーンを発展させた技と推測される。
グレートホーンのように直射することもできるが、その最大の特徴は腕を左右に振り抜くことによって全方位に向けて衝撃波を放てることにある。
この技は空間を捻じ曲げる力を持っており、食らった相手を別の空間に飛ばすという器用な使い方が可能。
実はこの技「衝撃波を全方位に放ち空間を捻じ曲げる」という特性上、代々牡牛座の聖闘士の死因となってきた音波系・香気系の攻撃克服できる可能性が秘められた何気に牡牛座待望の大技でもある。

  • シャドーホーン
ハービンジャー独自の技。
自らを巨牛の姿を模した影に変化させ、変幻自在の挙動から攻撃を繰り出す。
十二宮の戦いでのみ使われた技で、新シーズンに入った後は一度も使われていない。




アニヲタwikiで生きる俺達にとっちゃ
サイトに君臨する冥殿のことなんかどうだっていいんだよ。
どれだけ作成を願ったって何も変わらねぇ…リクエストなんか届きゃしねぇ…
頼れるのは、このだけ!!!
俺は、こので強え奴の項目を!!!
書いて!!!追記して!!!修正しまくるだけよ!!!



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最終更新:2023年10月27日 21:41

*1 スカウトされた時期は不明だが、作中の様子からスカウトされ黄金聖闘士になるまでそう時間はかからなかったようである