Dead Money(Fallout:NewVegas)

登録日:2011/11/14(月) 18:23:51
更新日:2024/04/19 Fri 05:25:13
所要時間:約 7 分で読めます




「シエラ・マドレ・カジノの話は誰でも聞いたことはあるだろう…」

「その伝説、呪いの話、いくらでもある…」

「くだらない戯言だ、死者の町の中心に、血のように赤い霧に覆われて眠り続ける…」

「トレジャーハンターたちを破滅へと導く、輝かしい記念碑があると…」

「しかし難しいのはその場所を見つけることではない…」

「手放すこと、なのだ…」



Dead Moneyは現在配信中のFallout:NewVegasのDLC第一弾。
「運び屋」は赤い霧に覆われた伝説のカジノ「シエラ・マドレ・カジノ」に眠る財宝を巡る戦いに巻き込まれていくことになる。
またビッグ・エンプティやザ・ディバイドなど今後配信されるDLC第三弾「Old World Blues」や第四弾「Lonesome Load」の事が示唆されており、両DLCの宣伝も兼ねている。

トドメを刺さなければ復活する敵や、HPを容赦無く削り取る霧、一撃で主人公を殺す首輪等、非常に難易度が高いのが特徴。
装備は一切持ち込めず、現地の物資もまともな物が少なかったり、入ったらクリアするまで戻れないので詰む事も十分ありうる。
最大まで鍛えた運び屋で挑むのが理想だろう。できれば他のDLCも導入して現地での作成に使えるレシピやPerksを増やしておきたい。

なお、元ネタは『黄金』という1948年の西部劇映画。原題『The Treasure of the Sierra Madre』。

あらすじ
「シエラ・マドレグランドオープニング」
 その信号を受信した運び屋は、発信源である放棄されたB.O.S.バンカーで催眠性のガスを嗅がされ意識を失ってしまう。
 その後目覚めた場所は、赤い霧と不気味な怪物たちが徘徊する不気味な土地、かつてのシエラ・マドレのなれの果てであった。
 拉致したのは、かつてヘリオス1の戦いで姿を消した元Brotherhood Of Steelのエルダー・エリヤ。
 彼は運び屋に爆発性の首輪をつけ、ここに訪れている3人の人物と共にシエラ・マドレに眠る宝を手に入れるように命じた。
 3人と合流し、不気味な怪物・ゴーストピープルの襲撃と赤い霧の妨害を切り抜けついにシエラ・マドレの門をくぐる運び屋達。
 しかし、そこで彼らは旧世界と共にシエラ・マドレに閉じ込められた、ある愛と憎しみの物語を知ることになる…


登場人物
 Fallout:NewVegasの主人公。
 相変わらず謎の信号の発信源にホイホイやってきてしまった学習能力のない奴。
 エリヤに脅され、リンクした爆弾首輪のせいで運命共同体と化した仲間たちとひたすらパシらさせる事となる。
 もちろん鬱憤は溜まってる訳で…。

  • ドッグ/ゴッド
 エリヤに使役されている傷だらけのナイトキン。運び屋をモハビからシエラ・マドレまで運んで来たのも彼。
 他のナイトキン同様、統合失調症を患っているが、彼らはさらに深刻で2つの人格が自我を持ち肉体を乗っ取ろうと争っている。
 西海岸第二世代SMを彷彿とさせる言動のドッグはエリヤをかつてのマスターズ・アーミー時代のマスターと誤認し、彼に従う一方、知性を保っているゴッドはエリヤを忌み嫌い、排除したがっている。
 彼らを縛り付けるものは「欲」。ドッグは「食欲」にゴッドは「支配欲」に縛られている。
 運び屋によって「腹」と魂を救済された彼らは、一つの人格に統合され、そこに新たな人格が生まれることとなる。
 ちなみに彼のみ首輪がないが、これはゴッドが苦労して外した首輪をドッグが食べたから…何故食べたし。

  • クリスティーン
 BoSナイトの女性。スキンヘッドの頭と傷だらけの顔が特徴。声が出せず、身振りで意思疎通をはかる必要がある。
 裏切り者のエリヤを粛清すべく彼を追跡していたが、ビッグ・エンプティで罠にかけられ、かの地の科学者によって脳をいじられてしまった。
 そこから逃れ、さらにエリヤを追っていたが、ヴィラではディーンに喉をウィンウィンされて他人の声にされてしまうなどかなりひどい目にあっている。
 彼女を縛り付けるものは「復讐心」。そのために彼女は様々なものを失い、それがまた新たな恨みとなって彼女を蝕んでいた
 「運び屋」によって「首」と魂を救済された彼女はシエラ・マドレに留まりこの地の守護者となる。

 ちなみに本編コンパニオンであるヴェロニカとは恋人だった。
 Old World Bluesに彼女の残した装備が登場し、その記述で所属がわかるのだが、C.O.S.(サークル・オブ・スティール)所属。
 BoSの内部派閥、教条主義過激派。異端に走ったエリヤ抹殺を企図するのも当然といや当然である。

  • ディーン・ドミノ
 戦前からシエラ・マドレに滞在を続けているグール。
 世界最高のシンガーにしてエンターティナー*1だったらしく、カジノにもグランドオープンのゲストとして招待されていた。

 プライドの塊のような人物であり、嫉妬深く執念深い。
 彼を縛り付けるものは「過去」。かつてオーナーであるフレデリック・シンクレアの傲岸不遜な態度にプライドを傷つけられた彼は、愛人のヴェラ・キーズをシンクレアに接近させカジノの金庫を襲う強盗計画を立てる。だが戦争によってシエラ・マドレ・カジノはオープンすることなく閉鎖されてしまった。
 それでも彼は、計画を諦めることができずにシエラ・マドレに留まりつづけていた。
 運び屋に救済された彼は金庫室で3人が織り成した物語の結末を知ることとなる。そして彼は過去を振り払い新しい人生へと旅立っていった。

 シンクレアについて「カジノをヴェラのために作ったと言うが、エゴでしかない」「傲慢なんだよ」などボロカスにけなすが、少なくともシンクレアはディーンの才能や魅力について認めており、「なぜ多くの人からのあこがれを受け、愛を捧げられていたきみがこんなことをしたのか」と理解に苦しんでいる様子がうかがえる文章をディーンにあてて残している。


  • エリヤ
 原語では『イライジャ』。元BoSモハビ支部のエルダーだった男で、ヴェロニカの育ての親にして師匠。リオンズの兄弟ではない。
 ヘリオス1での敗北の後、忽然と姿を消した人物。旧世界の科学技術に執着し、それを使って自分の帝国を築くという野心を持っている。そのためにシエラ・マドレに眠る宝を狙い、運び屋達を誘い込んだ。
 彼を縛り付けるものは「過去の栄光」。
 かつてヘリオス1での敗北によってすべてを失ったことが彼を変えてしまったらしい。しかしそれが最終的に彼を破局へと導くことになってしまう。
 ただのキ○ガイジジイかと思えば、ヘリオス1での混戦から脱出し、ザ・ディバイドの嵐を超え、ビック・エンプティからの脱出を果たした過去を持つなかなかの猛者。
 運び屋との対決で生存した場合、DLC終了後も諦めずに何やら画策する様子を聞くことが出来る。どこまでしぶといんだこのヒト……。


重要用語

  • 毒雲
 シエラ・マドレを覆う血のように赤い雲。有毒なガスであり、またどのような金属をも溶かしてしまう強力な酸でもある。
 戦後、ディーンいわく「車も工場もないのに」街を覆い始めたらしいが実は戦前から存在し作業員が被害にあっていた。
 中にいるとかなりの勢いでHPが削られる。超えた先に物資があったりするが、あんまり突っ込むと回復が尽きる。積み要因その1。
 ちなみにディーンが、この毒雲のカスとジャンクフードをブリキ缶に突っ込んで加熱することで作れる「シエラ・マドレ・マティーニ」なるAidアイテムのレシピを教えてくれるが、なぜかそれは体力を回復させてくれる。味はこの世のものとは思えないマズさらしいが。

  • ゴーストピープル
 街を徘徊する人でない「何か」。不気味な声を上げ、俊敏な動きをする。
 赤い霧を遮断する防護服を着けており訪れるものを無差別に襲撃する。
 頭も比較的良いようで、強力な投槍やガス爆弾を自作している。
 普通に倒しただけではじきに復活してしまうため、手足や頭を吹っ飛ばす必要がある。逆に、HPを削り切らなくても、手足を吹っ飛ばせば倒せる。
 ちなみに彼らの来ている防護服はDLC第3弾「Old world blues」にて実際に防具として入手できる。

  • ホログラム
 シエラ・マドレに設置されたホログラム。接客、警備など各種業務を行い200年間人間に代わってシエラ・マドレを管理してきた。
 エリヤ曰く「人を殺してしまう完成されたホログラム」らしい…欠陥品の間違いじゃないのか?
 ホログラムなので一切の攻撃がきかず、敵対したら逃げるか、ホログラム発生装置を探して破壊するしかない。おもしろいポーズでビームを放ってくる。

  • シエラ・マドレ・カジノ
 戦前の大富豪フレデリック・シンクレアが建設した、モハビの地のどこかにあるという伝説のカジノ。
 人生の再出発を謳い、華々しいグランドオープニングが企図されていたが、皮肉にもその日は世界に核の花が咲き乱れた日であり、その門が開かれることはなかった。
 その実態はシンクレアがヴェラのために作り上げた巨大な要塞兼核シェルターである。しかし結果としてその愛は訪れるすべてのものを縛り付ける巨大な蟻地獄と化してしまう。

  • ヴィラ
 シエラ・マドレの眼下に建設された宿泊施設兼観光街、ヨーロッパの街並みを模している。堅固なカジノの作りに比べまるでダンボールでできたかのような手抜き工事の張りぼての街。
 それでも200年の歳月を経ても形を残しているあたり相当な建築技術と言わざるを得ない。毒雲のことも合わせると作業員の苦労が偲ばれる
 この世の楽園と謳われていたが、現在では猛毒の赤い霧とゴーストピープルが徘徊するこの世の地獄と化してしまっている。

 遠くない未来、世界の果ての地ザ・ディバイドで行なわれた運び屋の旅の終わりにして伝説の始まりの戦い。
 ここに吹き荒れる嵐の奥で二人の運び屋がたがいに伝えるべき言葉を携えたまま壮絶な死闘を繰り広げたという。
 …改めてモハビの運び屋という職業のすごさがわかる話である。

  • フレデリック・シンクレア
 戦前の大富豪。ディーンの言や、建設作業員の残した文章によると、やや傲慢なところがる人物だった模様。ディーンに紹介されたヴェラ・キーズに夢中になって、彼女に捧げるためにシエラ・マドレ・カジノを建設した。
 だが、シンクレアはディーンとヴェラが共謀し、強盗計画を立てていることを知ってしまう。絶望し、怒りを抱いた彼は、金庫室を牢獄として作り上げ、そこに足を踏み入れた者が永遠に逃れられなくなるよう仕組んだ。
 しかしグランドオープニングの前夜、ヴェラはシンクレアに計画を打ち明ける。それにはヴェラがシンクレアを愛していないことも含まれていた。
 それでも彼はヴェラを愛しており、彼女を守りたいと願った。折りしも、戦争直前の緊張状態にある今、金庫室はヴェラを守る核シェルターとしても機能するはずだった。しかし、牢獄のシステムが働いているのは危険だ。その調整をしようと苦闘していた彼は、金庫室の手前で作業を続けていたところ、落下して死亡した。

  • ヴェラ・キーズ
 若手女優。ヴィラ、およびシエラ・マドレ・カジノにいる女性のホログラムは彼女をモデルにしている。ディーンの愛人で、シンクレアの恋人。持ち歌はオリジナル曲『Begin Again』。
 ディーンがシンクレアを陥れるための計画に協力させようとした時、彼女はいったんは拒否したが、脅迫され協力させられてしまう。しかし、やはり罪悪感があったのか、実行直前にシンクレアに計画を打ち明けている。
 その後、投下された爆弾によってシエラ・マドレ・カジノが封鎖され、外に出ることがかなわなくなった彼女は、スイートルームの一室で死ぬこととなった。ディーンによってMed-Xの中毒にさせられていたらしく、そばにあったオートドクターのログによれば、死に至るまえにすでに昏睡状態だっただろうと思われる。ベッドのそばの壁には大きく「LET ME GO(放して)」と書きつけられている。
 ディーンに協力したのは、肉体関係を示唆するホロテープの存在や、Med-Xの中毒についてがネタの脅迫によるところもあると思われるが、彼女がディーンを愛していたというところも大きいようだ。実際、彼女の楽屋には、ディーンの歌が入ったホロテープや、写真たてに飾られたディーンの写真を見つけることができる。
 シンクレアはヴェラを、ヴェラはディーンを愛し、ディーンはシンクレアを憎んで、それぞれを手放すことができなかった。見事な一方通行の愛憎劇である。



「アニヲタwikiの話は誰でも聞いたことはあるだろう…」

「その伝説、アク禁の話、いくらでもある…」

「くだらない戯言だ、冥殿のお気に入りの項目に、血のように赤い項目名に覆われて眠り続ける…」

「wiki籠りたちを破滅へと導く、輝かしいサムネがあると…」

「しかし難しいのはその項目を見つけることではない…」

「追記・修正すること、なのだ…」

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最終更新:2024年04月19日 05:25

*1 元ネタはフランク・シナトラ+ディーン・マーティンだとか。ただし持ち歌はビング・クロスビーの『Something's Gotta Give』