ジュピトリス級超大型輸送艦

登録日:2014/06/02 Mon 20:42:25
更新日:2023/10/31 Tue 02:16:13
所要時間:約 5 分で読めます





機動戦士Ζガンダム』などに登場する艦船。

概要


全長:2km
重量:不明

武装:詳細不明(対空砲として機銃またはレーザー砲を備えるとされる)

地球連邦軍が建造した輸送艦。
MSなどの動力源である熱核反応炉の燃料「ヘリウム3」を木星で採取し、地球圏に運搬する木星船団の旗艦。
そのヘリウム3は地球圏でも採れないこともないのだが、採取できる量が非常に少ない*1のでわざわざ木星くんだりまで赴いて大量に採ってこなければならないのである。
惑星間航行を行うため、推進システムには核パルスエンジンが採用された。

文明を支える基礎と言えるヘリウム3を採掘するこの艦は貴重品扱いされており、
事故が起きても助けに行けない木星まで往復するために高度な設備を搭載した大型の艦船なので
用途の面でも実際の艦の装備や規模の面でも「価値が高い」艦艇である。

また木星から地球の往復便という特徴から、単に「木星から地球に必要なヘリウムを運ぶ」だけではなく「地球から木星に必要な物資を運ぶ」役割も持たせられている、一種の貿易船としての役割もあると推定される。
つまり、過酷な環境である木星圏にとっては生命線になり得る存在


特徴

各部に以下のような特徴がある。
  • 艦首部の左側にブリッジが存在する。このブリッジだけでも巡洋艦クラスのサイズになっている。
  • 艦首部の右側はMSなどの発進口。
  • 中央のリング状の構造体は居住区で、コロニー等と同じく回転による人工重力を発生させていると考えられる。任務の性質上、非常に長い期間の航海に耐えられるよう高い居住性が与えられており、ハマーン・カーン曰く「巨大都市そのものの規模」らしい。
  • 艦後部には工場ブロックが存在し、様々な物を製造できる。MSの開発も不可能ではない。
  • 艦前方にあるオレンジ色のブロックには資材などが貯蔵されていて、MS格納庫としても利用される。
  • 艦体の各部及び後部上下に張り出した多数の超巨大な筒がヘリウム3積載用のタンク。
  • その他、艦体からは地球との交信を行うためのアンテナが伸びている。


武装

基本的には接近してきたデブリなどを破壊するための物しかなく、まともな艦隊戦を行うことは出来ない。


大きさ

ジュピトリスの緒元で最も目を引くのは全長2km以上という巨体であろう。
300mを超えれば巨大戦艦、ドゴス・ギアグワダンなどの500m-1000mで化け物扱いされる中でのコレである。

特徴でも書いたようにブリッジだけでも巡洋艦クラス、艦前部のオレンジ色コンテナは単体で(設定が狂っているORIGIN版ドロス級空母を除いて)いかなる戦艦より巨大な容積を持ち、中央部ともなれば少なく見積もっても400m×200m以上という桁違いのサイズ。
ヘリウム3用のタンクもこれ一つで戦艦クラスをゆうに超える容積を持っている、まさに化け物じみた輸送艦といえよう。

この広大なスペースに長距離航海のための設備に充てられていると考えれば、ハマーンの言葉にも合点がいくというものである。
というか、ここまでするならいっそスペースコロニーに核パルスエンジンを取り付けて「星間移動用拠点」とした方が手っ取り早いのでは……。

もっとも、人類の生活圏が地球と各ラグランジュポイントに及ぶこの時代では、宇宙船も長くて数週間で停泊できることを前提としているのが普通な筈。
それで大きい方では300m越えとなると、片道2年もかかる航行と「巨大都市」と謂われる居住区を持つジュピトリスは2kmでもコンパクトと言えるかもしれない。



同型艦

ジュピトリス


乗組員:
パプテマス・シロッコ(指揮官)
ハイファン(艦長)


1番艦と思われるネームシップ。
グリプス戦役が勃発したのとほぼ同時に地球圏に帰還し、ティターンズ側につく。
ジャミトフがシロッコを引き入れた最大の理由はバスクへの牽制だが、単独でのMS生産能力まで持った移動基地として使えるこの艦の存在も一因だったと予想できる。
しかし、自前の拠点を残したかったシロッコは原隊復帰の原則を盾にジュピトリスの編入を拒否。あくまでシロッコと手勢の活動拠点として運用されることになる。
彼が手掛けたMS達もこの艦の中で製造された。ちなみにその機体群には連邦軍から「PMX」の型式番号が与えられている。

シロッコがドゴス・ギアをジャミトフに返上した辺りから本格的に行動を開始。彼がティターンズを掌握するとここから艦隊の指揮を執り、エゥーゴに制圧されたグリプスⅡに攻撃を仕掛けた。
同級艦が既に存在するとはいえ、地球圏のライフラインどころか、木星圏のライフラインをも支えると思われる艦を前線に出すのは正気の沙汰とは思えないが、劇中でどの軍も気にする様子は無かった。…この件に関してはドゥガチは怒って当然。

最終決戦ではΖガンダムスイカバーによるジ・O撃墜に巻き込まれる等、かなりの損傷を受けたようで艦体の各所から爆発を起こしていた。
『ΖΖ』のブライトの航海日誌によると沈んだ模様。

劇場版でジ・Oの爆発に伴って大爆発を起こして轟沈。その後、沈んだポイントはエゥーゴの全艦艇・MSの集結地点に指定された。


ジュピトリスⅡ



艦載機:
ZZ-GR

ガンダムΖΖ』に登場。2番艦と思われる。
ジュピトリスとの外見上の違いはほとんど見受けられない。

第一次ネオ・ジオン抗争が終結した後に地球圏を出発している。
途中で亡命を希望するネオ・ジオン残党が乗るキュベレイMk-Ⅱを保護したらしい。


コバヤシ丸

ガンダムF90』に登場。
かなりのオンボロ艦らしい。
U.C.0120年の10月25日にオールズモビルの襲撃を受けて撃沈されている。
襲撃された理由は不明だが、間もなくオールズモビルが地球連邦に攻め込むことから、MSの核融合炉を動かすヘリウム3の略奪を狙ったと見るべきか。

ちなみに、120年に地球圏帰還寸前だったことから、木星から出発したのは118年前後と推定される。
そして『機動戦士クロスボーン・ガンダム』に登場するテテニス・ドゥガチ(ベルナデット・ブリエット)は133年時点で13歳、つまり120年に産まれたということになる。
単純計算だとしても118年には到着している事になり、そもそも片道二年もかけて木星と地球を往復するジュピトリスが、木星に来て物資を積んですぐ帰るとは考え難く、
貿易や交流や船の整備*2などでそれなりの年数留まるとして、本船が木星に到着したのは117年以前と推定されるため、
クラックス・ドゥガチに嫁がせるために地球から送られてきたというダナエ・ブリエットはこのコバヤシ丸に乗って木星圏にやってきた可能性が高い。

特徴的な名前だが、一年戦争の英雄でカラバの名将ハヤト・コバヤシが艦名に使用された……とかではなく(それなら「丸」はつかないはず)、
アメリカのSFテレビドラマ『スタートレック』シリーズに登場する「コバヤシマル」が元ネタ。
とはいえその正体は、救難信号を出したこの船を救う「コバヤシマル・シナリオ」というシミュレーションに登場する艦艇であり、同時にこのシナリオは絶対にクリアできない。つまりコバヤシマルは必ず沈む。という「不可能事象に対し訓練生がどう対応するのかを観測するシミュレーションテスト課題」である。
作中では主人公カークがこのシミュレーションを唯一突破したのだが、その内訳はシミュレーションの内容を弄るといういわゆるチート行為であり、この事から「潔く死を迎えられるかのテスト」とも呼ばれている。
要するにこの名前がついている事がメタ的に沈む船ということである

ちなみに『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』シリーズに「コバヤシマル・ジューゾー」というキャラがいるが恐らく偶然。



その他

ツィオルコフスキー


乗組員:ジョージ・グレン、他

ガンダムSEED』に登場。
ジュピトリスにそっくりな木星探査船で、ジョージ・グレンが自ら設計を手掛けている。

自身がコーディネイターであることを明かした「ジョージ・グレンの告白」はこの中で行われ、世界中に衝撃を与えた。
また地球圏に帰還した際には「羽クジラ」の通称で知られる「エヴィデンス01」の化石を持ち帰ってきたため、再び世界中に衝撃を与えている。


艦名不明

ガンダムEXA』に登場。

レオス・アロイをジュピターⅩまで運んできた。


サウザンズ・ジュピター級

ガンダムF91』に登場予定だった艦。ジュピトリス級の発展型とされている。

只でさえ巨大なジュピトリスから更に巨大化しており、一説によれば全長9km以上
その全ての機能を拡張した、まさにジュピトリスの完成系と言える。
形はパッと見、コロニーに見えなくもない。
艦そのものは登場しなかったが、クロスボーン・バンガード(CV)の式典のシーンで椅子に座っている老夫婦がこの艦の艦長夫婦であり、CVの理念に共感してヘリウム3を提供したという。
また、このヘリウム3の提供はあらかじめ仕組まれたもので、CV(ブッホ・コンツェルン)と木星は共謀していたとされる、が実際はサナリィも「ジュピター・サナリィ」という支社を木星に持っているので実際は同じ穴の狢だったのだが。



ジュピトリス9



クロスボーン・ガンダム』に登場。
サウザンズ・ジュピター級の同型艦で、恐らくジュピトリス系の艦艇でも至上最強最悪の攻撃力を有する巨大艦である。

その内部には数千発の核弾頭と毒ガス、更には一機が落ちれば十分地球全土を放射能汚染可能なディビニダドを八機搭載、MSや防衛火器も大量に配備しているなど、非常に堅牢かつ非常識なまでに高い攻撃力を持つ。
街中にMSが活動できるサイズのコロシアム*3を造るなど、ドゥガチ自身の歪んだ統治の象徴ともいえる工夫も成されていた。

地球という存在を憎悪するクラックス・ドゥガチの策略で、長年培ってきた偽装親善を隠れ蓑に地球圏に襲来。
宇宙海賊クロスボーン・バンガードを連邦軍と共に打倒すると、今度は手のひらを返したように地球圏への一斉攻撃を開始。
打ち上げ基地施設やわざと猶予を与えて反抗させ力を殺ぐなど、為す術の無くなるまで徹底的に破壊した。

しかしその構造上、第八ブロックと第九ブロックの間が脆いことが判明。
本来ならば死角であった地球の重力ギリギリの直下からの奇襲をクロスボーンガンダムに仕掛けられ、小型核弾頭であえなく両断された。

ジュピトリス9には大勢の木星市民が住んでいたはずだが、戦後、彼等がどうなったかは不明である。



コルヌ・コピア


乗組員:
カーティス・ロスコ
テテニス・ドゥガチ

U.C.0160年代に運用されている超巨大ヘリウム輸送船。
ジュピトリス級の後継にあたるとされ、艦の中央部にヘリウムタンクを8つ備える。
後端部はサウザンズ・ジュピター級に似たデザインで、先端部には旅客船の船体を流用した管制ユニットを持つ。
連邦政府と木星戦役の直後に締結した盟約により、大規模な工業設備や過剰な武装を持つことができない。(デブリや強盗対策程度ならOK)

地球圏に幽閉されていたカーティスらが木星へ戻る際に乗り込んだ。
息子のニコル・ドゥガチも当初は乗り込むはずだったが出港直前に脱走し、後でそれに気づいた両親から大爆笑された





追記・修正は木星でヘリウム3を採取してからお願いします。

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最終更新:2023年10月31日 02:16

*1 設定が出来た当時、月に豊富に存在することは知られていなかった

*2 「オンボロ」呼ばわりされることを考えると尚更、帰路のための修理・整備には時間を費やさざるを得ない。

*3 さすがにMS同士の戦闘まではしてないが。